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美しい輝きは「裏」に宿る。イシカワ・爬虫類の世界。

取材日: 2016年9月16日

 イシカワはエキゾチックレザー(爬虫類)の皮革問屋。皮革問屋というのは通常、レザーという素材そのものを取扱う業種を指します。その中でも数少ない自社で素材加工や縫製機能も持つ実力派で、他のエキゾチックレザーブランドの素材加工や製品製造も手掛けています。近年は自社ブランドを展開、雑誌などでも採り上げられる存在になっています。
 そんなイシカワの強みは「良い素材を活かす技術力」。技術的側面の知識や経験値の高さは語るに及びませんが、それ以上に素材を愛し物を愛するが故の真面目で真摯な姿勢を感じるのが魅力です。先日僕の知人から「高級感があって、軽い素材のバッグや雑貨をコーディネートして欲しい」という依頼がありましたが、その時すぐさま思い付いたのがこちらの商品でした。
 今回の取材では、知人へのお勧め商品を選ばせて頂く傍ら、クロコダイルの加工についてそのプロセスや裏側を見せていただきました。素材特性を活かした美しい輝き演出には、見えない裏側への深い知識と技術の結集がそこにはありました。決して見えないところに注ぐ時間が、妥協ない物作りの真髄であり、使う側にとっての何よりの安心感と信頼に繋がるのだと思います。「売って満足、買って満足」という量産時代が終焉したその先には、「永く使って満足する物作り」への回帰があります。その一端を見て感じていただけたらと思います。
 

株式会社イシカワ・吉川嘉一氏_image

株式会社イシカワ・吉川嘉一氏

1965年浅草生まれ浅草育ち。「幼少期よりレザーの中で生活し、何の迷いも疑いもなくレザー職人の道に入った」と語る吉川さん。この道ひと筋で生きてこられた職人気質のエキゾチックレザーのスペシャリストでありながら、ファッションとの融合や自社製品のプロモートという時代性にも強い関心を持つビジネスパーソンでもあります。それでも「良い素材を良い形で提供する」という高い使命感と、ブレない品質への拘りを感じるのがイシカワさまの魅力。素材を裏側から見詰め加工し、製品を世に送り出すその姿勢からは、脈々と受け継がれてきた素材に対する愛情と職人魂を感じます。

美しい輝きは「裏」に宿る。イシカワ・爬虫類の世界。_header_image
  • クロコダイルダイルメッシュのポーチ。贅沢な素材使いでスモールクロコ約3匹分が使わているのだそうです。

    クロコダイルダイルメッシュのポーチ。贅沢な素材使いでスモールクロコ約3匹分が使わているのだそうです。

  • 表がクロコダイルなら、インテリアも勿論レザー。軽量なピッグスキンを使用。配色の美しさも抜群ですね!

    表がクロコダイルなら、インテリアも勿論レザー。軽量なピッグスキンを使用。配色の美しさも抜群ですね!

  • 自社ブランド<Rio de piedra>のパイソントート。パイソンも高級感だけでなく軽量ですから男女性別を選びません。専用バッグインポーチ付きで機能面も◎。カラーバリエーションは豊富。限定数量生産。

    自社ブランド<Rio de piedra>のパイソントート。パイソンも高級感だけでなく軽量ですから男女性別を選びません。専用バッグインポーチ付きで機能面も◎。カラーバリエーションは豊富。限定数量生産。

  • パイソントートもエクステリアとインテリアのカラーコンビネーションが素敵。勿論こちらのインテリアもスエードのピッグスキンを使用。さりげなく品格を感じさせるのがとても心地よいですね。

    パイソントートもエクステリアとインテリアのカラーコンビネーションが素敵。勿論こちらのインテリアもスエードのピッグスキンを使用。さりげなく品格を感じさせるのがとても心地よいですね。

  • パイソンやクロコダイルのスニーカーもお勧めしたいアイテムです。これは相当差がつくアクセサリーアイテムになりそうです。

    パイソンやクロコダイルのスニーカーもお勧めしたいアイテムです。これは相当差がつくアクセサリーアイテムになりそうです。

  • 加工前のクロコダイル。この段階では、ウロコは平坦に見えます。これから加工が始まります。さてどんな表情に変わるのでしょうか。

    加工前のクロコダイル。この段階では、ウロコは平坦に見えます。これから加工が始まります。さてどんな表情に変わるのでしょうか。

  • 写真は湿気をとる作業。ストーブであぶります。素材加工の様々なプロセスの中でこの湿気とり作業は繰り返し行われる極めて重要なプロセスなのだそうです。素材の柔らかさや艶感を大きく左右する工程です。

    写真は湿気をとる作業。ストーブであぶります。素材加工の様々なプロセスの中でこの湿気とり作業は繰り返し行われる極めて重要なプロセスなのだそうです。素材の柔らかさや艶感を大きく左右する工程です。

