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ほしのあきさんのFカップに挟まれていたダイヤモンド/金剛石
2006年発売のフライデー増刊号に付録として封入されていたダイヤモンド原石です。 雑誌の詳細については以下のモノ日記をご参照いただければと思います。 https://muuseo.com/tezzarite/diaries/5 特設ページに記載された情報によると重量は0.006~0.015カラット。 産出国はオーストラリアで、インドから輸入された天然物なのだそうです。 現在2粒所持していますが、一方は発売当時に入手したもの。 そしてもう片方が、その12年後となる2018年に再入手したものになります。 タイトルの如何わしさはさて置き、私にとって記念すべき初ダイヤであります。 どちらも1mm程度の大きさしかなく、よほど視力が良くない限り砂粒にしか見えません。 (そして何よりほしのあきさんのボリュームに埋もれてしまっています) しかしどんなに小さくともダイヤはダイヤ。 ルーペ等で観察すると劈開面が確認でき、2018年版(トップ画の左側)に至っては三角形の結晶面が残っていました。 極小サイズながらも、当時の私に大きな意義をもたらしてくれた思い出の一石。(今となっては二石) 今後も失くさないよう大事にしたいと思います。
宝石 鉱物標本 10 2006年/2018年テッツァライト
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アーガイル・ピンクダイヤモンド/金剛石
マントル由来の火成岩「ランプロアイト」によって齎される炭素の元素鉱物。 西オーストラリア州・キンバリー高原に所在する世界有数のダイヤモンド鉱床『アーガイル鉱山』で産声を上げた粒選りたちの末子です。 とても小ぶりで、ささやかな乙女色。 しかし均整のとれたプロポーションから放たれる光輝がその存在感を確固たるものとしており、その慎ましくも芯のある強さが目に焼き付けられるかのようです。 また紫外線ランプを灯すとハンナリとした雰囲気が一変。 青く涼やかな光を放出し、凛とした姿を暗闇の中に咲き示すのでした。 外周部分を拡大しますと、ある一点にだけアルファベットの "A" を二つ並べたようなマークを認めることができます。 これは鉱山会社によって施されたレーザー刻印で、アーガイルの地で産出したことを保証する極めて控えめなブランドマークであります。 (本来であればこのAの後にシリアルナンバーが続いているのですが一部ぼかしてあります) またそれと同時に、正規ルートにより流通した石であること・・・いわゆる紛争ダイヤではないことを示す証明でもあるのです。 こんな可憐な小花に血塗られた出自など相応しくありません。 #ダイヤモンド
宝石 鉱物標本 10 2019年テッツァライト
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オパライズドクラム/オパール化した二枚貝
これぞ正しく "貝の火"。 白亜紀に生息していたとされる二枚貝が化石となり、ライトニングリッジの地でオパール化したものです。 一部に欠けこそ見られますが圧壊することなく立体形が保たれており随所に二枚貝らしい名残も留めています。 特に表面の凹凸模様や蝶番の状態は克明そのものであります。 一見すると単なるメノウ化貝化石のようにも見えますがそこはオパール。 角度を変えれば遊色が確認できますし、水で濡らせば赤い干渉光まで現れます。 オパールは極微小なシリカ球が積層することで生成される鉱物。 そして遊色効果は、それら粒子が『長い年月をかけ』『静かに』『整然と』配列することで初めて顕現する現象です。 もし地震などの外乱の多い環境であればこの生成過程が大いに搔き乱されてしまい、美しい遊色は望めなくなります。 化石化に至る過酷なプロセスと、オパールの生育に不可欠な穏やかな環境。 この両極的な生成条件をクリアした彼らこそ、地球の生み出す奇跡なのではないかと思います。 一体どのような徳を積めばこんな宝石に転生することができるのでしょうか。 私も一生を終えたらオパールになりたいものです。 #オパール
化石 宝石 鉱物標本 5.5~6.5テッツァライト
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クリスタルオパールキャッツアイ/貴蛋白石
真ん丸お目々に緑色の瞳光が輝くクリスタルオパールです。 遊色、蛍光、燐光、そしてシャトヤンシー… 様々な美点を併せ持つこの石は私の宝物であり、まさしく当館の "目玉" と呼べる存在であります。 オパールには変幻自在の光学特性が備わっているため個体ごとの表情は多岐に渡ります。 そのため真に自分好みの遊色パターンを持つ石を見つけることは容易ではありません。 そんな中、猫好きテッツァライトが目標としていたのが『ローリングフラッシュ』というパターンを示す石。 角度を変えることで端から端へと転がるように移り行く特殊な遊色で、これが時としてキャッツアイ状の光線となって現出することから強く焦がれていたのでした。 通常「キャッツアイ効果」とは繊維状の包有物を要因として内部反射した光が収束し、その結果球面に絹糸光沢のような光条を示す現象です。 しかし彼はそのような内包物に依存することなく、偶然に描かれた遊色によって猫目模様を生み出しているのです。 このように理屈では分かっていながら種も仕掛けもまったく見えないタイプのシャトヤンシーには、猫好きであるそれ以上の感動を抱かずにはいられません。 遊色効果ゆえに元から備わる神秘性と、それに加え紫外線による蛍光反応が合わさり実に神妙不可思議であります。 私に投げかけられた魅了の視線。 その魔力は生涯解けそうにありません。 #オパール #キャッツアイ #猫
宝石 鉱物標本 5.5~6.5 2019年テッツァライト
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STONE WORLDのボルダーオパール/母岩付き蛋白石
2005~2007年頃でしょうか。 『世界の宝石・鉱物コレクションSTONE WORLD』という商品が、〇〇発掘キットなどでお馴染みのノルコーポレーションより発売されていました。 〔参考:画像6枚目の後列中央( "いのちのたび博物館メールマガジン第18号" より引用)〕 当時のお小遣いでも買えるほど手頃な価格でしたし、何より鉱物専門店が遠方にしかない自分にとっては貴重な入手源でした。 こちらの商品、なんと鉱物科学研究所の監修であります。 そのため当時から石に縁のある方であれば記憶に残っているかもしれません。 そうでなくても大手の総合スーパーでも取り扱われていたほどの物なので "鉱物は集めていないけど気になったから買ってみた" という方もいるのでしょう。 ラインナップは全39種類。 ダイヤモンドやルビーサファイアを始めとするメジャーな宝石から菫青石や苦灰石といったちょっとマイナーな鉱物まで幅広く収録されており、その中から引き当てたのがこのオパールでした。 同封のラベルにはただ鉱物名が記載されているのみでしたので産地が不明なのはそのためです。 とはいえ焼き菓子を彷彿とさせる褐色の母岩が特徴的であることから、オーストラリア産の『ボルダーオパール』なのではないかと推測しています。 また水に濡らすことで局所的ながらオールカラーの遊色が現れます。 写真に捉えることも儘ならないほど些末なものですが、初めて肉眼観察する魅惑の揺らめきに当時の私は深く魅入られてしまったのでした。 オパールという鉱物に興味を抱くきっかけとなった、実に印象的な出会いでした。 #オパール
宝石 鉱物標本 5.5~6.5 2007年テッツァライト