Endops yanagisawai
こちらはエンドプス・ヤナギサワイ (Endops yanagisawai)、世界的に見ても少ないペルム紀中期の希少な三葉虫です。同時代の他の種同様、プトエトゥス目 (Proetida) であります。
属名のEndopsの由来について、『最後』の時期の三葉虫だから、『End-』と勘違いされる事もありますが、違います。精力的に北上や、福島県高倉山、新潟県青海などの化石の研究などにも関わった古生物学者、故 遠藤隆次博士 (1892-1969) の遠藤 (Endo) から取った名であります。元々は遠藤博士により、パラディン・ヤナギサワイ (Paladin yanagisawai) と付けられていたようです。由来としては間違っていますが、それでも、たまたまとはいえ、最後を連想させるEndopsという名がついた事に不思議な運命を感じます。
石炭紀より数の少ないペルム紀の三葉虫として希少なものですが、かの原発事故の影響もあり、採取は今後完全不可のようです。そんな訳で、二つの意味で貴重であります。この標本は頭部と尾部、一部ですが胸部も見えております。
綱レベルで見れば、カンブリア紀から約3億年近くも命脈を保った三葉虫という偉大な種も、ついにはペルム紀には滅び去ってしまいました。そんな希少な『最期/最後』の種が日本で産出する事に、コレクターとしては喜びを覚えます。
Permian
Takakurayama
福島県いわき市四倉高倉山
Endops yanagisawai
trilobite.person (orm)