Gerastos tuberculatus marocensis
ゲラストス・トゥバキュラトゥス・マロチェンシス (Gerastos tuberculatus marocensis) です。もっともポピュラーなモロッコの三葉虫のうちの一つですが、正式な学名が長らく付いておらず、かつては、ゲラストスの一種 (Gerastos sp.) や、ゲラストス・グラニュロスス (Gerastos granulosus) など適当に呼ばれていた種です。ここ近年のモロッコ三葉虫の記載ラッシュにより、ようやく2006年に正式名称が与えられたようです。
本種の特徴としては、記載論文 (Chatterton et al., 2006) の説明によると、
✔︎ 頭鞍に尖った目立つ荒い顆粒を持ち、顆粒は胸尾部の細かな顆粒より大粒
✔︎ 頬棘は短いながらも、その先端は尖っている
などでしょうか。特に、頭鞍の顆粒の大きさは分かりやすく、上写真でも頭鞍の顆粒が胸尾部のそれに比べて大きい事がわかるかと思います。
最近の論文では、モロッコの微妙な差異のあるゲラストスが10種類以上に分類されております。(G. hammi、G. ainrasifus、G. aintawilusなど) ただ、本種以外は比較的レアであり、中々市場で見かけないですし、そもそもゲラストスの見分けは大きな違いがあるわけではないので難しいです。
安価で今一つ軽視されがちな種でありますが、小柄な体格にぷっくりした複眼や、とても可愛らしい種でもあります。
Middle Devonian
Timrhanrhart
Foum Zguid, Morocco
Gerastos tuberculatus marocensis
trilobite.person (orm)