シェイプ・オブ・ウォーター(2017/アメリカ)

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原題:THE SHAPE OF WATER
監督:ギレルモ・デル・トロ
出演:サリー・ホーキンス マイケル・シャノン リチャード・ジェンキンス
ジャンル:ラブ・ファンタジー
時間:124分

【STORY】
1962年、アメリカ。政府の極秘研究所で清掃員として働く口がきけないイライザはある日、施設に運び込まれた不思議な生きものと出会う。”彼”の奇妙だが、どこか魅惑的な姿にひかれ、心を通わせていくイライザだったが、間もなく”彼”が実験の犠牲になることを知ってしまうーー。

【COMMENT】
アカデミー賞作品賞を加え4冠を受賞した本作品『シェイプ・オブ・ウォーター』賞獲得に違わぬ素晴らしい映画でした。純粋に、半魚人と口がきけない主人公の禁断の恋愛映画かと思いきや、黒人差別やLGBT・格差社会・米ソ間の冷戦・動物虐待など様々な社会的問題の風刺を盛り込んだ作品に仕上がってました。個人的に好きだったギレルモ・デル・トロ監督、正直アカデミー賞とは縁のない監督かなと思ってましたが、ここまでやればそりゃアカデミー賞が獲れても不思議じゃないですね。納得。

ただ、ストーリーは普通すぎるかな。よくあるパターンで異形の姿をした怪物と人との王道な恋愛ファンタジーストーリーは、ラストはやっぱり感動したけれど、なぜか泣けなかった。

主人公イライザ演じるサリー・ホーキンスの演技が素晴らしい。ホントに話せないのではないかと思えるほどの演技力です。ぶっちゃけ若くて美人な女優とはいえないけれど、半漁人と障害のある女性お互い社会から孤独を感じ惹かれ合っていく過程として作品のリアリティをだすなら適役と言えますね。これで若くて美女のハリウッドスターがイライザを演じたらなんだか興ざめしてしまいますよ。

全体的に深緑を基調とした映像も美しくてよかったですね。そして、イライザの心境を表すかのように時折靴や口紅などピンポイントに赤を使ったりと映像へのこだわりも強く感じます。ギレルモ・デル・トロ監督の最高傑作といっても過言ではありません。ただ、個人的には『パシフィック・リム』のようにオタクに振り切った作品をもっと作ってほしいなと思いますね。

【私的評価】 80/100

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