万波球状岩(仮称)
径2~15㎝、主に黒雲母からなる球殻の単層球。黒雲母の切平面構造が著しい。
【核】大球では石基に同じか、多少アプライト質。小球では長石と石英のペグマタイト質集合。
黒雲母の単層が球をつくり、他の構造はない。
<”飛騨帯の球状岩”から要約>
論文では単層球とされていますが、採取した標本は核が不規則に並んだ黒雲母が特徴で、外殻のほぼ中央位置に同心球状に黒雲母が配列しています。外殻と充填岩の境界は再び黒雲母が配列することが観察できます。充填岩は片麻状です。やや柔らかい状態で球顆が堆積したのでしょうか、一定方向に互いに押し潰しあっているのが確認できます。
《コラム》
万波は河合からも打保からも険しい山道を車で30分以上もかかります。豪雪地帯で、冬季は徒歩以外の手段はありません(訪れる人はいませんが)。江戸時代には隠し金山があったそうで、境界を飛騨と越中の間でもめていました。確定したのが昭和47年だそうです。
その後、農地の開拓が行われ、整備された畑が広がり、住民も住んでいたそうです。神社もあります。しかし、冬の厳しさに勝てませんでした。今は誰もいません。
#万波球状岩