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Achatella retardata
ロシアや北欧でまれに採取されるプテリゴメトプスの仲間の三葉虫です。更に近縁となると、New YorkのWalcott-Rust QuarryのAchatella achatesがいるのですが、あまり名が知られていないため、イメージしにくいかもしれません。 他のScotland Girvan産同様、見た目がボロボロなものの、運良く複眼が残っており、細部の美しさが良く見て取れます。
Upper Ordovician Starfishbeds Girvan, Ayrshire, Scotland Achatella retardatatatsutoy
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Amphilichas panoplos
スコットランド、South Ayrshire州の町、Girvanから東に8kmほどの地層から1972年頃に採取された標本です。学名が付与されたのが1980年なので、最初は単にリカスの一種として見つかったのだと思います。Girvanのstar fish bed層の化石同様、外殻は融けてしまっています。尚、正確な産地はSouth Dew Burn, near Balclatchieなのですが、現在は貯水池になってしまい、水の底です。このため、ラベルはGirvanとさせて頂きました。
Upper Ordovician Balclatchie Mudstones Formation Girvan, Ayrshire, Scotland Amphilichas panoplos Tripp, 1980tatsutoy
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Phillipsinella parabola
スコットランド、Girvan産です。この種が属するコリネクソチダ目(Corynexocheeda)三葉虫は、カンブリア紀からデボン紀まで生息し、多様な形をした三葉虫の仲間です。カンブリア紀ユタ州のドリピゲ、オルドビス紀のイラエヌス、デボン紀のスクテルムやパラレジュルスが仲間と言われても、どれも形が違い過ぎて同じ仲間とは思えません。掲載した標本は本種の特徴であるこんもりとした頭鞍部が良く判ります。
Upper Ordovician South Threave Girvan, Ayrshire, Scotland Phillipsinella parabolatatsutoy
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Primaspis girvanensis
Odontoplleuroidea科に属する三葉虫は、オルドビス紀からシルル紀、デボン紀と長期に渡り、その姿をほとんど変えずに生存し、かつ化石は世界中で見つかります。有名なものは、モロッコ産のレオナスピスや、オクラホマ産のケトネラスピスです。Girvan産の当標本も小さいながらも頬まわりの細かな棘などその特徴は良く判ります。母岩からそのまま割って取り出したのか、一部欠けはありますが、仮に自分で採掘した際に、プレパレーションなしで化石の全容が出てくるときっとワクワクする事でしょう。
Upper Ordovician Starfishbeds Girvan, Ayrshire, Scotland Primaspis girvanensistatsutoy
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Lonchodomas drummuckensis
Raphiophorus科に属する、目が退化、前方に向かって一本の剣状の棘、両サイドから後方に向かってそれぞれ棘が伸びる(当標本は欠けています)のが特徴の三葉虫です。二枚目以降のネガ画像では、前方の棘のあとが観察出来ます。同科ロシア産完全体標本ですと、棘の魅力を余すところなく鑑賞出来ますが、保管が難しそうです。私はこの部分化石ですら怖くて、画像の通り、運送されてきた時の小さなプラケースに収まったままです。
Upper Ordovician Starfishbeds Girvan, Ayrshire, Scotland Lonchodomas drummuckensistatsutoy