Flexicalymene ouzregui

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フレキシカリメネ・オウズレグイ (Flexicalymene ouzregui) です。

博物館や恐竜展のお土産物などでもおなじみの巨大カリメネで、北米のエルラシア・キンギ (Elrathia kingi) と並び、市場で最も出回る三葉虫です。安価で風化が進んでいるものや、別の個体のパーツを繋げた粗悪品も多く、蒐集家には軽視されがちの種でもあります。

しかし、カリメネの中では実はトップレベルに巨大な種で、実際、本種に大きさで勝負できるカリメネなど、カナダのディアカリメネ・シチュチェルティ (Diacalymene schucherti) という希少カリメネぐらいなのではないかと思います。サイズという一点だけでみても、けして軽視できる種ではないと思います。私が、このカリメネを初めて目にしたのは幼少期ですが、ボロボロの標本だったにも関わらず、その巨体感に感動したものです。

出来るだけ風化が進んでおらず、ノジュールを割ったままの自然な標本を選びました。灰色く表面が風化したような見た目の標本が多い本種ですが、この標本は色も黒くて安っぽくなく、比較的表面の状態は良好です。こちらは、ミネラルショーでドイツの有名ショップ『Horst Burkard』より購入しております。

2個体が縦に並んでいるのも、どこか滑稽で面白い構図です。

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    Trilobites

    2020/06/08

    三葉虫コレクターには軽視される種類ですが、コレクションレベルは意外と高価で満足いく標本は少ないんですよね。最近興味深い標本を手に入れたのですが、昭和の中期位に日本に入ってきた本種の初期の標本です。当時は海外の三葉虫など簡単に入手できなかった時代、考えられない高額な値札にGravicalymene meuriなる聞いたことの無い学名が記されています。三葉虫収集史(おおげさな言い方ですが)一つの参考例として状態維持保存しております。

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    • 写真の標本興味深いですね。標本状態としては風化が進んでいますが、おっしゃるように歴史的な価値がある貴重な標本だと思います。聞いた事のない学名ですが、とりあえずCalyemeneの仲間と同定できているだけでも、当時の情報のなさを鑑みれば上出来なのかなとも思います。当時の価格ですから、今の価格に換算するとかなりの値になりそうですね。こんなに簡単に三葉虫の標本が手に入るようになったのは、2000年以降だと思いますが、当時や例えば立松先生なども、一体どうやって標本を集めていたのか少々気になりますね。

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