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Yiliangella forficula
こちらは、中国のイーリャンゲラ・フォルフィキュラ (Yiliangella forficula) であります。カンブリア紀前期 (特にSeries2, stage4) に当たる時代の化石を産する、馬龍生物群 (Malong biota) の紅井哨紅累層 (Hongjianshao fm) のものです。 中国の化石特有の黄土色の母岩に、鉄錆色の本体が生える化石です。優美で流れるような胸尾部の棘は、どこか柔らかそうで、モロッコのGygantopygusなどを思わせます。頬部が失われてはおりますが、本種に関しては完全な標本はほぼ無いと言ってよく、これで上位の保存状態であります。 大型で実に美しい中国の標本ですが、砂泥質の母岩が脆く、標本箱の中に置いているだけでも、徐々にポロポロと崩れるのが玉に瑕です。
Lower Cambrian (Series2, Stage4) Malong biota, Hongjianshao (紅井哨紅) Near Kunming, Yunnan, China Yiliangella forficulatrilobite.person (orm)
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Wujiajiania lyndasmithae
ウジアジアニア・リンダスミサエ (Wujiajiania lyndasmithae)。マッケイグループの、名前がややこしくて覚えづらい三葉虫です。 潰れた草履のような見た目で、名前のみならず、形態も少々変わっているようにも見えます。最もこの標本は本当に潰れており、実際はもう少し厚みのある種類ではあるようです。何にせよ、細長く胸節の数が多い事が特徴です。 集団で産出することもしばしばであり、この標本でも、大きな個体と小さな個体がセットで載っています。 ウジアジアニア・スセルランディ (Wujiajiania sutherlandi) という、同属異種もマッケイより産出するのですが、調査不足で、両者の違いはまだ把握しておりません。本種の同定は提供者氏に依ります。
Upper Cambrian (Furongian, Jiangshanian) McKay Group Cranbrook, British Columbia, Canada Wujiajiania lyndasmithaetrilobite.person (orm)
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Weeksina unispina
こちらは、ウィークシナ・ウニスピナ (Weeksina unispina) の標本です。ウィークス (Weeks) 累層産であります。 種小名の "ウニスピナ-単一の棘" の名が示す通り、軸葉第8節より一本の短めの棘が付いております。この特徴は同産地のゲネヴィエヴェラ (Genevievella) に同じですが、こちらの方がその棘が短く、小型で体高も低く、ゲネヴィエヴェラに比べると肉厚感はありません。 ウィークス産の三葉虫は、メニスコプシア (Meniscopsia) やクーセラ (Coosella) などでも見られるように、母岩の明るい色合いと三葉虫自体の平べったさが幸いしてか、消化器遺残物が残っている種が多いです。本種も同様であり、本標本でも頭鞍から胸節の棘のあたりまで、黒いシミのような消化器系の名残りが確認できます。 やや地味ながらも、小さくて可愛らしい種です。
Middle Cambrian (Series3, Guzhangian) Weeks Utah, USA Weeksina unispinatrilobite.person (orm)
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Wanneria walcottana
ワンネリア・ワルコッターナ (Wanneria walcottana) です。広い意味でのオレネルスの仲間で、Olenelloidea (オレネルス超科) に属します。 今にも消え入りそうで、どこか儚い印象すら受ける、オレネルス属 (例えば、オレネルス・ギルベルティ (Olenellus gilberti) など) と比較すると、全体的に外殻が厚くて力強い印象を受けます。幅広の体型が特徴的でもあり、この標本のように大型の個体が多く、華がある種です。私はオレネルス類が特に好きなのですが、オレネルスマニアにとっては、この種はマストだと感じます。 産地がペンシルバニアのキンザーズ (Kinzers) とやや特殊な所です。他の種のオレネルス (例えば、巨大なオレネルス・ゲッティ (Olenellus getzi) など) も産出します。入手元によると、30年以上前に産地閉鎖し、現在は駐車場になってしまっているようです。その為、本種含め同産地の種の入手は限定的です。 他、市場で見かけるワンネリア属としては、カナダのワンネリア・ドゥンナエ (Wanneria dunnae) という種も居て、本種と似た風貌をしております。ただ、こちらは本種に輪をかけて希少な種で、入手困難種であります。
