七寸五段重 「吹雪」

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七寸の五段重です。卵殻と菜種、紐を用いた変り塗で、共紙から「吹雪」という名称と思われます。素晴らしい出来映えの変り塗で、卵殻もこの時代は粒が細かいです。共紙に「御用塗師 若州荒木」と書かれており、製作は小濱藩お抱えの塗師であるわけで、幕末の製作と推察します。共箱は粗末ですが、重箱自体は豪華な作りです。
「荒木」とは荒木久兵衛、現在も小浜で若狭塗を作っていらっしゃる「羽田漆器店」さんのご先祖と思われます。(現在は14代目)この荒木久兵衛さんらが中心となって、明治12年に若狭塗の会社を作り、海外に販路を広めたことが知られています。

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