みんなのコレクションが集まるミュージアム

Dsc03792

ブリキのおもちゃ博物館TIN's Cafe

取材日:2015年6月29日

記事:井本貴明

写真:齋藤創太

  • 「いい感じ」から始まった、ブリキおもちゃを集める生活とは?

    Dsc03557 好きな物について語る濱田さんは、とても楽しそうに見える

    「自分の好きな物に囲まれている生活は楽しいです!」
    ブリキのおもちゃ博物館TIN's Cafeの館長である濱田昌宏さんは、とても嬉しそうに語る。

    「保管できるスペースがもっとあれば、もっと集めたい。最近では、ブリキのおもちゃだけでなく、文房具、フィギュア、レコードなど、気になるジャンルが増えている。きっと、コレクターとしての終わりはないのでしょうね。」
    現在、ブリキのおもちゃ博物館では、ブリキのおもちゃをメインに、文房具、ミニカー、キーホルダー、珍しいコーラの瓶まで、様々な物が展示されている。その中心にあるのは、ブリキおもちゃである。

    濱田さんがブリおもちゃを集め始めたのは、近鉄百貨店で見つけた1個の中国製のブリキおもちゃがきっかけだった。
    「20年以上前の話です。近鉄百貨店で中国の物産展が開催されていたので、遊びに行ったら3種類のブリキのおもちゃが売っていました。1個380円と手頃だったので、試しに1個購入しました。家に帰ってサイドボードに置いてみると、とてもいい感じだった。
    後日、残りの2種類のブリキのおもちゃも購入しました。当時、家には古いねじまき式の時計があり、そこの横に3種類のブリキのおもちゃを並べると、さらにいい感じだった。古い物と古い物が隣り合うと、とてもいい雰囲気になった。もっと並べたいと思い、そこから僕のコレクターライフは始まりました。」
    濱田さんにとって、”いい感じ” は直感なのかも知れない。言葉で表現するのは難しい。しかし、コレクションを集める上で大切な感覚なのである。

  • 先見の明で買い集めた中国のブリキおもちゃ。今では、価値が高騰!

    Dsc03860 始めた買った中国製のブリキおもちゃ。20年前に380円で購入

    こうやって、濱田さんはブリキのおもちゃを集め始めたが、そこには大きな問題があった。
    「当時、日本にはブリキのおもちゃを集めているコレクターが既にたくさんいたので、日本製やアメリカ製のブリキおもちゃの価格が高騰していました。」
    そこで濱田さんは、中国のブリキおもちゃを積極的に買い集めることにした。比較的安い価格で購入ができ、将来的には価値が上がり集めるのが難しくなると思ったからだ。
    「20年前の中国の経済は今ほど発達していなかった。しかし、中国もいずれ経済が発展して人件費が上がり、ブリキおもちゃ作りが衰退していくと予想しました。日本のブリキおもちゃが辿ったように。先物買いではないですが、今のうちに集めておこうと考えました。」
    現在のようにインターネットが普及していない時代。中国のブリキおもちゃを個人輸入している会社を雑誌などで探し、手紙や電話でやり取りを続けた。

    並行して、日本製のブリキおもちゃも少しづつ買い続けた。しかし、それらはオリジナルではなく復刻版である。当時メタルハウスという会社が、昔のブリキおもちゃを復刻させて再販していた。
    「私にとっては、作られた年月が違うだけで、おもちゃとしての価値は一緒。再販でもおもちゃのコンセプトが一緒なので、私の中ではオリジナルも復刻版も一緒なのです。」

  • 伊賀まちかど博物館との出会いがもたらした、新しいブリキおもちゃの楽しみ方。

    Dsc03837 一つ一つのコレクションが綺麗に展示されている。カテゴリー毎に分かれているので、見やすい

    こうして集められたブリキおもちゃは相当の数になった。ショーケースに飾るうちに、ちょっとした博物館のようになってきたのである。そして、そのタイミングで「伊賀まちかど博物館」と出会う。
    新聞で偶然見かけた伊賀まちかど博物館の記事に共感して、濱田さんは代表の辻村さんに連絡をした。お互いの目的が一致し、伊賀まちかど博物館のメンバーになった濱田さんは、「街角ブリキのおもちゃ博物館 TIN's Cafe」の名前でコレクションの一般公開を始めた。

    一般公開を始めた当初は大変だったと語る。
    「始めの頃は、近所の子供が毎日ように遊びに来ました。おもちゃは、触って、動いてこそ価値があるので、自由に触れる形にしました。そうすると、たくさんのおもちゃが壊れました。子供は手加減を知らずに触ります。例えば、ネジを巻くおもちゃは、加減を考えずに限界を超えてネジを巻こうとします。その結果、ネジが壊れました。」
    他人から見れば、子供ならではの笑い話になるが、おもちゃの持ち主からすると大変な事態である。しかも、そのほとんどが買うことが出来ない、おもちゃである。

    伊賀まちかど博物館の知名度が上がるにつれて、日本中からブリキのおもちゃ好きな人が訪れるようになってきた。今では、遠方から来る来館者と、好きなブリキおもちゃの話をするのが楽しみだと濱田さんは言う。

  • しゃべるのが大好きな館長が運営している博物館は、楽しいに決まっている!

    Dsc03740 キーホルダーのコレクション。集めるカテゴリーが年々、増えていくと言う

    濱田さんは、ブリキおもちゃを展示するだけでなく、ボランティアに利用する事を思いつく。特別養護老人ホームに昔のブリキおもちゃを持って行き、手にとって遊んでもらうのだ。
    昔のおもちゃを手にしたお年寄りの方は、ワーワー、キャーキャーと言いながら、昔を懐かしんでブリキおもちゃを楽しんでくれるのだと言う。

    自分が集めてきたコレクションが、誰かに役に立つ。
    まさに、コレクターとして嬉しい瞬間である。

    冒頭にも述べたが、「自分の好きな物に囲まれている生活は楽しい」と話す濱田さん。
    そして、「同じ趣味の人と話すのも楽しいです」と付け加える。
    ブリキおもちゃに興味がある方は、ぜひ「ブリキおもちゃ博物館」に足を運んでいただきたい。そこでは、コレクションを眺めるだけではなく、濱田さんとの会話もセットで楽しめるはずである。

    *注意・・・ブリキおもちゃ博物館は事前予約が必要。

  • Dsc03880 鉄腕アトムのブリキおもちゃ。奥様の実家にある蔵の中から発見し、譲ってもらった思い出の品

  • Dsc03896 兵隊が銃を撃つように動く
    Dsc03899 特別養護老人ホームに持って行ったら、驚いたお年寄りが車椅子が反射的に立ち上がったというエピソードがある

  • Dsc03912 ブリキおもちゃは、表情が豊かで見ているだけで楽しくなる

  • Dsc03928

  • Dsc03477

  • Dsc03443 入り口には、昔のタバコ屋にあるショーケース。実際に使われていた物をオークションで購入

【住 所】伊賀市予野11135-19
【館長名】濱田昌宏
【電 話】0595-39-0558
【開館・予約】
毎月第1日曜 9:00~16:00 要予約(3日以上前)
【交 通】
名阪 白樫I.C.より車で5分。上野I.C.より車で7分
(伊賀市農村ふれあいセンター付近)
【URL】http://ict.easymayweb.jp/member/hamax/

<伊賀まちかど博物館の紹介ページ>
http://www.iga.ne.jp/~matikado-hakubutukan/kensaku/area_ueno5.html#46