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Nyterops yetieifliensis
頭部だけの部分化石ですが、モロッコ産とは違う頭鞍のブツブツの病的な異様さに惹かれ、購入した標本です。比率的に大き目で不揃いのブツブツは、見方を変えれば気持ち悪くも見えます。ファコプスが好みの収集家でも、この種類が好みであるとする収集家は少ないかもしれません。
Lower Devonian(Eifelian) Phacopidae,Phacopoidea,Phacopina,Phacopida TRI-751 FreilingenTrilobites
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Sphaerexochus latifrons
Sphaerexochusの仲間は、日本の横倉山など世界中のシルル紀産地でも産出するのですが、基本的に部分化石のみで、数も多くは産出しません。ゴットランド産も同様に完全体では産出はありません。サンゴなどの一緒に生息していた生物の破片が無数に重なる産状で、見た目以上に硬質の石灰岩から構成されています。
Silurian(Ludlow) Encrinuridae,Cheiruroidea,Cheirurina,Phacopida TRI-750 Hemse MarlTrilobites
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Dalmanites rutellum
アーバックル山脈から産出するシルル紀の三葉虫は、独特の白系母岩の美しい化石が産出します。Calymene claviculaやFragiscutum glebalisなどが他に知られ、Dalmanitesは産出量としては希産です。産状として何故か丸まった個体しか出てきません。Fragiscutumも同様に丸まった個体しか産出しないので、化石化する過程で防御する猶予があったのかもしれません。後の時代のデボン紀Haragan累層Huntoniaは、同じオクラホマ州で子孫である可能性は高いです。
Upper Silurian Dalmanitidae,Dalmanitoidea,Phacopina,Phacopida TRI-581 HenryhouseTrilobites
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Craspedarges superbus
国産では極めて貴重なリカス目の尾部です。腕足類の破片に紛れて産出している尾部です。全体に細かい棘状の繊毛の様な粒々に埋め尽くされており、異様な姿を想像するに十分な迫力があり、眺めていて溜息が出る保存状態です。日本にもこれ程、異様で存在感のある三葉虫が嘗て産出した事が驚きで、本種は海外産の目を張る各種三葉虫にも全く引けを取りません。 [Left side:Negative,Right side:Positive]
Lower Devonian Lichidae,Lichioidea,Lichida TRI-567-2 FukujiTrilobites
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Morocops spinifer
粒々だらけの頭部を持つ「spine head phacops/Bumpy phacops」と呼ばれるファコプスで、初めて存在を知った時は衝撃的でした。モロッコを代表するプレパラーターのHammi氏による標本で、高度な技術と機器がなければ仕上げる事が出来ません。それほど大きくない標本ですが、ルーペで観察するとその剖出技術の高さに脱帽します。この種類は2012年くらいから見かけ始めましたが、数が少なく小型で丸まっている標本しかみかけません。粒々の頭部が最大の特徴ですが、複眼の数が少なく今まで見かけたファコプスとは明らかに異なる種類です。
Lower Devonian Phacopidae,Phacopoidea,Phacopina,Phacopida TRI-450 KhebchiaTrilobites
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Gravicalymene yamakoshii
カリメネは、オルドビス紀からデボン紀まで姿を変えず三葉虫の中でも完成形の一つであります。カリメネが生き延びた最期の時代であるデボン紀に入ると、その仲間は激減して希少種になってしまいます。福地では比較的多産した種類ではありましたが、世界的に見ても福地のカリメネは最後の姿を残す貴重な存在です。福地の化石採取に多大な功績を残した故山腰 悟氏の名を冠しています。本化石は、尾部のみの部分化石で、この地の産状として完全体で見つかることは殆どありません。 [Left side:Positive,Right side:Negative]
Lower Devonian Calymenidae,Calymenoidea,Calymenina,Phacopida TRI-564-2 FukujiTrilobites
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Japonoscutellum japonicum
国内における最古の地層の一つとして、シルル紀研究の記念碑的存在の横倉山。昭和40年代までは土佐桜と呼ばれる建築材の産地として知られていました。化石についても1970年代〜80年代にかけ採掘が進みましたが、現在では採取が出来ない状態とのことです。三葉虫も30種以上の報告がありますが、完全体ではなく、部分化石として見つかるのが一般的であります。「日本のスクテラム」と名付けられたスクテラムの尾部の標本ですが、今となっては貴重な標本となりました。
Upper Silurian Styginidae,Illaenoidea,Illaenina,Corynexochida TRI-593 Yokokurayama(G3)Trilobites