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バイオレットコモンオパール/蛋白石
厚切りスライスされたメキシコ産のパープルオパール原石です。 母岩に包まれたノジュール状で産出することが多く、この標本もその名残としてアイボリー色の外殻を纏ったままとなっています。 これもまた歴としたオパールの一種で、虹の揺らめきは現れないものの鮮やかなスミレ色が特徴的です。 別名「モラドオパール」とも呼ばれますが、moradoは現地の公用語であるスペイン語で "紫" を意味しています。 この紫色の部分についてですが、実は短波のブラックライトを照射することによりアップルグリーンの蛍光を放ちます。 オパールの醍醐味たる遊色効果は観察できませんが、こうした奇抜な色変化で意表を突いてくるところはオパールらしいと思います。 やはりオパールは多種多様で面白い。 改めてそう感じさせる一石でありました。 #オパール
宝石 鉱物標本 5.5~6.5 2015年テッツァライト
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シャンパントパーズ/黄玉
《当館の2018年投稿アイテムいいね!No.1》 酒黄色なものが広く知られていることから和名で『黄玉』とも称される11月の誕生石です。 現存する所持品の中では最古参の石ですが、現在においても一線級の存在感を放ち続けている私のエース。 石っ子になり初めて手にした宝石質標本がこの石で、現在の方向性を決めたと言っても過言ではない唯一無二の存在であります。 柱面にはアウターファントム的な発達痕が刻まれており、彼の成長過程が一筋縄では行かぬものであったことを伺わせます。 また結晶の形も個性的で、上から見るとハート形にも見えるという他のトパーズには見られない要素も備わっています。 ひとくちにトパーズと言ってもこの鉱物には2つのタイプがあり、副次的に含まれている成分の比率によって次のように区別されます。 ひとつは水酸基が優勢な「OHタイプ」。 もうひとつはフッ素が支配的な「Fタイプ」。 この両者のうち希少とされるのは前者の方で、所謂『インペリアルトパーズ』が属しているのもそのタイプです。 屈折光がより煌びやかで色も濃く、また紫外線による退色にも強いという特徴があります。 こちらは恐らくフッ素タイプの個体ですが輝くシャンパンゴールドがとても美しく、入手して15年以上経過した今でも色褪せは見られません。 これから何十年と先、私がどんなに年を重ねてもこのトパーズには変わらない姿でいて欲しいものです。 #トパーズ
宝石 鉱物標本 8 2004年テッツァライト