ガス式アイロンのマッチラベル

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アイロンというと今では電気式が当たり前ですが、その昔、ガスアイロンなるものも存在しました。
ガスの前は炭火などを熱源に使っていましたが、当然燃えかすの掃除をしなきゃならないわけで、メンテナンスに手間がかかるものだったようです。
ちゃんと掃除しないと衣類が汚れちゃいますしね。

ガス式はもともとは1850年ぐらいに海外で開発されたもののようです。
日本では輸入品が主だったようですが、洋服の普及とともに明治43年に国産化されました。

ガスのホースと繋がっていて、本体内部にバーナーがあり、その熱でアイロンがけする仕組み。
取り回しの関係で、一旦は電気式が優勢になったそうですが、昭和6年に火加減の調節ができる新型が出てから勢いを盛り返し、特にクリーニング店や仕立て屋といった業務用で普及していったそうです。
料理と同じで、電気よりガスの方が玄人好みだったのか、はたまた電気とガスのランニングコストの差だったのか。
その時点でのガス式アイロン1台のお値段は3円台後半。
芝浦電気が出していた電気式も似たような値段でした。

電気のコードにしてもそうですが、ガスのホースもアイロンがけで邪魔になるため、こういったお店では天井からホースを垂らして本体に繋いで使っていました。

ガス会社がときたま開く「ガス展」のような催し物で、ガスアイロンが今でも展示されることがあります。
古いクリーニング店やテーラーが現在も愛用している…などという噂もありますが、定かではありません。

マッチラベル自体には「瓦斯アイロン」とあるのみで、会社名、地域など一切不明。
コレクションとしては名古屋系スクラップにまとめられているため、東邦瓦斯である可能性もあるにはあります。

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