みんなのコレクションが集まるミュージアム

Dsc04085

流(ながれ)工房 創作盆景

取材日:2015年6月29日

記事:井本貴明

写真:齋藤創太

  • 自然の風景を切り出す、創作盆景。30展の盆景に、30の風景がよみがえる

    Dsc04103 盆景作りの楽しさを語る、館長の山本さん

    「子供の頃から物を作るのが好きだった」
    流工房「創作盆景」の主人である山本敏明さんは、自身の子供時代を振り返る。
    時が経ち、手先が器用な山本さんは、盆栽で利用する植木鉢の中に、自然の風景を閉じ込めることを思いついた。
    「始めは、普通に植木鉢の中で植物を育てていました。そこに、ミニチュアの建物や橋を付け加えていたのです。しかし、本物の植物は成長して変化するので、管理をするのが大変だった。それならと、植物を取り除いたのが、今の創作盆景の形の始まりです。」

    現在では約30点ほどの創作盆景を、自宅の一室に展示して一般公開をしている。
    棚一面に置かれている創作盆景の数々を眺めると、何故か懐かしい気持ちになる。まるで、映画「ALWAYS 三丁目の夕日」に出てきそうな住宅や、街の風景が植木鉢の上に再現されているのだ。

  • 創作盆景を作る際のポリシーとは? 懐かしい風景を作るための3つの約束。

    Dsc04143 細部までこだわって作った茶室。実際の茶室のルールが散りばめられている

    山本さんが創作盆景を作る際には、いくつかのポリシーがある。
    1つ目は、庭を作ること。
    建物だけではなく、庭も一緒に作る。庭を作る事で、盆景に奥行きが生まれる。

    2つ目は、人物を入れないこと。
    盆景を見る人がいろいろと想像を出来るように、あえて人物は入れないと言う。あくまでも自然の風景が主役である。

    3つ目は、自分のイメージだけでは作らないこと。
    例えば、茶室の盆景があるが、これは本物の茶室のルールに従って作られている。お茶の世界では、茶室は人と人との距離を縮める役割があり、そのため茶室がだんだん小さくなっていき、基本的な考えとして4畳半の大きさが一般的に浸透している。そして、山本さんが作った茶室は、もちろん4畳半になっている。
    山本さんは茶室のルール、伝統を本で学び、盆景の風景に反映させている。

  • 自分だけの楽しみが、気づいたら他人の楽しみにもなっていた。

    Dsc04026 壁一面に盆景が並べられている

    趣味で始めた盆景は、自分だけの楽しみだった。
    とあるきっかけで、地元にある上野市の銀行に盆景を飾ることになった。その盆景が「伊賀まちかど博物館」の目に留まり、流工房「創作盆景」として一般公開をすることになった。
    伊賀まちかど博物館を通して、各地から盆景を見に来てくれるようになった。
    「今までは、自分で作って、自分で楽しんでいるだけだった。まちかど博物館に参加することで、いろいろな展示会で人に見てもらえる機会を与えてもらった。自分が好きで作った物を、他人が喜んでいる姿を見るのが楽しみですね。」
    今後も盆景コレクションは増える予定だと言う。

    最後に、読者の方にメッセージを頂いた。
    「自分の好きなことをやっているだけで、あまり深く考えたことはない。それでも、盆景を見てもらって、懐かしい風景に心を癒してもらえたらと思います」

    自分が好きな風景を植木鉢の中に表現する「創作盆景」。
    誰しもが、自分の好きな風景が心の中にあるはずだ。その風景を形にするのはどうだろうか。
    山本さんから創作盆景の作り方を教えてもらい、創作盆景を趣味にするのは良いアイデアだと思う。

  • Dsc04152 田舎にある民家の風景を盆景で再現

  • Dsc04167

  • Dsc04176 京都の料理屋にある奥まった庭を盆景で再現

  • Dsc04181

  • Dsc04037 盆景だけでなくマツボックリを使ったオブジェも作成している

  • Dsc04192 盆景を譲ってほしいとお願いされて、いくつかを譲渡している。その際のお礼状は今でも大切に保管をしている

【住 所】伊賀市緑ヶ丘中町1289-1
【館長名】山本敏明
【電 話】0595-23-0453(自宅 24-1784)
【開館・予約】土・日曜 要予約
【交 通】三交バス「緑ヶ丘東町」下車徒歩3分

<伊賀まちかど博物館の紹介ページ>
http://www.iga.ne.jp/~matikado-hakubutukan/kensaku/area_ueno4.html#36