Dicranopeltis sp.

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完全体での入手が到底不可能な種でも、部分化石であれば楽しむことができます。

こちらは、チェコのスヴァティ・ジャン・ポッド・スカロウ (Svaty Jan Pod Skalou) という町/村のシルル紀の地層から産出した標本です。ディクラノペルティス、特にスカブラ (D.scabra) の可能性があると思われます。

完全体であれば、北米超希少種のD.nereus以上に希少な種であります。このスカロウ村からは本種の他、ダイフォンなどの数々の殿堂級の三葉虫の部分化石を産出し、まさに奇跡の村であると言えます。

いずれも尾板ですが、前半が小型の個体で、後半はやや大型の個体のものです。部分化石とはいえ、細部の保存状態は良く、ルーペで楽しむ分には、なんともコスパの良い標本です。

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  • 1. 魅惑の三葉虫 2019年05月12日 21:40
    三葉虫コレクターでも、この分野に全く興味が無い方の方が多数派ですよね。これらの部分化石は、価格は安いのですが、入手難易度は決して低くはありませんね。一般的な完全体の入手と違い、入手後の調査や想像で古生物学の分野として、完全体の何倍も楽しめますので、是非多くのコレクターに参入してほしく思っています。
    2. trilo orm 2019年05月12日 23:10
    @魅惑の三葉虫さん
    完全体は完全ゆえ、手に入れた時点で完結/満足してしまってしまう一方で、部分化石はその不完全性故に、入手後に書籍や論文で調べたり、あれこれ想像を巡らせる余地が残りますよね。確かcitariusさんだったかも、かつて、その様なことをおっしゃっていた気がしますが、今はよく分かります。完全体化石と部分化石は相補的で、車の両輪の様なものであります。どちらが欠けても絶対駄目とまでは言いませんが、特に希少種・ローカル種の部分化石は、上記の理由で、蒐集を続ける上でのスパイスに間違いなくなりますね。この楽しみを分かって頂ける方が増えると、私も嬉しいです。
    3. hdo 2019年05月13日 23:10
    チェコ産のリカスの尻尾良いですね。私もリカスは特に惹かれて、北米産とロシア産のを尻尾だけ入手しましたが、キャビネットの一等地に陣取っています。これは一種のフェティシズムかもしれません。シンボリックな部位が欠けているニア完全体を購入すると消化不良で買い直すことがありますが、不思議なことに、部分化石購入の場合は満足してしまうのです。
    4. trilo orm 2019年05月14日 18:19
    @hdoさん
    北米産とロシア産のリカスは、どちらも物凄く格好良いですよね。尾部の良さで言うなら、スクテラムやケイルルスも良いですが、リカスは格別です。
    一部の小型リカスを除けば、完全体は数十万〜100万超えもざらの高級種ですから、部分化石で満足するのは賢いやり方だと思います。因みに上のリカスは全て数百円〜せいぜい2000円程度と、コストパフォーマンスで言えば、最上であります。

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