WULLE ( Märklin / H0 )

0

ドイツ南西部、現在のバーデン・ヴュルテンベルグ州の州都、シュトゥットガルトにあった醸造会社が「ウーレ」(Wulle)醸造所でした。
創業は1859年、地元出身ののエルンスト・ウーレにより設立されました。

この地域は、当時はまだヴュルテンベルグ王国の領域内で、王国は1871年にドイツ帝国に編入され、1918年のドイツ革命まで存続していました。
このビール貨車も、ヴュルテンベルグ王国鉄道時代の車両を再現したモデルです。

1896年、この貨車の側面にも書いてあるように公開有限会社(Aktien)となり、近隣の醸造所を次々に買収して会社はヴュルテンベルグ公国内で順調に発展していきました。
第2次大戦時はナチス政府の下でドイツ国防軍向けのビールの生産などを行い、連合国による空襲の被害なども受けますが壊滅的な被害を受けることなく無事に大戦を乗り切ります。

1971年、ウーレ醸造会社としての経営は終わり、ディンケル・アッカー醸造会社の傘下に入りウーレのブランドが継続されましたが、同社の下で徐々にウーレ・ビールの生産は終了し、いったん市場からその姿を消しました。

1988年、ビール生産はしない不動産管理の会社として同じグループのクラス醸造会社(CLUSS)とウーレが合併、Cluss-Wulle AG社が設立されて久方ぶりにウーレの名前が社会に登場しますが、ウーレ・ビールの復活は多くの人々から望まれており、2008年、ついにディンケル・アッカー社がウーレのブランド名でのビール生産を再開、現在でもピルスナーなどのビールが製品として売られています。(https://www.wulle-bier.de/main.php

模型はドイツ・メルクリン社製の2軸貨車、上記にもあるように、ヴュルテンベルグ王国鉄道時代の木造貨車を再現したモデルです。製品No.4678
Made in Western Germanyの西ドイツ時代のモデルで、メルクリン社の1986/87年版のカタログに掲載されている製品です。

側面の左下側、小さい字で「HEIMATSTATION : STUTTGART Wurttemberg」とあるのは、この貨車の留置駅がシュトゥットガルト駅であることを示しています。

もともとスポーク式の美しい車輪が付いているのですが、AC仕様からDC仕様に換えないといけませんので、味気ないプレート車輪に交換しました。スポーク式の車輪のパーツは高いのですが、いつか入手してスポーク式のDC仕様にしたいと思います。

Default
  • File

    toysoldier

    2021/02/24

    ヴュルテンベルグ王国とは、だいぶツウ好みなテーマですね(^o^)

    一度消えてからもふたたび復活するというのは、長い歴史を持つ会社故のエピソードですね。深イイ話です(_ _)

    貨車自体もお洒落なロゴですね~♪

    返信する
    • File

      T. S

      2021/02/24

      そうなんです、ドイツ国鉄の車両じゃないところがマニアックでして。
      これも1986年頃の模型なんですが、その頃は影も形も無くなっていた時代ですが、復活を望む声が大きかったそうなので、その影響もあり模型の世界でモデル化されたのかもしれませんね。

      返信する
  • File

    T. S

    2022/05/19

    見付けちゃったんです、これの「Gゲージ」、LGBの巨大な貨車…。
    西の方のある店に売ってました、、、でも新品でイチマンハッセンエンもするので、もう少し安い出物が出るのを待つことに、、、我ながら珍しく賢明な判断(笑)

    File
    返信する