最初の国産蒸気機関車完成 1893年6月1日<日本鉄道物語コレクション>

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 1872(明治5)年、新橋-横浜間に最初の鉄道が開通、その後、官設鉄道の伸長や、各地の私鉄開業により、明治末期まで、イギリス、アメリカ、ドイツなどから様々な機関車が輸入されています。国産第1号機関車が製作されたのは1893(明治26)年のことです。

 鉄道創業期には、多くのお雇外国人が招聘され、日本人技術者養成に携わってきました。1887(明治20)年、イギリス人リチャード・トレビシック(蒸気機関車の発明者)の孫で機械技師のリチャード・フランシス・トレビシックが来日、翌年3月、神戸工場(後の鷹取工場)汽車監察方として着任しました。当時の神戸工場は車両の組み立てや改造・修繕などが主な仕事でしたが、1892(明治25)年10月、トレシンビック設計監督のもの機関車の製造に着手、森彦三、大田吉松、松尾種次郎ら日本人技術者が改修・修繕の合間を縫って機関車を組み立てました。

 一部の資材は日本からの図面を基にイギリスで加工されましたが、大部分は国内で製作した部品を使用しました。国産第1号機関車は性能も輸入機関車に比べて優秀で、当時では珍しい省エネルギー運転を考慮した複式の1B1タンク機関車でした。機関車は1893(明治26)年6月に完成、221号機(221⇒137⇒885⇒を経て860形式と改称)として大阪機関区配属となり、神戸-京都間で使用されました。その後1918(大正7)年に樺太鉄道庁へ移籍され、1929(昭和4)年3月に廃車となりました。残念なことに、鉄道技術史的にも貴重な国産1号機関車は保存処置が取られず解体されています。

 1895(明治28)年には、北海道炭礦鉄道手宮工場で、形式イ機関車(官設鉄道7100形式)を参考に、国産2号機関車の形式ト(官設鉄道7150形式)が製作されました。日清戦争が終わった年に完成したため、"大勝号"(№30)と名付けられ、現在、北海道の小樽交通記念館に保存展示されています。

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