Lower Cambrian Kinzers the Brubaker's Quarry, Lancaster, Pennsylvania, USA Wanneria walcottanatrilobite.person (orm)
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Walliserops tridens & Acastoides zguilmensis
一体この謎のフォークにどんな機能があったのでしょうか? 戦いの武器?、一種のセックスアピール? いずれも想像の域を出ませんが、興味が尽きません。 こちらは、Walliserops tridens (ワリセロプス・トリデンス) & Acastoides zguilmensis (アカストイデス・ジグイメンシス) です。このうち、特にワリセロプスは見ての通り、あまりに奇妙な頭部先端のフォークが目立ち、見た目がド派手な為、モロッコ三葉虫の中でもとりわけ人気が高い種です。 さて、このワリセロプスには複数種がいて、 ✔︎フォークが長いタイプ: Walliserops trifurcatus ✔︎フォークが短いタイプ: Walliserops tridens Walliserops hammi Walliserops lindoei と大まかに分けられます。 長いタイプの唯一の種、ワリセロプス・トリフルカトゥス (Walliserops trifurcatus) は実に奇天烈な見た目の種で、『あんた一体何者なんだ?』とツッコミたくなります。フォークや棘の掘り出しには技術を要し、プレパレーターの腕が試される種でもあります。この種は、とりわけ人気がありますが、フォークが短いタイプに比べれば、比較的産出量は多いようです。 一方、短いタイプには主に上記3種類がいます。 ハンミ (Hammi) はフォークが細く両脇の角が大きく湾曲している事が特徴です。リンドエイ (Lindoei) はフォークの3つの角が潰れて、平坦になっている事が特徴であります。本種トリデンスは、特徴がない事が特徴といいますか、細くもなく潰れてもない短いフォークなら、トリデンスかなと私は判断しています。流通量的には、リンドエイ>ハンミ>=トリデンスなイメージです。リンドエイとトリデンスはやや似通っていて、混同されている標本も見かけます。 ところで、このフォーク、日本のカブトムシのようだと思われた方もいるかもしれません。しかし、実は全然構造が違います。カブトムシの角はよく見ると、先が4つに分かれ左右対称です。一方、このフォークは見ての通り3つ組構造です。3つ組の構造物は、古代〜現生種でみても、実はかなり珍しく、この種を特別なものにしています。 三葉虫の形の面白さや奇妙さを説明する際に、これほど適した種もいないと思います。
Devonian - Timrzit, Maider, Alnif, Morocco Walliserops tridens & Acastoides zguilmensistrilobite.person (orm)
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Viaphacops claviger
ネヴァダ州というと、基本的には三葉虫関連ではカンブリア紀の層が大半を占めております。そんな中でこちらウェンバン累層 (Wenban fm) は、ネヴァダ州でも中央に位置するSimpson Park Mountainにある地層で、同州にしては珍しいデヴォン紀の層が広がっております。 そんなマニアックな産地で産するこの種は、ヴィアファコプス・クラヴィゲル (Viaphacops claviger) 。異色の産地の異色の巨大なファコプス類であります。ウェンバン累層は地層の変形が激しく、押しつぶされたように圧がかかった標本が多いです。本標本もプレスされたように押しつぶされております。 特筆すべきはその特異な風貌。全長100mmオーバーと、ファコプスの仲間ではモロッコの巨大種ドロトプス (Drotops) に匹敵する巨体を有し、髭のような自由頬から伸びる棘や、軸葉から垂直に伸びる棘(本標本では残念ながら摩耗しております) を持つなど、相当な変わり種のファコプスであります。サイズ感の比較用に写真8枚目で、一般サイズのファコプス (NY州のEldredgeops rana) と並べております。 ファコプスにもこんな種がいるのかと、認識を改めてくれる種です。
