Wanneria walcottana

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ワンネリア・ワルコッターナ (Wanneria walcottana) です。広い意味でのオレネルスの仲間で、Olenelloidea (オレネルス超科) に属します。

今にも消え入りそうで、どこか儚い印象すら受ける、オレネルス属 (例えば、オレネルス・ギルベルティ (Olenellus gilberti) など) と比較すると、全体的に外殻が厚くて力強い印象を受けます。幅広の体型が特徴的でもあり、この標本のように大型の個体が多く、華がある種です。私はオレネルス類が特に好きなのですが、オレネルスマニアにとっては、この種はマストだと感じます。

産地がペンシルバニアのキンザーズ (Kinzers) とやや特殊な所です。他の種のオレネルス (例えば、巨大なオレネルス・ゲッティ (Olenellus getzi) など) も産出します。入手元によると、30年以上前に産地閉鎖し、現在は駐車場になってしまっているようです。その為、本種含め同産地の種の入手は限定的です。

他、市場で見かけるワンネリア属としては、カナダのワンネリア・ドゥンナエ (Wanneria dunnae) という種も居て、本種と似た風貌をしております。ただ、こちらは本種に輪をかけて希少な種で、入手困難種であります。

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    Trilobites

    2020/06/19

    この種類も古くから知られてはいましたが、見た目も分かりやすく、絶産してかなりの年数も経つ事からコレクターも手放さないですね。大きさも雰囲気もNevadia weeksiと近いですが、オレネルスの雰囲気が残っているのは本種ですね。北米は、Kinzersの様な過去に魅力的な種類が産出して絶産した産地が多く、価格が下がらないですね。Kinzersといえば立松コレクションのオレンジ色のOlenellus getziを以前見たのが印象的で忘れられません。

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    • 本当に華がある種だと思います。Nevadiaは奇妙さが売りですが、本種は華やかさや美しさが売りだと感じます。北米の標本は、全くどの種もたまりませんね。

      この種というかKinzersの標本は、もっぱらExtinctionsからの放出ですね。この種も忘れた頃にたまに同社から放出があり、随分ストックがあるのだなとびっくりししています。getziも、少数ながら放出が同社よりあったのですが、私は何度か機会を逃してしまいました。でもあと一回くらいはあるのではないかと信じています。

      そのオレンジ色のgetzi、私は直接みてないのですが、Trilobitesさんのmixiの、『三葉虫に関する文献、資料』にupされていたミネラルフェアの冊子にチラッと写っていましたね、確か。getziかなと思っていましたが、やはりあれはそうでしたか。

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