カラーリングやカスタムでオリジナルマシンを! ミニ四駆ジャパンカップで外観カスタムの楽しさを探る!!

カラーリングやカスタムでオリジナルマシンを! ミニ四駆ジャパンカップで外観カスタムの楽しさを探る!!_image

取材・文・写真/手束毅

前回、大人が牽引する21世紀のミニ四駆ブームをレポートした筆者。日本一速いミニ四駆を観戦するため「ミニ四駆ジャパンカップ2015」チャンピオン決定戦に向かったが、会場では外観カスタムの日本一を競うコンクール・デレガンスも開始されていた。

速さとともにカスタム日本一を競う、熱いドラマが繰り広げられた

各地区大会に参加した述べ33,653名の選手のなかから日本一の速いミニ四駆を決めるチャンピオン大会。レースにかける参加者たちが繰り広げるバトルに会場は熱気につつまれた。

各地区大会に参加した述べ33,653名の選手のなかから日本一の速いミニ四駆を決めるチャンピオン大会。レースにかける参加者たちが繰り広げるバトルに会場は熱気につつまれた。

「ミニ四駆ジャパンカップ2015」チャンピオン決定戦は、全国15会場で30000名以上が参加した地方大会で、各地区予選を勝ち抜いた上位入賞者だけが挑戦できるチャンピオン決定戦だ。

地方を勝ち抜いた参加者による白熱したバトルを繰り広げたレースに、筆者は仕事を忘れ熱狂してしまった。

勝者の笑顔がある一方で、敗者ががっくりと肩を落とす失望感がはっきりと伝わるなど、会場では多くのドラマが繰り広げられたのだ。

だが、レースとともに筆者が注目したのが速さではなく見た目のカスタマイズを競うコンクール・デレガンス。このコンクールはレース同様、地方大会で1位を獲得した作品から1台がジャパンカップチャンピオンに選ばれるイベントだ。

外観カスタム日本一を決めるため、15の地方大会で優勝した車両が会場に揃った。

外観カスタム日本一を決めるため、15の地方大会で優勝した車両が会場に揃った。

愛媛大会優勝の「キープオンランディング」。車体をライオン型にくり抜いているのが特徴だ。

愛媛大会優勝の「キープオンランディング」。車体をライオン型にくり抜いているのが特徴だ。

静岡大会で優勝した「走れて、飾れて、育てられるサボ四駆」。車両に本物のサボテンを乗せているが、枯れたためなのか地方大会参加時より減っているそうだ。

静岡大会で優勝した「走れて、飾れて、育てられるサボ四駆」。車両に本物のサボテンを乗せているが、枯れたためなのか地方大会参加時より減っているそうだ。

東京大会2の優勝作品「涼」。ボディをガラスぽい質感に仕上げたが、その方法はヒミツなのだとか。

東京大会2の優勝作品「涼」。ボディをガラスぽい質感に仕上げたが、その方法はヒミツなのだとか。

東京大会1の優勝作品「ロード・ツー・ジャパンカップ」。外観カスタムを重視しているため一見、走行できないように思うがちゃんと走ることにこだわって製作されている。

東京大会1の優勝作品「ロード・ツー・ジャパンカップ」。外観カスタムを重視しているため一見、走行できないように思うがちゃんと走ることにこだわって製作されている。

大阪大会で1位の作品。イタリア製の戦車などの模型から部品を流用し、車両内部にLED電球を搭載しライトアップを可能とした。

大阪大会で1位の作品。イタリア製の戦車などの模型から部品を流用し、車両内部にLED電球を搭載しライトアップを可能とした。

「綺麗かつユニークなところ」──簡単に言えば“普通”のミニ四駆を加工し違いをどう出すかが審査の基準となるため、各地方大会を勝ち抜いたマシンは個性派揃い。

車体にLEDライトを内蔵したもの、背景付きのもの、ボディをライオン型にくり抜きアクセントを加えたものなどなど、いずれもユニークで完成度が高い作品ばかりだ。

それら15台の作品の中からジャパンカップチャンピオンを獲得したのは、大阪大会2の優勝者であるKOHEIさんの「BEAK SPIDER AVANT-GAREDE」。

ビビットなオレンジで仕上げられた車体は、一般に販売されているミニ四駆製品からプラ板(プラモデルの改造などに使用するプラスティックの板)を使いシャープで綺麗なマシンに仕上げられている。また、スイッチを入れるとポップアップするヘッドランプなど全体的に細かく細工されていることが受賞の理由だ。

MuuseoSquareイメージ
MuuseoSquareイメージ

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コンクール・デレガンス日本一となったKOHEIさんの「BEAK SPIDER AVANT-GAREDE」。スイッチを入れ走行するとリトラクタブル式ヘッドライトがポップアップし、点灯するように作られている。

