モナコ/「チャップリン生誕100年 1989.03.14」・「コクトー生誕100年 1989.04.04」【World Topics Stamp Collection】

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『自ら作品も手がけた俳優と詩人』

 ショービジネスの分野で活躍した、世界的に有名な二人がモナコの切手に登場した。ひとりは、イギリスの喜劇俳優チャーリー・チャップリン。もうひとりはフランスの舞台演出家ジャン・コクトーである。二人とも1889年生まれで、ともに今年生誕100年を迎えた。

 チャップリン(左)は、寄席芸人だった父を早くに失い、病気の母を支えるために、幼くして舞台にたち、17歳にしてコメディアンとしての高い評価を得た。アメリカに渡ってから、山高帽にだぶだぶズボン、ドタ靴にチョビひげ、ステッキというおなじみのスタイルを考案。サイレント全盛のハリウッドで、自ら監督として「キッド」(1921)、「黄金狂時代」(1925)、「街の灯」(1931)、「独裁者」(1940)などの名作を製作し、ペーソスとユーモアによって、世の不条理を鋭く風刺し、世界中の映画ファンを魅了していった。
 切手の図案は、チャップリンの素顔とメーキャップした顔、それに機械化によって人間が歯車になっていく時代を風刺した映画「モダン・タイムス」の一場面。

 演出家のコクトー(右)は、詩人、小説家、劇作家としても活躍し、数々の詩集や戯曲、小説「怖るべき子供たち」などの作品によって、文人としても名を馳せた。有名な「美女と野獣」は、自分でシナリオを考え、映画化したもので、彼の文才と、映画舞台監督としての手腕がみごとに調和した作品である。
 切手の図案は、コクトーの素顔と演劇「双頭の鷲」の一場面。

※1989年当初の説明です。

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