レザーブランド「TOKISADA」知識と経験に裏打ちされた手さばきに触れる

取材日: 2016年9月10日

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手作りの温もりを感じるクラフト系に強く惹かれる人は多いのではないだろうか。今回紹介するのは、レザーブランド「TOKISADA」(トキサダ)を営む松谷則洋さん。レザーファッションブランドの雄、レッドムーンで修行した職人のものづくりにせまります。

RED MOONで修行した松谷氏が作る「TOKISADA」のコレクション

MuuseoSquareイメージ

物作りも「量産」と「クラフト」に二極化する傾向にあるなかで、僕は手作りの温もりを感じるクラフト系に強く惹かれます。最近クラフト系の物作りに関わる人口は増える一方ですが、僕が注目するのは、作っているからこそ知りえる豊富な知識を持つ職人です。

今回ご紹介する松谷則洋さんは、メイドインジャパンのレザーブランドとして90年代ブレークしたREDMOONで物作りをしてきた職人。

「作りたいものをただひたすらに、もぐらのようにアトリエに籠り作り続けてきた」とご本人が言うように、松谷さんは山のような作品をゼロから手掛けてきた経験を持っているのです。

道具を身体の一部のように使いこなす

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松谷さんは1973年福島県生まれ。趣味のバイカ―雑誌で見た職人募集広告を見て上京。「REDMOON時代は様々な企画を打ち立て、やりたいことをどんどん形にする恵まれた環境にあった」とのこと。

松谷さんの物作りのプロセスは至ってシンプル且つクラシカル。それは最新の機材や設備を使うことではありません。昔から職人が使ってきた定番的な道具を、身体性と一体化させてシンプルに使いこなすことです。

それはまた、時間という長い積み重ねの中で調合されるものなのです。手作り工房の流れを汲むブランドでの物作りで鍛え磨かれた手捌きは、見るものを強く引き付けて離しません。

松谷さんが愛する道具たち。種の神器とでもいうのでしょうか。特に左から2番目の包丁、中央のヘリ落とし、右から2番目の鉄筆、右のディバイダーは頻出なのだそうです。大切に使われていることは不思議と近くで見ているだけで伝わってくるものです。

松谷さんが愛する道具たち。種の神器とでもいうのでしょうか。特に左から2番目の包丁、中央のヘリ落とし、右から2番目の鉄筆、右のディバイダーは頻出なのだそうです。大切に使われていることは不思議と近くで見ているだけで伝わってくるものです。

包丁は微妙なコバ調整にも器用に使われています。こういう道具使いとその手捌きを拝見すると、膨大な時間と作業の積み重ねがしのばれるます。職人の研ぎ澄まされた所作は、格好良いですね。

包丁は微妙なコバ調整にも器用に使われています。こういう道具使いとその手捌きを拝見すると、膨大な時間と作業の積み重ねがしのばれるます。職人の研ぎ澄まされた所作は、格好良いですね。

糊付け作業も極めて手慣れています。所作そのものに美しさが宿り、無駄を感じさせません。工程の一部分を見ただけでも、完成品全体の質感を想像させます。プロセスを見ることの大切さを改めて実感しました。

糊付け作業も極めて手慣れています。所作そのものに美しさが宿り、無駄を感じさせません。工程の一部分を見ただけでも、完成品全体の質感を想像させます。プロセスを見ることの大切さを改めて実感しました。

ミシンも極めてシンプルな小型の工業用腕ミシン。足を踏んで速度調整するタイプで至って普通です。丁寧ながらもスムーズな運びが安定したテンションと美しいステッチワークに繋がっています。

ミシンも極めてシンプルな小型の工業用腕ミシン。足を踏んで速度調整するタイプで至って普通です。丁寧ながらもスムーズな運びが安定したテンションと美しいステッチワークに繋がっています。

国内でも腕の立つ職人が少なくなる中、松谷さんへの仕事の依頼が増え、ここ数年は他社製品のOEMが活動の中心になっていました。

そうした中、久々に松谷さんはオリジナルブランド<TOKISADA>の新モデルを発表。展示販売会に参加することに。信頼のおける職人の手仕事に触れられるのは、やはり心が踊ります。

シンプルに見えるブリーフケースは松谷さんの作品。ハンドルの付け根の作りはシンプルでありながら見たことがない意匠になっています。手にする者の優越感、という男性ならではの満足感を満たしてくれます。

シンプルに見えるブリーフケースは松谷さんの作品。ハンドルの付け根の作りはシンプルでありながら見たことがない意匠になっています。手にする者の優越感、という男性ならではの満足感を満たしてくれます。

クロコダイルで作ったシガレットケースとマッチ箱カバー。持ち物という持ち物を贅沢にレザーで包んできたほどの革好きである。REDMOON時代は好きなものを幾らでも作らせてもらえる恵まれた環境だったのだそうだ。

クロコダイルで作ったシガレットケースとマッチ箱カバー。持ち物という持ち物を贅沢にレザーで包んできたほどの革好きである。REDMOON時代は好きなものを幾らでも作らせてもらえる恵まれた環境だったのだそうだ。

こちらも松谷さんの私物ベルト。フルタンニン鞣しの牛革の中に、パイソンが組み込まれている。しかもバックルはシルバー925。ベルト好きの私もいずれ別注で製作をお願いしようと思うほど出来栄えの良いベルトです。

こちらも松谷さんの私物ベルト。フルタンニン鞣しの牛革の中に、パイソンが組み込まれている。しかもバックルはシルバー925。ベルト好きの私もいずれ別注で製作をお願いしようと思うほど出来栄えの良いベルトです。

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