プラーク(記念盾)「第3カービン銃騎兵(プリンス・オブ・ウェールズ近衛竜騎兵)連隊』(3rd Carabiniers (Prince of Wales's Dragoon Guards))
伝統ある部隊には、たいていこうした「プラーク」(記念盾)が存在します。
こちらは、戦後にスコッツ・グレイ連隊と統合し、現在の「王立スコッツ近衛竜騎兵連隊」(スコッツグレイ)の母体の一つとなった『第3カービン銃騎兵(プリンス・オブ・ウェールズ近衛竜騎兵)連隊』(3rd Carabiniers (Prince of Wales's Dragoon Guards))のプラークです。
スコットランドのエジンバラにある、スコッツ・グレイ・ミュージアムのミュージアム・ショップより通販で入手しました。
※2枚目の写真の戦車については解説の最後にて…
スコッツグレイと統合前のこの名前の時代はまだスコットランドの部隊ではないので、このコレクションルームの趣旨と合わないはずですが、後にそうなるのでヨシとして下さいm(_ _)m
さて、同連隊の正式名称の中に「Prince of Wales」が入りますが、プリンス・オブ・ウェールズとは英国皇太子殿下のこと。現在のチャールズ皇太子殿下の称号もプリンス・オブ・ウェールズです。
記章の中央に誇らしげに飾られている羽飾りが皇太子殿下の紋章です。ちなみに皇太子殿下の御用達マークにもこれが付いています。
その下の青いところの『Ich Dien』というのはラテン語でしょうか?これはこの部隊のモットーかと思いきや、皇太子殿の紋章そのものにも書いてあります。英語にすると『I serve』だそうですが、『私は(この身を)捧げます』とでも訳せば良いのでしょうか…?(国に捧げます…という意味なんですかね?)
その背後に小銃が2丁クロスして描かれていますが、これが部隊の名称の由来の”カービン銃”(騎兵銃)、カラビニエ(Carabinier)とは、カービン銃騎兵(剣や槍ではなく、騎兵用の少し短いライフル銃をメインの武器に持つ騎兵)のことを言います。
…ちなみに、騎兵には様々な種類がありまして、槍(ランス)を主力の武器に持つ槍騎兵(そうきへい)のことはランサーと言います。胸甲を付けた竜騎兵(重騎兵)がドラグーン、逆に機動性を持った軽騎兵はハッサーズまたはユサールと呼ばれます。
さて、この名称(第3カラビニエ)になったのはWW1後の再編による1922年のことですが、元をたどると、いずれも1685年に創設された「第3近衛竜騎兵(プリンス・オブ・ウェールズ)連隊」(3rd Dragoon Guards (Prince of Wales's) )と「カービン銃騎兵(第6近衛竜騎兵)連隊」(Carabiniers (6th Dragoon Guards))が統合されて編成された、たいへん歴史の長い部隊の1つです。
WW2の前に機械化された後、インド方面部隊の第254インド戦車旅団に組み込まれ、1944年のインパール戦線にてビルマ山中のジャングルの中で日本軍と死闘を繰り広げました。
当時の記録写真でも、ビルマ山中における同連隊の泥まみれのM3リー戦車の姿を見ることができます。
2枚目の写真の作りかけの戦車、スコッツグレイの歴史の一部として、タミヤ製の1/35スケールのM3リー戦車の模型をベースに同連隊の戦車を作りかけているのですが、、、放ったらかしで10年過ぎても完成してません…反省…。
スコッツグレイミュージアム
T. S