オパライズドクラム/オパール化した二枚貝
これぞ正しく "貝の火"。 白亜紀に生息していたとされる二枚貝が化石となり、ライトニングリッジの地でオパール化したものです。 一部に欠けこそ見られますが圧壊することなく立体形が保たれており随所に二枚貝らしい名残も留めています。 特に表面の凹凸模様や蝶番の状態は克明そのものであります。 一見すると単なるメノウ化貝化石のようにも見えますがそこはオパール。 角度を変えれば遊色が確認できますし、水で濡らせば赤い干渉光まで現れます。 オパールは極微小なシリカ球が積層することで生成される鉱物。 そして遊色効果は、それら粒子が『長い年月をかけ』『静かに』『整然と』配列することで初めて顕現する現象です。 もし地震などの外乱の多い環境であればこの生成過程が大いに搔き乱されてしまい、美しい遊色は望めなくなります。 化石化に至る過酷なプロセスと、オパールの生育に不可欠な穏やかな環境。 この両極的な生成条件をクリアした彼らこそ、地球の生み出す奇跡なのではないかと思います。 一体どのような徳を積めばこんな宝石に転生することができるのでしょうか。 私も一生を終えたらオパールになりたいものです。 #オパール