JAPAN CUP2015でコンクール・デレガンス日本一となったKOHEIさん。

JAPAN CUP2015でコンクール・デレガンス日本一となったKOHEIさん。

大阪からジャパンカップを観戦するため会場にいたKOHEIさんに喜びの声とともに、ミニ四駆の製作に対するこだわりやカスタムにハマった理由などをインタビューした。

「(コンクール・デレガンスの)ジャパンカップチャンピオンを獲得することを目標としてきたのですごく嬉しいです! ミニ四駆は幼稚園時代からの趣味で、漫画『ダッシュ!四駆郎』の影響が大きいですね。ミニ四駆製作でこだわっていることは、実際にサーキットを走るレーシングカー同様、エアロダイナミクス(空力を計算し車体の浮きあがりを抑える)や軽量化を追求すること。見た目だけではなく、走らせて速いクルマであることが大事だと考えています」

コンクール優勝作品以外のマシンも見せてもらったが、いずれもプラ板でカスタムし、レーシングカーをイメージした外観に仕上げられている。目指すのはル・マン24時間レースなどに参戦するため、特に空力と馬力を追求したグループCカーなどのレーシングカーだ。

「80年代に活躍したグループCカーや、70年代に活躍したグループ5選手権のレーシングカーをイメージしたマシンを製作することが多いですね。ミニ四駆はスケールモデルが実際に走ることが魅力で、それはロマンを感じます。(外観を)作り込めば込むほど走りに影響しますが、ミニ四駆は走ってこそのものなのでどこまで作り込めるかという線引きが難しい。実際、サーキットを走るレーシングカーを見て研究し、それをミニ四駆作りに活かすことが楽しいです」

MuuseoSquareイメージ

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ル・マン24時間レースなどに参戦するため、特に空力と馬力を追求したグループCカーやグループ5選手権のレーシングカーをイメージし、外観をカスタムしているという。

女性ならではの視点で、ミニ四駆をカスタムするとこうなった

ジャパンカップ会場には、地方大会で優勝した車両のほかに、カスタムされたマシンを当日持ちこんだ作品も展示されていた。作品を手にした製作者が受付にやってくる、これはチャンスとミニ四駆を持ちこんだ方に話を聞いてみることにしよう。

ミニ四駆をスーパーGT選手権に出場しているレクサスチームのレーシングカーに仕立てた。

ミニ四駆をスーパーGT選手権に出場しているレクサスチームのレーシングカーに仕立てた。

お話いただいた、よーすけさん。

お話いただいた、よーすけさん。

まずは、スーパーGTに参戦しているレクサスRC Fぽく仕上げた、よーすけさん。

ミニ四駆に興味を持ったきっかけは、子どもに買ってあげたところ自らがハマってしまったこと。ご自身が子どもの頃は、ミニ四駆をやっていたわけではないが元々はラジコン世代のよーすけさん。
すぐにカスタム技術は上達したようだ。
自宅で自ら製作した作品を見てにやにやする、そんな一人の世界が楽しいのだとか。

ボディをカットし再構築して仕上げた太陽さんの作品。クオリティが大変高く、会場では多くの人から作品についての賞賛と質問が飛んでいた。

ボディをカットし再構築して仕上げた太陽さんの作品。クオリティが大変高く、会場では多くの人から作品についての賞賛と質問が飛んでいた。

子どもの頃、放映されていたテレビアニメ「ダッシュ!四駆郎」がミニ四駆を始めたきかっけだという太陽さん。

一時期、離れていたものの、大人になり再び始めたミニ四駆で重視しているのは見た目の美しさや格好良さ。
コンクール・デレガンスのようなコンテストは、作品を作るモチベーションになっているそうだ。
太陽さんにとってサイズ的に扱いやすくパーツの自由度が高いミニ四駆は、外観カスタムを楽しむにはぴったりなのだとか。
作っている時間とともに、Twitterなどで仲間とコミュニケーションがとれることがとくにミニ四駆の楽しいところと語った。

設計図を書かずにパーツをいちから作って仕上げたトレーラー。荷台にはミニ四駆が搭載されている。

設計図を書かずにパーツをいちから作って仕上げたトレーラー。荷台にはミニ四駆が搭載されている。

この角度から作品を見ると、プラ板で車体を作っていることがわかる。

この角度から作品を見ると、プラ板で車体を作っていることがわかる。

そして自作のトレーラーを製作した、男性。

ミニ四駆歴は約1年と短いが、子どもの頃からプラモデルの製作が好きだったという彼が、半年かけてプラ板でパーツを作った力作がこのモデル。
だが、家庭を持つ彼にとってミニ四駆の製作は家族が寝静まった深夜のみで、その分、製作時間が長くなるのだそうだ。

