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Olenoides vali
三葉虫コレクターにとってオレノイデス(Olenoides)という種類は、憧れであり羨望の的ですので、オレノイデスは三葉虫の一つの頂点ではないかと思います。カンブリア紀ならではの扁平な種類でありながら、立体的で固い棘に覆われた姿は迫力さえ感じさせます。バージェスの影響もあり一般に知名度のある数少ない三葉虫の種類であり、名前もカッコいい響きがあります。その一方、産出量は極めて少なく完全体はおいそれと手が出せない高額な種類であります。
Middle Ordovician Dorypygidae,Corynexochoidea,Corynexochina,Corynexochida TRI-489 Marjum shaleTrilobites
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Kootenia randolphi
固い棘で防備したカンブリア紀の三葉虫で、見た目が有名種のOlenoidesそのものですが、近縁の仲間です。体の中心の中葉部からも胸節毎に太く硬い棘が残ります。側葉から尾板も縁取るように同じ様に棘が並んでおり体を防備しているのが分かります。カンブリア紀の段階で三葉虫は身を守る一つの方法として棘を手に入れていたのです。Dorypyge swasii(SUNDBERG1994)という名称で以前呼ばれていました。
Middle Cambrian Dorypygidae,Corynexochoidea,Corynexochina,Corynexochida TRI-285 Pierson Cove(Wheeler)Trilobites
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Olenoides paraptus
カンブリア紀北米の代表種と思われているOlenoidesですが、アジアでも産出する貴重な例です。バージェスやユタ系より古い時代に当たる為、これらのOlenoidesの先祖である可能性もあります。尾部の太く鋭い棘はOlenoidesそのものですが、ユタ産の様な派手さは、まだ見られません。中国産三葉虫において最入手困難種と言ってよい程の希少種で、凱里の重要性が国際的に認識されている現在において、中国国内から持ち出すことは不可能に近いです。 (Left side:Positive/Right side:Negative)
Middle Cambrian Dorypygidae,Corynexochoidea,Corynexochina,Corynexochida TRI-701 Kaili(凱里)Trilobites