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Uripes geikiei
こちらは、ガルヴァン (Girvan) のウリペス・ゲイキエイ(Uripes geikiei)。
属名も種小名もどこか馴染みがない種でありますが、貴重なリカスに分類される仲間です。同地では、ヘミアルゲス・マキュロキ (Hemiarges maccullochi) という、似たリカスが産出し、本種と双璧を成す存在であります。
本来、本種はモロッコのロボピゲ類 (Lobopyge) のように、ちょこんと突出した複眼や、発達した頭鞍を持つ種のようです。しかし、本標本では頭部はぐちゃっとしてしまっており、残念ながら、それら特徴的な構造は失われてしまっています。
補完の為、以下論文より頭部の画像を転載しております (写真7番目。CLASSIFICATION AND PHYLOGENY OF THE TRILOBITE ORDER LICHIDA, 1988より)
Trilobites
2023/04/29 - 編集済み小種名は、U.geikei のが正しいかもしれません。Hemiarges maccullochi とは本当に近縁みたいで、提示の論文を見ても区別が難しいですね。頭鞍の顆粒とかはHemiargesのが多いように見えますが、尾部は明瞭な写真が無く、比較できない感じでした。なんか雌雄差程度の差には見えてしまいますね。
trilobite.person (orm)
2023/04/29他に区別としては、何となく、hemiargesの方が頭鞍の膨らみが弱めのようにも見えますね。Lobopygeみたいに眼が突出した標本も、hemiargesは見かけないでしょうか。尾部の構造などは、ほとんど同じに見えてしまいます。風化がデフォルトの産地なので、見分け難いですね。
種小名ですが、onlineに掲載されている、諸々の標本などはgeikieiですが、私が挙げた論文など見ると、確かにgeikei表記になっていますね。記載論文は見つからなかったのですが、もう一つ別の論文でも確かにgeikeiでした。
どこかで間違った名前の方が流布してしまったのでしょうか。ご指摘、ありがとうございます。
ktr
2023/04/29 - 編集済みすばらしい標本をおもちですね。
形としては、リカスとオドントプレウラの中間といったところでしょうか。
頭部はやや残念ですが、リカスらしい bullar lobes が確認できるようですので、十分といえます。
あと名前ですが、おそらくスコットランド出身で高名な地質学者の Archibald Geikie にちなんだ名前だと思われますので、geikiei でOKですね。
trilobite.person (orm)
2023/04/30ありがとうございます。
純然たるザ・リカスというより(どうあれ、リカスはリカスですが‥)、trilobites of the British図鑑などを見ても、ロボピゲっぽいリカスという感じですね。おっしゃるように頭鞍はダメでも、眼周囲の構造などが多少残っているのが救いですね。
名前の件、ありがとうございます。人物名っぽくなく、地名かなと思っていましたが、Geikieという名がありうるんですね。Archibald Geikieという方も全然知りませんでしたので、勉強になりました。
主体性がなくコロコロ変えて申し訳ありませんが、今の所、U. geikieiの方がそれっぽいので、一旦こちらで登録しておきます。