女性らしく車体をラインストーンでデコレーションしたつっきーさんのミニ四駆。

女性らしく車体をラインストーンでデコレーションしたつっきーさんのミニ四駆。

つっきーさんはデコレーションにこだわるだけではなく、ミニ四駆は走らせてこそ楽しいと話す。

つっきーさんはデコレーションにこだわるだけではなく、ミニ四駆は走らせてこそ楽しいと話す。

ミニ四駆の外観カスタムを楽しむ人は男性ばかりではない。

車体をデコレーションすることにこだわっているのは、つっきーさん。
マネキュアのトップコートでラインストーンをコーティングし接着する際の曇りを防ぐなど、女性ならではのテクニックを使いカスタムしている。

ダイハツ・コペンのミニ四駆をベースにディズニー映画「トイストーリー」の世界を表現した作品。

ダイハツ・コペンのミニ四駆をベースにディズニー映画「トイストーリー」の世界を表現した作品。

カラーリングや外観カスタムに凝ることができるミニ四駆は女子でも入りやすいと、もこてゃんさんは強調する。

カラーリングや外観カスタムに凝ることができるミニ四駆は女子でも入りやすいと、もこてゃんさんは強調する。

また、池袋にあるミニ四駆バー「DRIBAR(ドライバー)」でバイトしたことがきっかけでカスタムすることに興味を持ったのが、もこてゃんさん。

ディズニー映画「トイストーリー」の世界を表現した作品は見た目のイメージとぴったり。

お店のお客さんがミニ四駆製作やカスタムについていろいろ教えてくれる良い環境にいる彼女は、「見た目を凝ってカスタムすることができるから女子でも始めやすいです。カラーリングに凝ってみたり、キャラ物を乗っけてみたりと楽しく作ることができます」と、ミニ四駆の外観をカスタムする楽しさについて語ってくれた。

和紙を使ってミニ四駆を装飾した、ばにらさんの作品。「しぐれ」と名づけられた車体は上から見るとネクタイのように見えるよう仕上げた。

和紙を使ってミニ四駆を装飾した、ばにらさんの作品。「しぐれ」と名づけられた車体は上から見るとネクタイのように見えるよう仕上げた。

アルミに見えるようになど素材の質感にこだわり仕上げた、シムヒサさんのミニ四駆。ゴテゴテせずシンプルで色の統一感に気をつけているそうだ。

アルミに見えるようになど素材の質感にこだわり仕上げた、シムヒサさんのミニ四駆。ゴテゴテせずシンプルで色の統一感に気をつけているそうだ。

コンクール・デレガンスではなくレースに参加していた、まいさんのマシン。怪しげな目のマークがキモカワイくて気に入っているという。

コンクール・デレガンスではなくレースに参加していた、まいさんのマシン。怪しげな目のマークがキモカワイくて気に入っているという。

まいさんと同じくレースに参加していた、なおちさんのミニ四駆。速く走らせることだけを重視し軽さにこだわると、外観はこうなる。

まいさんと同じくレースに参加していた、なおちさんのミニ四駆。速く走らせることだけを重視し軽さにこだわると、外観はこうなる。

速さを追求するのがミニ四駆の多くのユーザーがあげる楽しさなのポイントだが、体験したことがない人にとって敷居の高さを感じてしまうのが正直なところ。
その点、市販品をベースに自分なりにドレスアップして楽しむミニ四駆の外観カスタムは手軽に楽しむことができ、またとことんこだわることもできる。

ミニ四駆にはコース上でタイムを競うことだけが楽しさかと思いきや、こんな世界もあったとは。ジャパンカップで知ったミニ四駆の奥深さを知った。

そんな筆者は、取材を終えたあとミニ四駆や塗装のためのエアブラシを購入。原稿の締め切りに追われるなか、カスタムミニ四駆の製作を行うようになってしまった…。

ーおわりー

File

「ミニ四駆ジャパンカップ2015」チャンピオン決定戦

10月18日に東京お台場・MEGAWEBトヨタシティショーケースにて開催されたこの大会は全国15会場をを約4ヵ月かけ巡回し、30000名以上が挑戦した各大会の勝者が競う全国大会。コンクール・デレガンスも毎回同時に開催され、チャンピオンを決定する。今年の大会では1/1ミニ四駆実写化プロジェクトから生まれた、実車版ミニ四駆「エアロ アバンテ」が登場し大きな話題となった。

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公開日:2015年11月20日

更新日:2021年12月27日

Contributor Profile

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手束 毅

自動車専門月刊誌の編集を経て現在はフリーエディターに。クルマはもちろん、モノ系、ミリタリー、ファッション、福祉などなど「面白そう」と感じた様々な媒体やテーマに関わっているものの、現在一番興味がある「もつ焼き」をテーマにした出版物の企画が通らないことが悩みの種。

終わりに

手束 毅_image

まさか自分がミニ四駆のカスタムに熱中するとは…と自らが驚くほどこの取材後、ミニ四駆の製作にハマってしまった筆者。まだコースを走らせてはいないものの、小学生時代に楽しんだプラモデルの製作を思い出しながら楽しんでいるのですが、「仕事って何?楽しいの??」となりつつあることに危機感をつのらせてもいます…。

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