Aldenの黒(シェル・コードヴァン)

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Aldenの代表モデルである外羽根式プレーントウ。アッパーは言わずと知れたアメリカ・ホーウィン社のシェル・コードヴァン。この革の黒は、牛革のそれとは繊維の走る向きが異なることに起因する「抜け感と乱反射」が入り混じった光沢が大きな特徴だ。ズバリ、あまりに眩しくかえって暗い黒。ベトッとした密着感と履きジワに細かなものが出て来ない点も牛革とは違う。因みに鳩目周りにちらほら見える白い粉は、カビではなくなめしの際に加えた蝋分が析出したものだ。造りは雑だがいざ足を入れると最高にリラックスできてしまうのが、昔から「医学的に正しい靴」の探求に積極的なAldenの素晴らしさ。ある程度以上かしこまった場でも履かれる黒靴ですら、この「用の美」を味わえるのが有難い。

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