Wanneria walcottana
ワンネリア・ワルコッターナ (Wanneria walcottana) です。広い意味でのオレネルスの仲間で、Olenelloidea (オレネルス超科) に属します。
今にも消え入りそうで、どこか儚い印象すら受ける、オレネルス属 (例えば、オレネルス・ギルベルティ (Olenellus gilberti) など) と比較すると、全体的に外殻が厚くて力強い印象を受けます。幅広の体型が特徴的でもあり、この標本のように大型の個体が多く、華がある種です。私はオレネルス類が特に好きなのですが、オレネルスマニアにとっては、この種はマストだと感じます。
産地がペンシルバニアのキンザーズ (Kinzers) とやや特殊な所です。他の種のオレネルス (例えば、巨大なオレネルス・ゲッティ (Olenellus getzi) など) も産出します。入手元によると、30年以上前に産地閉鎖し、現在は駐車場になってしまっているようです。その為、本種含め同産地の種の入手は限定的です。
他、市場で見かけるワンネリア属としては、カナダのワンネリア・ドゥンナエ (Wanneria dunnae) という種も居て、本種と似た風貌をしております。ただ、こちらは本種に輪をかけて希少な種で、入手困難種であります。
Lower Cambrian
Kinzers
the Brubaker's Quarry, Lancaster, Pennsylvania, USA
Wanneria walcottana
trilobite.person (orm)