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ホテル「パインクレスト」のマッチラベル
阪神間モダニズムのひとつ。 夙川にあった「ホテルパインクレスト」のマッチラベル。 大正末期完成とか昭和6年開業など、資料によって書き方が異なっているので、よく分かりません。 谷崎潤一郎の作品に登場したり、画家・東郷青児がここで創作活動をしたりと、文化的な関係者も多いそう。 全60室に水洗トイレやスチーム暖房も完備され、外国人やインテリサラリーマン、高級官僚や軍人、富裕層のマダムたち御用達だったらしい。 戦後は例によって進駐軍に接収され、その後は銀行の寮や研修施設となって、現在、跡地は住宅地とのことで、建物は現存しません。 ただ、ラベルにも描かれている石垣は現在もあるようで、ストリートビューでも確認できました。 こういった阪神間モダニズム系を扱っている個人ブログの中には、この図柄と同様の位置から撮影したと思われる当時の写真(広告か書籍あるいは絵葉書の写し)を公開しているところもあり、往時がしのばれます。 パインクレストのマッチラベルはネット上で確認できるのは別の1種類のみなので、建物の描かれているこの図柄のものはたぶんレア。 #マッチラベル #阪神間モダニズム #ホテル #パインクレスト #西宮 #夙川
マッチラベル ホテル パインクレスト 兵庫/西宮showa_express
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昭和10年の甲子園
ちょうど今は全国各地で高校野球の予選が行われてますね。 もう甲子園出場校の決まった県もあるようですが。 そんななか、未整理の紙ものを仕分けていたら、こんなスタンプが出てきました。 昭和10年の阪神電車のスタンプで、満員の甲子園球場の図柄になってます。 いかにも戦前昭和らしく、みんなカンカン帽かぶってますね。 調べたら、この年に開かれたのは第21回の全国中等学校優勝野球大会でした。 8月10日の押印ですので、試合を見に行ったついでに押したのかとも思ったのですが、大会が始まったのは3日後の8月13日でしたので、まだ始まってない日だったんですね。 この年は22の代表が出場し、優勝したのは愛媛の松山商業だったと記録されています。 代表枠は、北海道、奥羽、東北、北関東、南関東、東京、甲神静、東海、信越、北陸、京津、大阪、兵庫、紀和、山陰、山陽、四国、北九州、南九州という国内のほか、外地の朝鮮、満州、台湾を合わせたもので、昭和16年までは22という枠数は変わらなかったようです。 なんつーか、枠の配分では関西が微妙に有利ですね。 その後は戦争での中断があり、昭和21年に外地3地域を除いた19代表で再開されたそうです。 なお、負けたチームが甲子園の土を持ち帰る風習は2年後の昭和12年の大会からで、決勝で敗れた熊本工業の川上哲治が最初というのが有力らしいです。 #スタンプ #戦前 #甲子園 #高校野球 #阪神
全国中学校優勝野球大会 スタンプ 兵庫/西宮showa_express
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アールデコ、モダニズム建築の集合体
昭和11年の4月10日から5月31日まで西宮の浜甲子園で開かれた「輝く日本大博覧会」。 このゴールデンバットはそれの記念パッケージです。 しっかし、見事にボロボロです。 記念タバコのパッケージもいろいろウオッチしてはいるのですが、これはなかなか出てきません。 二束三文で手に入れた戦前タバコパッケージの束の中に混じっていました。 もう1枚は同じ博覧会の宣伝マッチ。 同じ図柄が使われています。 この図柄は日本のアールデコとしてたびたび引用される非常に有名なものです。 この博覧会は大阪毎日新聞(大毎)、東京日日新聞(東日)の共催でだったようですが、マッチラベルには大毎の名前しか載ってませんね。 この博覧会場に建てられた建物はアールデコで見事なモダン建築として、そのスジの方には高く評価されているようです。 会場は3つに分かれており、メインは第一会場。 ここには、輸出で日本を支える工業品などを展示した「国産館」、陸海空にわたる日本軍の活躍を大パノラマも含め展示する「皇軍館」、科学技術の発展と国への貢献を展示する「科学館」、各種機械の構造を実動するものも含め展示した「機械館」、土木、建築、交通、通信でもって文化生活がいかに送れるかを解説した「文化館」、伸びゆく満州の実情を知らせる「満州館」、南北アメリカや豪州、フィリピンなど南洋を最新の資料で紹介する「汎太平洋館」、この年に開催されるベルリン五輪やスポーツに関する資料を展示した「スポーツ館」、コンサートや演芸を披露する「演奏館」、米国から招聘したアメリカン・グランド・サーカスが公演する「大余興場」があったそうです。 サーカスでは自動車の宙返りやオートバイの曲乗り、果てはフラダンスまで披露されたとか。 また、住友や日産など企業ブースが出展した特設館もありました。 第二会場は阪神パークを貸し切って疲れた家族連れらの休憩などに使われ、第三会場は六甲山頂の六甲ケーブル高山植物園。ここは博覧会来場者のみに開放され、都会の喧騒を離れ新鮮な空気を楽しんでください、という趣旨だったらしいです。 輝く日本大博覧会は残っている資料も多く、ウェブで検索すると絵葉書などで会場風景を多数見ることができるほか、古物商を巡るとパンフレットなども手に入れることができます。 #記念たばこ #タバコパッケージ #マッチラベル #博覧会 #ゴールデンバット
輝く日本大博覧会 タバコパッケージ 兵庫/西宮showa_express
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重なる手と手
西宮北口にあったダンスホールのマッチラベル。 簡潔な図案だけど、重なる手と手がいい感じ。 肝心な店の名前だけは赤いインクで。 デザイナーに力量があったんだろうなあ。 シンプル・イズ・ベストの一例。 #マッチラベル #戦前 #ダンスホール
兵庫/西宮 戦前 ダンスホールshowa_express