猿投球状花崗岩
球状岩はその構造上、球顆(ball)と充填部(matrix)に区別され球顆は内核と外殻に区別できる。球顆は風化のため分離することがあり、この場合球形または楕円体をしている。切断面は径6㎝~10㎝で常に中心部に直径1~2㎝の内殻があり、外殻部は内核を中心に放射状に発達している。
【内核】微斜長石の単晶または二三結晶の集合、花崗岩質のもの、アプライト質のものがある。
【外殻】顕鏡下で構造上2部分に区分でき、内核から放射状に成長したポイキリチック構造の微斜長石の巨晶と、これの隙間を充填する石英・長石の等粒構造の部分となる。
【充填部】外殻と明瞭な境界をを持ち、一般に結晶粒が大きい。
<”猿投山産球顆岩石の科学的研究(1)”から要約>
猿投、田上、沖美の球状花崗岩は酷似しています。これは形成のメカニズムが同じである事を示しています。
《コラム》
論文では猿投の球状花崗岩産地は4カ所あると記載されています。①天然記念物露頭は遊歩道が整備され、猿投山登山の名所となっています。②西広見はモノ日記で書いた神社に近い山の頂上で、採掘しつくされたそうです。③釜ケ洞は猿投温泉の東山頂、広沢大滝西山頂に位置し、採掘しつくされたそうです。④広沢滝懸崖上は滝壺上の壁面ですが、探したけれどありません。
各々、顔つきが少し違うようで、形成メカニズムは同じでも微妙な環境の違いがあるようです。
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