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ノベルティコップ「カブトビール」2
先に紹介したカブトビールのノベルティーコップとは別デザインになるもの。カブトビールは広告・販促物に力を入れておりノベルティーコップにも多くの種類がある。そういった広告戦略と明治33年のパリ万国博覧会での金牌受賞が功を奏し、戦前の有力ビール銘柄に成長した。 近年、半田市ではカブトビールの半田工場があった建物を「半田赤レンガ建物」として保存活用し街づくりを行っている。その一つの取り組みとしてカブトビールの復刻醸造があり、半田赤レンガ建物などで販売を行っている。重厚で甘みの残る味であったとされるカブトビールがいかなるものか、いつかは半田に出向き当時の味を楽しみたいと考えている。 半田赤レンガ建物のHPを見ると、このコップと同じデザインの復刻版が300個限定で販売されているようである。機会があればこちらも購入して愉しみたいものである。
大正 日本M.S
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ノベルティコップ「金線サイダー・金線ポート」
こちらも金線サイダーのノベルティーコップであるが、最初に紹介した金線サイダー単体銘のコップと違い、「芳香馥郁風味佳良」の文字があった部分に「金線ポート」の商品名を入れている。 金線サイダー単体銘のものと同様に傾斜したロゴを継承している点で、単体銘のコップと金線メロン銘のコップの間をつなぐものではないかと推測している。 金線ポートという商品の発売年は定かでないが、いずれにせよ昭和8年に大日本麦酒鉱泉株式会社に統合される以前のものである。 このコップは薄手で気泡が目立ち、古いガラスの風格を備えている。
大正 日本M.S
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赤暈しウランガラス花縁コンポート
全体を黄色のウランガラスで作り、口縁は赤で暈しを入れている。 非常に華やかなコンポートで、素地のウランガラスは窓際に置くと太陽光でも淡く発光する。 口縁部とフットに5ミリほどの欠けが見受けられ、完品であればと悔やまれる。 口縁部に見られる鮮やかなピンク色の暈しは金コロイドによる発色で『金赤(きんあか)』とされるが、その製法は難しいようだ。 同じピンクからオレンジがかった赤に発色するセレンを使用したガラスは生産性に優れ、安価であることを考えると、コンポートや氷コップ等の量産品にはセレン赤が一般的であり、特注の一点物に金赤が使われたと考える方が、自然のように思える。 これらの赤が金赤か、セレン赤かについては諸説あり断定が困難であるが、十中八九セレンではないかと考えている。【2020.6.23追記】
大正 日本M.S