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幻の怪談映画を追って
必殺シリーズのファンから業界人となった山田誠二氏。山田氏は「怪談映画」のファンでもありました。その山田氏がエロ・グロで有名だった新東宝→大蔵映画の、フィルムの所在があやふやで幻となっていた怪談映画を発掘する過程を、自身の生い立ちも交えながら記した書籍です。当時のスタッフのインタビューも載っていて、ワンマン社長と言われていた大蔵貢の人となりも窺えます。巻末には新東宝・大蔵映画の怪談全作が紹介されていますが、フィルムが現存していない作品もあって、二度と観られないと思うと残念です。 当館にも展示している三本の怪談映画のビデオ化は山田氏が自腹で行ったそう。相当のファンでもなかなか真似出来る事ではありません。 #怪談 #映画 https://muuseo.com/omaharuge102/items/295
洋泉社 1600円+税 1997年8月オマハルゲ
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世界トホホ映画劇場2 アニメ&特撮大作戦
トホホ映画劇場第二弾です。前作は二部構成でしたが今回は7章に分かれてパワーアップ(?)。ヒーロー、セクシーガール、恐怖劇場、アニメ、モンスター大行進、世紀末アクション、カルトムービーとなっております。 今回の目玉はアニメの章。主に日本のアニメにクリソツな韓国製パチもんパクリ映画がこれでもかと紹介されております。ガッチャマンもマジンガ―Zもその餌食になっており、アチラの人々の厚顔無恥っぽさが窺えますw さて、前回と合わせた2冊ですが、ネットの黎明期に出版されたので「この映画を探せ!」という形で詳細不明の作品も載っております。おそらく現在ではかなり「トホホ映画」については詳細が明らかになっている事でしょう。少なくともその一部は日本盤が売られるようになったんですから。 #洋画 #SF #ホラー #最低
小学館 1600円+税 1999年オマハルゲ
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世界トホホ映画劇場
当館でも展示しておりますB級C級のヒドい映画も含んだ「トホホ」な作品達を、ツッコミを入れながら紹介した書籍です。 カンフー映画を初めとする東南アジアの映画が第一部、アメリカの廃棄物の様な恐ろしい映画が第二部となっております。 ビデオやDVD、BDに至るまで「輸入盤」という形で試聴出来る環境が整った現在、字幕のあるなしなどどこかへやってまずは視聴する事をおススメします。 #洋画 #SF #ホラー #最低
小学館 1600円+税 1998年オマハルゲ
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できんボーイ〈完全版〉
唐突ですが、笑い死にしそうになった事はありますでしょうか? 今回ご紹介するギャグ漫画を読んで、私は呼吸困難になって死にかけましたw これは連載作を網羅した完全版コミック全2巻です。 好き過ぎてどうしても知って頂きたい作品なので、長くなりますがお付き合いのほどを。 「できんボーイ」は1977年から約一年半に亘って少年サンデーに連載されていた田村信のマンガであります。田村氏は主に70年代サンデーにて連載を持っていた漫画家さんです。勿論今も現役です。 「できんボーイ」は小学生であるモヒカン頭のちゃっぷまんを主人公に、仲間たちと繰り広げるドタバタが描かれています。田村信のマンガの特徴として、吉本新喜劇の様に登場人物全員がボケでありツッコミであるという点が挙げられます。 普通のギャグ漫画だと主人公がボケて周りが突っ込み、時として真面目なキャラが「ノリツッコミ」させられるというのが定番ですが、氏のマンガの場合どこで誰がボケるか予測不能なのであります。従って油断していると思いもよらぬ、例えば数コマだけ登場したキャラがいきなりボケをかまして不意打ちを食らう格好になったりします。その点が意外で、笑い死にしそうになるのも納得なのです。 もう一点、田村信と言えば有名なのが擬音。 走る時は「しばばばば」「ちけけけけ」、釣竿を振る音が「ふみーん」「へみーん」、他にも「みゅいん」だの「ずもももも」だのどこから思い付くのか理解不能な発想です。 ちやっぷまんはよくお尻を出しますが律儀に「しり」と書いてあるのも定番ですw 主人公のちゃっぷまんは田村信のデビュー作から中年男のキャラとして役を変えて登場してました。何度か内容を変更してその集大成として連載が始まったのが本作です。 3枚目の画像が仲間で作った「できんぼ軍団」の面々。左上のキャラくるっちゃーはちゃっぷまんのライバル的存在でお金持ちの息子、連載途中から登場しました。右上のピピ姫は紅一点、前作「わかさま天国」ではちゃっぷまんの憧れの姫様として登場、本作にスライド出演。中左のサングラスキッドはデビュー作「ゴエモンろっく」で警察署長役のちゃっぷまんの部下として登場してからの片腕的存在。中右のぱんぴーは初期からエキストラとして登場しています。で、下が主人公のちゃっぷまん。 周りのキャラもご紹介。ちゃっぷまんの両親で、八百屋を経営していていつも親子喧嘩が絶えない大人気ない父親と時に大ボケをかます母親。アホな学園の園長と天然ボケがヒドい担任のユーコ先生。父親と犬猿の仲の隣人のすだれ頭のオヤジ。ユーコ先生の見合い相手の赤岡進。彼だけいじられキャラです。他にも寺の住職と小坊主、ヤクザの組長と気が利かない子分などが入り乱れてのわちゃわちゃした展開に、毎週死にそうになって読んでました。 忘れてましたが高橋留美子で有名になった「ちゅどーん」という爆発音は田村信が作ったんですよ。 あ、〈完全版〉を謳ってはいますが、未収録の話もあるそうです。長くなりました。ありがとうございました。 #ギャグ #マンガ #田村信
美術出版社 1600円+税オマハルゲ