(C981-982)近代洋風建築シリーズ 第10集 初日カバーコレクション

0

発行日 1984.2.16

 日本銀行本店本館は、明治洋風建築の白眉といわれ、設計者は銀行建築に秀作を残した辰野金五郎博士である。明治23年(1890)から29年にかけて建設、洋式はルネッサンス様式を加味したネオバロック様式。

 旧ハンター住宅は、明治22年(1889)頃ドイツ人のA.グレッピー氏が作ったといわれ、その後、当時日本屈指の富豪だった英国人E・H・ハンター氏が買い取り、移築・改造し現在の建物に仕上げた。

※1984年当初の説明です。

額面・種類 
  60円 2種
図案    
  ①日本銀行本店本館
  ②旧ハンター住宅
原画構成者  
  ①②近岡 善次郎
版式・刷印 
  ①②グラビア4色 凹版1色
印面寸法  
  ①②よこ35.5×たて25ミリのよこ型
シート   
  ①②よこ5×たて4=20面構成
発行数   
  ①②3,000万枚

#切手
#初日カバー
#FDC
#近代洋風建築シリーズ

■近岡善次郎氏による創画カバーと詳しい建築物の説明

①日本銀行本店本館
https://muuseo.com/stamp_collection/items/512

②旧ハンター住宅
https://muuseo.com/stamp_collection/items/550

日本銀行本店本館「近代洋風建築シリーズ初日カバー」
1984年2月16日発行  明治29年竣工。日本金融の総本山は、また明治建設の頂点とされる建築でもある。しかも、その設計者の辰野金吾(1854~1919)は、明治の建築界の最高の地位にあった人。お膳立てはすべて揃っていた。  この建物が建てられたころは、まだ日本では鉄筋コンクリートや鉄骨の建築技術は、ほとんど知られていなかった。したがって壁体はレンガ積みの上に石を貼っているが、屋根は鉄材で組み、基礎は厚いコンクリートと、当時の技術の粋を集めて堅固そのものの建物でもある。工事の途中に明治24年の濃尾地震があったので、その経験も生かして余計に丈夫になった。おそらく日本で最初と思われる本格的なスチール・サッシやエレベータが使われているのも注目すべきであろう。もちろん輸入品である。  当時帝国大学造家学科(今日の東京大学工学部建築学科)の教授だった辰野は、この建築の設計のためにヨーロッパへ調査旅行におもむき、ベルギーの中央銀行をモデルにしたと言われるが、ルネッサンス様式を基調にしてバロック的なところもあり、今日から見ればまだ十分に洗練された意匠とは言いがたいところがある。無理もない。イギリス人建築家コンドルを教師として、はじめて西洋建築学を学んで20年もたっていない日本人建築家の第1世代の作品である。もしろその習得の早さに驚く。謹厳剛直、いかにも明治の人らしくカミナリ親父で鳴らした辰野金吾は、九州唐津藩士の子。藩校で高橋是清に洋学を学び、やがて上京して工部大学校造家学科の第1回卒業生となった。コンドルの薫陶を受けた日本人最初の建築家で、やがて明治の建築界を牛耳る大家となった。仏文学者辰野隆の父でもある。 (重要文化財、東京都中央区日本橋) ※1984当初の説明です #近代洋風建築シリーズ #切手 #初日カバー #FDC
https://muuseo.com/stamp_collection/items/512
旧ハンター住宅「近代洋風建築シリーズ初日カバー」
1984年2月16日発行  明治40年(1907)に生田区北野町に建てられたが、昭和39年現在地に移築保存されている。木骨煉瓦造2階建て、石綿スレート瓦葺き、南および東側にベランダが付いた建物で、神戸の異人館の中でも最大の規模のもの。幾何学模様のベランダの窓が外観をもっと強く印象づけていて、華やかな中にも端正な風格がある。幕末、明治の初期に居留地に建てられた西洋館には、ベランダを吹きは放しにしたものが多かったが、雨風の多い日本では不向きだったようで、やがてこのようにガラス窓を入れるものが多くなった。  ハンターは慶応3年(1867)の兵庫開港以来神戸にあって、精米・製粉・大阪鉄工所(後の日立造船所)などの事業を手広く経営して成功したアイルランド出身の英国人である。夫人は大阪の薬種問屋の娘さん。  一階には南面していて控室・応接室・食堂があり玄関につづいた小ホールには張出し窓がついている。二階は寝室や婦人の居間からなり、各部屋にはそれぞれの暖炉があり、また一階の応接室と食堂には創建当初のシャンデリアがある。設計者は不明だが、施行は棟梁の芝島吉の棟札が発見されている。  神戸にはこの他に旧ハッサム住宅(生田区北野町、明治35年)・旧トーマス住宅(同、明治42年)・旧シャープ邸(同、明治36年)・旧ハンセル邸(生田区山本通、明治29年)などのすぐれた洋館建築がたくさん保存されており、北野山本地区には昭和55年4月に国の重要伝統的建造物群保存地区(いわゆる伝建地区、町並み指定)に指定され、異人館の街として人気を集めている、官・民地元関係者の熱意と努力の成果である。 (重要文化財、神戸市) ※1984当初の説明です #近代洋風建築シリーズ #切手 #初日カバー #FDC
https://muuseo.com/stamp_collection/items/550

Default