高橋由一 ≪鮭≫(1876年) 「近代美術シリーズ初日カバー」

0

高橋由一

文永11年(1828)2月5日下野国佐野藩士高橋源十郎の嫡子として江戸佐野藩邸に生まれる。生来病弱だったので武術家になることをあきらめ。画家の道を選んだ。12歳頃から狩野派の画法を学んでいたが、嘉永年間たまたま西洋石版画を見てその迫真的写実表現に驚き、西洋画の習得を志した。文久2年(1862)幕府の洋書調所画学局に入所、川上冬崖の指導を受けながら、油絵の技法はもちろん絵具やカンパスの作り方まで苦心して研究した。さらに慶応年間に横浜在住のイギリス人チャールズ・ワーグマン、明治10年頃には工部美術学校教師として来日したイタリア人アントニオ・ファンタネージにも師事し、実技を学んだ。「花魁図」「豆腐」「鮭」などの作品は、陰影描写や空間表現に問題があり技術的にも稚拙だが、対象を徹底的に写実しようとする態度に貫かれており、異様な迫力を感じさせる。また明治6年日本橋浜町に画塾展絵桜を開いて、原田直次郎、安藤仲太郎ら多くの洋画家を育てるなど、わが国近代洋画の揺籃期に大きな足跡を残している。

#切手
#初日カバー
#FDC
#近代美術シリーズ

Default