-
Ampyx linleyensis
イギリスのオルドビス紀の三葉虫、アンピクス・リンレイェンシス (Ampyx linleyensis) です。 イギリスより産出する、数多のトリヌクレウスの一種ですが、その中ではクネミドピゲ (Cnemidopyge nuda) と並び、最もコモンな種であります。クネミドピゲとそっくりですが、本種は尾部に節構造がないことが、最も簡単な鑑別点であります。 頭部先端からは、特徴的な一本の長い棘が伸びています。また、この標本では欠損していますが、ロシアの有名な同属と同様に、本来は、非常に長い頬棘を持っております。この標本だけ見ると、地味で大人しい印象を受けますが、実際は非常に優美な姿をしておりました。 ただ3本の棘が残った標本はまず見かけず、図鑑の中だけでの存在であります。
Middle Ordovician Hope shales Minsterley, Shropshire, UK Ampyx linleyensistrilobite.person (orm)
-
Colpocoryphe sp.
モロッコのオルドビス紀の、コルポコリフェの一種 (Colpocoryphe sp.) です。比較的地味な存在であるからか、注目される機会が少ないように思います。 市場を見る限り、モロッコのコルポコリフェには複数種が居るような気がするのですが、そのどれにも学名がつく事なく現在に至ります。目立つ種でもないので、今後も当分は記載が期待出来なさそうです。特にモロッコでは、よく似たサイズの小さいFlexicalymeneとごっちゃになっている事もしばしばであります。 一般的な人気はさておき、カリメネ贔屓の私には好きな部類の種であります。5体が載る複数体標本であり、一部は裏側が観察できる頭部断片も混じっています。オルドビス紀モロッコの標本にしては、黒々艶々とした質感も気に入っております。
Middle Ordovician - Zagora, Morocco Colpocoryphe sp.trilobite.person (orm)
-
Eccoptochile cf. mariana
この何かのマスコットにでもなりそうな、巨大で愛らしい三葉虫は、エコプトキレ (Eccoptochile cf. mariana) といいます。モロッコのオルドビス紀の三葉虫です。欧州で広く産出する種であり、記載も欧州が先ですが、マニアにはモロッコのこちらのタイプが良く知られております。 モロッコのエコプトキレは、形態的に見ても何種類かいる事が知られています。標準的な本種や、頭鞍の目立たないタイプ、集団で産出するそれほど可愛らしさのないタイプ (なんという決めつけ‥) など、少なくとも2種類以上は居るように思います。ただ正確な分類は進んでおらず、いずれも、現時点で科学的には記載されておりません。その為、欧州のエコプトキレ・マリアナ (Eccoptochile mariana) のcf. (confer: マリアナっぽさがあるけど不確実の意) などと表記される事が多いです。 大きな鼻のような頭部、ミシンの縫い後のような胸部側葉の模様、丸いフリルのような尾部など、あまりに特徴にまみれた種で、大変人気があります。産出量もけして多くはなく、比較的希少種と言えるかと思います。 レア度は★2とするか、★3とするか微妙なところですが、状態を選ばなければ入手困難という程でもなく、★2.5といったところです。厳しめにつけて少数切り捨てとして、★2とさせて頂きました。
Middle Ordovician Fezouata Taychoute, Zagora, Morocco Eccoptochile cf. marianatrilobite.person (orm)