  • 職人である吉川専務。浅草生まれで浅草育ち。「物心ついた時からレザーに埋もれていた」と語るレザーのスペシャリストです。作業に入る時はまるでスイッチが入ったように、職人の雰囲気が宿ります。

    職人である吉川専務。浅草生まれで浅草育ち。「物心ついた時からレザーに埋もれていた」と語るレザーのスペシャリストです。作業に入る時はまるでスイッチが入ったように、職人の雰囲気が宿ります。

  • アイロン作業。素材の密度を一旦均一にする作業です。

    アイロン作業。素材の密度を一旦均一にする作業です。

  • プレス後の生地を手にしてにこやかな吉川さん。毎日繰り返される作業だが、心底革を愛していることが伝わってきます。

    プレス後の生地を手にしてにこやかな吉川さん。毎日繰り返される作業だが、心底革を愛していることが伝わってきます。

  • グレージングという工程。クロコダイルの輝く艶を出すため、瑪瑙(めのう)というストーンで圧力をかけて磨きます。

    グレージングという工程。クロコダイルの輝く艶を出すため、瑪瑙(めのう)というストーンで圧力をかけて磨きます。

  • 革漉(す)き機。厚みを調整するために使います。革は銀面と呼ばれる表面組織と、皮下組織が結合してできていますが、加工上不要な皮下組織を削り取る作業です。どういう厚みが最適かは、経験値がものをいうのだそうです。マニュアル化できない作業ですね。

    革漉(す)き機。厚みを調整するために使います。革は銀面と呼ばれる表面組織と、皮下組織が結合してできていますが、加工上不要な皮下組織を削り取る作業です。どういう厚みが最適かは、経験値がものをいうのだそうです。マニュアル化できない作業ですね。

  • 革漉き機では0.1mm単位で設定が変えられます。極めて繊細さを要する作業です。

    革漉き機では0.1mm単位で設定が変えられます。極めて繊細さを要する作業です。

  • 漉かれた皮下組織をもち説明してくださる吉川さん。

    漉かれた皮下組織をもち説明してくださる吉川さん。

  • ボンベ加工はクロコダイルをウロコを美しく見せるだけでなく、長持ちさせるための、いわば裏張り加工。このボンベ加工にも高い知識と経験が求められるのだそうですが、近年職人が激減。イシカワは国内屈指の技術であることは勿論、海外メゾンブランドからもボンベ加工の依頼が舞い込むほどの技術力があるのです。

    ボンベ加工はクロコダイルをウロコを美しく見せるだけでなく、長持ちさせるための、いわば裏張り加工。このボンベ加工にも高い知識と経験が求められるのだそうですが、近年職人が激減。イシカワは国内屈指の技術であることは勿論、海外メゾンブランドからもボンベ加工の依頼が舞い込むほどの技術力があるのです。

  • 裏張りには特殊な溶剤が滲み込んだシートを貼り付けます。ボンベ加工は熱を使う工程の為、作業に取り組む吉川さんも汗だくで作業が続きます。

    裏張りには特殊な溶剤が滲み込んだシートを貼り付けます。ボンベ加工は熱を使う工程の為、作業に取り組む吉川さんも汗だくで作業が続きます。

  • ボンベ加工が終了したクロコダイルの表面。凹凸感が自然な形で際立ち、美しい輝きを放っています。先の写真の平坦なウロコとはまるで別物に生まれ変わりました!

    ボンベ加工が終了したクロコダイルの表面。凹凸感が自然な形で際立ち、美しい輝きを放っています。先の写真の平坦なウロコとはまるで別物に生まれ変わりました!

  • 大きいウロコだけではなく、凹凸感は細かいウロコ部分にも丁寧に施されていることが分かります。表面艶出しだけでは永続しない高級感は、こうした地道な作業から生まれてくるのです。

    大きいウロコだけではなく、凹凸感は細かいウロコ部分にも丁寧に施されていることが分かります。表面艶出しだけでは永続しない高級感は、こうした地道な作業から生まれてくるのです。

  • バッグの縫製は都内自社アトリエにて。自社ブランドの製造だけでなく、他社ブランドの生産依頼もこなしています。

    バッグの縫製は都内自社アトリエにて。自社ブランドの製造だけでなく、他社ブランドの生産依頼もこなしています。

  • エキゾチックレザーでは数少ない、素材加工から製品まで一貫生産できるラインを持つのがイシカワの特徴。継承したいものつくりのあり方です。

    エキゾチックレザーでは数少ない、素材加工から製品まで一貫生産できるラインを持つのがイシカワの特徴。継承したいものつくりのあり方です。

  • 裁断、縫製等に使う工具類。

    裁断、縫製等に使う工具類。

  • レザーパーツを切り取るための抜型。相当数並ぶ抜型バリエーションが歴史を感じさせます。

    レザーパーツを切り取るための抜型。相当数並ぶ抜型バリエーションが歴史を感じさせます。

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