未完成メタルフィギュア “The Black Watch”(ブラック・ウォッチ連隊)ドラム・メイジャー(指揮者)1984年

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54mm Squadron Range/ British Army Present Day
SQN54 001
Drum Major, The Black Watch 1984
Kit £13.45
(未完成メタルフィギュアキット/在庫管理のために仮掲載/3枚目の写真はメーカーの完成見本写真)

ロンドンのメタルフィギュアショップ“The Tradition of London”が扱う「54mmスコードロン・レンジ」シリーズのうち、「英軍・現代」編より『ブラック・ウォッチ連隊・ドラム・メイジャー(指揮者)』キットです。
マーチングバンドの先頭を歩く指揮者の事を“ドラム・メジャー”といいます。

このフィギュアが着用しているスカート(キルト)の柄が、有名なブラック・ウォッチ連隊のシンボルである「ブラック・ウォッチ」柄、さらに熊毛の帽子の左側の赤い羽根飾り(Red Huckle)が歴史ある“ブラックウォッチ”のシンボルなのです。

【部隊解説】
“ブラックウォッチ”の由来は、紺色系のキルトが遠くから見ると黒っぽく見えたこと、ウォッチは“見張り(監視兵)”です。

英陸軍でも長い歴史を持つ部隊のひとつで、起源は1710年台にジャコバイトの乱に備えるためにイングランドがスコットランドで監視兵(watch)を募兵したのが最初でした。

その後にハイランド連隊として部隊は拡大された後、1748年に第43連隊として編成、その後、第42連隊に改称され、アメリカ独立戦争からナポレオン戦争、クリミア戦争など、著名な戦役に参戦しています。
なかでも、ナポレオン戦争時、ウォータールーの戦いの前哨戦である“キャトル・ブラの戦い”における活躍が有名です。

1881年、第42(ロイヤル・ハイランド)ブラックウォッチ歩兵連隊(42nd (Royal Highland) Regiment of Foot (The Black Watch))は、第73パースシャー歩兵連隊(73rd (Perthshire) Regiment of Foot)と統合され、『ブラックウォッチ(ロイヤル・ハイランダーズ)連隊』となり(元第42連隊が第1大隊に、元第73連隊が第2大隊に)、エジプト戦役やボーア戦争、そして第1次世界大戦に従軍、1931年に『ブラックウォッチ(ロイヤル・ハイランド連隊)』(The Black Watch (Royal Highland Regiment))に名称が変わり、第2次大戦を戦い抜きます。

ダンケルク撤退、北アフリカ、シシリー島、ノルマンディ、バルジの戦い、イタリア戦線等…ほぼ全ての主要な戦いに関わっています。

戦後も、朝鮮戦争に従軍、20世紀末には香港返還に際し、最後に香港から撤退したイギリス軍部隊がこのブラックウォッチ連隊でした。

イラク戦争に従軍した後、イギリス陸軍の再々編のなかで、2006年、スコットランドの他の5つの連隊(ロイヤル・スコッツ連隊、キングス・オウン・スコティッシュ・ボーダラーズ連隊、ロイヤル・ハイランド・フュージリアーズ連隊、ハイランダーズ連隊、アーガイル・アンド・サザーランド・ハイランダーズ連隊)と大統合し、現在の『王立スコットランド連隊』(Royal Regiment of Scotland)を構成、ブラックウォッチはその第3大隊(軽歩兵大隊編成)としてその名を残して現在に至ります。(近年では、アフガニスタンのタリバン討伐に参戦)

スコットランドの歩兵部隊は、よく“ハイランド連隊”と単純に呼ばれることも多いのですが、実は以上のように度重なる統合を経ており、なかなか複雑で難しいのです…。

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