Lower Devonian Wenban fm he Simpson Park Mountains, Nevada, US Viaphacops clavigertrilobite.person (orm)
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Uripes geikiei
こちらは、ガルヴァン (Girvan) のウリペス・ゲイキエイ(Uripes geikiei)。 属名も種小名もどこか馴染みがない種でありますが、貴重なリカスに分類される仲間です。同地では、ヘミアルゲス・マキュロキ (Hemiarges maccullochi) という、似たリカスが産出し、本種と双璧を成す存在であります。 本来、本種はモロッコのロボピゲ類 (Lobopyge) のように、ちょこんと突出した複眼や、発達した頭鞍を持つ種のようです。しかし、本標本では頭部はぐちゃっとしてしまっており、残念ながら、それら特徴的な構造は失われてしまっています。 補完の為、以下論文より頭部の画像を転載しております (写真7番目。CLASSIFICATION AND PHYLOGENY OF THE TRILOBITE ORDER LICHIDA, 1988より)
Upper Ordovician (Ashgill series) - Girvan, Arishire, Scotland, UK Uripes geikieitrilobite.person (orm)
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Undetermined species_02
中国雲南省の保山市 (Baoshan) のShihtian累層産の標本です。調べる限りでは、おそらく未記載であると思われます。 サイズは尾棘含めて15mm、含めずで11mmほどと小さめです。やや目立つ頬棘をもち、尾部後端から長めのスパインが一本伸びています。この標本では痕跡的なのですが、後端の棘とは別に、尾部からはさらに一対の小さな棘があるようです。目と目の間は離れており、小ぶりながらも、少々独特な顔貌をしております。 この種、形態的には、少し前にUndetermined species (Ordovician) として掲載した、同産地の種に非常によく似通っているなと感じます。6, 7枚目の写真で、該当の標本と並べています。 あくまで推測の域を出ませんが、全体的に非常に類似度が高いことと、サイズ差や以前の標本の方が尾部の2対の棘が発達していることを考慮すると(一部の三葉虫の幼体では、胸〜尾の対の棘が発達している傾向がある気がします。e.g., P.gracilisなど)、本種と前回の種は、完盾体ー幼盾体の関係にあるのかなと夢想してしまいます。
Ordovician Shihtian Puyi town, Baoshan, Yunnan, China Undetermined species_02trilobite.person (orm)
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Undetermined species
中国の三葉虫は未だに見たことのない種も多く、根気よく市場のウォッチを続けていると、気になる種がポツポツと登場します。 そんな種の一つ、中国雲南省の保山市 (Baoshan) のShihtian累層産の謎の三葉虫です。雲南のBaoshanといえば近年Pupiao累層の三葉虫が市場に放出されていたかと思いますが、調べる限りでは、Pupiao ≒ Shihtian累層であるように思います。調査不足なので間違っているかも知れず、差し当たり、話半分で受け取っていただけるとありがたいです。また時間がある時にでも、追って報告します。 この産地の三葉虫は面白い形態の種も多く、皆惹かれるのか微妙に競争率が高く入手に苦労します。ebayを見ていると、最近ではDionideやCyclopygeの一種、illaenusらしき種などが、市場に登場しているようですね。 本種は、長い頬棘および尾部の一対の棘をもち、更に尾部後端からも小さな棘を持つようです。目と目の間は離れており、コミカルな顔貌をしております。本体のみで5mm、尾棘含めても8mm程度と、小指の爪の先ほどの非常に小さな三葉虫なのですが、全体的に興味深いフォルムをしており、このサイズなのに存在感があります。 全然時代も産地も異なるのですが、まるで広西チワン族自治区、カンブリア紀末産のGuangxiaspis guangxiensisの幼楯体のようにも見えます。比較用に、手持ちのG. guangxiensisの画像を7枚目に掲載しておきます。 この産地の他の種含め、とても気になる種です。
