郵便輸送開始 1872年6月13日<日本鉄道物語コレクション>

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 日本の郵便制度は、1871(明治4)年4月20日に発足しましたが、当時の逓送方法は江戸時代の飛脚とかわりませんした。鉄道の開通が近づくと駅逓頭前島密は鉄道頭井上勝と列車への郵便物の積載を交渉し、1872(明治5)年6月12日の品川-横浜間の鉄道仮営業の翌日(6月13日)から、車両の一部を利用して、1日5往復の郵便輸送を始めました。正式開業後の10月には駅逓寮と鉄道寮の間で、列車での郵便輸送の約定が正式に交わされました。

 1889(明治22)年に暫定的に始まった郵便社内での継送区分は、3年後には正式に始まりました。カバーの絵の郵便車は、1874(明治7)年に阪神間に鉄道が開業した当時の客車を改造した客室・郵便室の合造車と思われます。

 鉄道郵便が盛んになると1905(明治38)年の3軸ボギー郵便車が制作され、1907(明治40)年には郵便専用列車も走りました。

 1900(明治33)年頃には、列車の通過駅に郵便物機械受渡し機を設置しました、事故が多く昭和初年に廃止されました。

 鉄道郵便印には、1889(明治22)年に丸一型鉄道印が登場しました。鉄郵印の例えば「東京神戸間」というのは、駅名ではなく郵便局名です。1906(明治39)年から時刻入り型鉄郵印は、始発駅の発車時刻が表示された世界でも珍しい鉄郵印でした。しかし、ダイヤ改正の度に改刻しなければならなかったので、1913(大正2)年からは上一・下二のように便名だけを表示する右書櫛鉄郵印となり、1949(昭和24)年には左書櫛鉄郵印に改められました。

 鉄道郵便の発展は、新幹線郵便列車まで構想されて、1982(昭和57)年に国鉄に提示されましたが、実現されませんでした。それどころか道路網や航空網の整備により郵便は自動車や航空機のよる輸送に切り替わり1986(昭和61)年10月31日をもって鉄道郵便局は全廃され、114年の歴史に幕を閉じました。

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■鉄道郵便最後の日の消印カバー
https://muuseo.com/stamp_collection/items/14

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