Dortmunder Stifts Pils ( Märklin / HO )

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ビール貨車「Dortmunder Stifts Pils」(ドルトムンダー・シュティフツ・ピルスナー)、最初はシュティフツが醸造所名かと思い「S」で分類しかけましたが、調べたら「Dortmunder Stifts Brauerei」(ドルトムンダー・シュティフツ醸造会社)という社名でしたので「D」に分類しました。

同社の製品、シュティフツ・ピルスナーの広告貨車です。
「シュティフツ」とはドイツ語でペンとか鉛筆という訳が一般的ですが、修道院(Abbey)という意味もあるようで、下記の通り修道院をルーツにする「ドルトムンダー修道院醸造所」という社名です。

ドイツ西部、ベルギーとオランダに国境を接するノルトライン=ヴェストファーレン州。州都はデュッセルドルフですが、第2の都市ケルンに次ぐ3番目の大都市がドルトムント市(ドイツ全土でも9番目の大都市)、「ドルトムンダー・シュティフツ醸造会社」はその名の通り、ドルトムント市にあったビール製造会社です。同市のヘルデ地区にかつてありました。

このヘルデの町での最初のビールは、クラレンベルク修道院の修道女によって醸造されたと言われており、その修道院の跡地に起業家のエドゥアルト・フランツェンが1867年にビール醸造所を建設したのがこの醸造所の起源です。

1871年、フランツェンは普仏戦争で戦死、彼の兄弟ルートヴィヒ・フランツェンが醸造所を引き継ぎ、1903年にはワレーブ醸造所と合併するなど会社は順調に発展していきました。
2度の大戦にも生き残りますが、1970年台、創業家の株式はエッセンのスターン醸造会社が買い取り、その後に英国のビール会社「ワトニー社」(Whatney-Man)に売却されますが、1987年にはドイツの大手クローネン社が買い戻すなど、波乱の時期を経て、最終的にシュティフツ醸造所の生産施設は2020年に全て取り壊され、現存しません。

ただし、シュティフツ・ピルスナーなどStifts醸造所のビールブランドは、まだドルトムント醸造会社(いわゆるDAB)によって醸造され市場に送り出されてるそうで、ドイツに行けばまだ飲めるようですね。

模型はメルクリンの標準HO冷蔵貨車、屋根上のベンチレーターは左千鳥です。
西ドイツ時代の製品です。

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