Ordovician Shihtian Puyi Town, Baoshan, Yunnan, China Undetermined speciestrilobite.person (orm)
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Trinucleus fimbriatus
イギリス、ウェールズ地方のランドリンドッド・ウェルズ産のトリヌスレウス・フィンブリアトゥス (Trinucleus fimbriatus) の標本です。 属名からも分かる通り、トリヌクレウス超科 (Trinucleoidea) に属しております。この仲間は、長い頬棘、丸い外形、頭部辺縁の多数の小孔を特徴とし、特にモロッコのオンニア (Onnia superba) やデクリボリサス (Declivolithus titan) などが特に有名です。 イギリスには非常に多くのこの仲間がおりますが、頬棘がなく外殻の状態が悪い標本が大多数を占める事から、一見地味に見えてしまい、積極的に集めるコレクターは多くはありません。しかし、長い頬棘の残る保存の良い標本は、美しく、かつ面白くもある外見をしており、決して軽視できる種類ではありません。 本種もほとんどの個体で頬棘などは失われておりますが、この標本は頭胸部などが非常に立体的で、辺縁の小孔や頬棘の先までもがしっかり残っており、実に見応えがあります。
Lower Ordovician Mudstones Llandrindod Wells, Powys, Wales, UK Trinucleus fimbriatustrilobite.person (orm)
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Tricrepicephalus texanus
トリクレピケファルス・テキサヌス (Tricrepicephalus texanus) 。 有名産地ウィークス (Weeks) 累層産の三葉虫で、この地を代表する有名種であります。 一見ケイルルスの仲間のようにも見えますが、旧分類ではプティコパリア目 (Ptychopariida) に属しております。それらの仲間はエルラシア・キンギ (Elrathia kingi) をはじめとして、一般的にはシンプルで、ゴテゴテした装飾がない種が多いのですが、この種は力強い尾棘がある事が特徴的です。実際、この尾部の棘がなければ、他種に埋もれて今ほど有名な種になっていたとは思えません。尾棘に加えて、比較的目立つ頬棘の絶妙な組み合わせが、本種を唯一無二の存在にしています。シンプルながら、とてもバランスが良く美しい種だと思います。 もしも、誰か初めて三葉虫を見る人に対して、『三葉虫というのはこんな感じ』という見本を見せたい場合には、私ならこの種をチョイスするかもしれません。ウィークスというよりは、三葉虫全体を代表する種の一つと言っても、過言ではないと感じます。
Middle Cambrian (Series3, Guzhangian) Weeks Utah, USA Tricrepicephalus texanustrilobite.person (orm)
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Titanosauridae (Toba-ryu, トバリュウ、鳥羽竜)
1998年に自身で採取した、ティタノサウルス科恐竜 (鳥羽竜) の骨片です。 1996年7月に、三重県鳥羽市安楽島町の海岸に露出する松尾層群(白亜紀前期、138Ma)で、アマチュアの化石研究家が、骨の化石を発見報告しました。その後、右上腕骨、右大腿骨、尾椎の骨などの化石が見つかり、ティタノサウルス科 (竜脚下目) の恐竜の骨化石であると判明しました。 今に至るまで発見されたものは、上記骨格の一部のみの為、学名記載には至っていないようです。ただ、鳥羽市で発見されたことにちなみ、通称、トバリュウ (鳥羽竜) と呼ばれております。体長16-18m、体重31-32トンであったと推定されております。 当時は、現場で発掘会が何度も開催され、ごく稀に、一般参加者が骨片を運よく見つけ拾う事もできました。私も何度か参加し、幸運にも複数個見つけております。これはその中でも最大の骨片です。白い点々まじりの、炭のように黒くなっている部分が骨の部分で、色の薄い灰色の部分は母岩です。 他にも複数個骨片を保管していますが、殆どは8枚目の写真 (全体が骨片) のようなサイズです。 部位が同定できるような大きな骨は博物館行きですが、そうでないものは参加者が持ち帰ることができました。この骨片も博物館に行くには至らず、ずっと私が家で保管しておりました。 今も、懐かしくなって偶に現場に行きますが、見つかるのは二枚貝の化石や植物化石のみで、骨片の化石はほとんど見つからないように思います。
Early Cretaceous 1998年11月3日採取 Matsuo group (松尾層群) Arashima town, Toba city, Mie prefecture, Japan (三重県鳥羽市安楽島町)trilobite.person (orm)
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Stenopareia oviformis
スウェーデンのオルドビス紀三葉虫の、ステノパレイア・オヴィフォルミス (Stenopareia oviformis) です。ボダ石灰岩累層 (Boda limestone fm) 産です。 同地域では90種ほどの三葉虫が見つかるようですが、特にEobronteus、Holotrachelus、Bumastus、Isocolusなどが、まれに市場で確認出来ます。これらが局所的な場所に、大量かつ佃煮状に産出すると言う、特徴的な産状があります。上に挙げた中ならば、Isocolus以外は完全体は皆無なのですが、サイズが割合大きく (※ Isocolusは極小) 、質感や色合いも素晴らしい為、部分化石ながらとても見栄えがします。 本標本も頭部と尾板のみで、しかも分離しておりますが、特に頭部が質感良く残っています。ぷっくりと膨れた頭部とちょこんと飛び出た小さな眼は中々の見もので、イラエヌス系特有のとぼけた表情が実にコミカルでもあります。
Upper Ordovician Boda Limestone North Ingels, Dalarna, Sweden Stenopareia oviformistrilobite.person (orm)
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Spinamacropyge daliens
こちらは、スピナマクロピゲ・ダリエンス (Spinamacropyge daliens) 。 中国でも南に位置し、ベトナムとも接している、広西チワン自治区のサンドゥ累層 (Sandu formation) 産の種であります。サンドゥ累層はカンブリア紀でも、オルドビス紀にほど近い時代の産地であり、カンブリア〜オルドビスの生物の変遷がよく分かります。最近研究もホットになりつつある時代であります。 本種はそんなサンドゥの、それなりの希少種。半円状の頭部、長い頬棘、美しく流れるような胸棘と、なんとも美麗な種であります。サンドゥ産は妙な形状の種が多いのですが、そんな三葉虫群の中にあって、この種は正統派な見た目です。ぼんやりとした、境界不明瞭な保存状態の標本が多いのですが、この標本は細部に至るまで奇跡的な保存状態で残っています。 スピナマクロピゲ (Spinamacropyge) の名が示すように、棘を持つ (spina) 大きな (macro) 尾部 (pyge)が特徴的で、特に尾部の形は団扇のようで、面白い見た目だと感じます。 正直、パッと見はレドリキア類に見えます。しかしどうやら、他のサンドゥの多くの種同様、アサフス目 (Asaphida) のようなのです。超科で言えばAsaphoidea。アサフス目は、そもそもが、かなり範囲の広い分類群であります。サンドゥと同時代のフーロンギアン (Furongian) の産地である、カナダのマクケイ産 (Mckay) の種々の三葉虫も、殆どがアサフス目ですが、見た目は凡そアサフスらしくありません。アサフス目とはそういうものなんだろうなぐらいの気持ちで考えております。
Upper Cambrian Sandu (Guole biota) Jingxi county, Guangxi Province, China Spinamacropyge dalienstrilobite.person (orm)
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Sphaerexochus latifrons
スウェーデンのゴットランド島のスファエレクソクス・ラティフロンス (Sphaerexochus latifrons) です。 ゴットランド島の三葉虫は、カリメネ、エンクリヌルス、プロエトゥス以外の完全体の化石は極端に少なく、それ以外は部分化石での入手が基本です。本種スファエレクソクスは、日本のシルル紀の地層でも産出するなど、分布域の広い種ではありますが、どの地域であれ、頭部以外の化石が残る事は稀であるようです。 別個体と思われますが、頭部と尾部の本種を入手しておりましたので、同時に登録してみました。6番目の写真のように頭部と尾部を並べてみると、全体像が何となく浮かび上がるような気がします。
Silurian (Ludlow) - Petes, Gotland, Sweden Sphaerexochus latifronstrilobite.person (orm)