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貝殻標本 ハスノハカシパン(Sand dollar)
学名:Scaphechinus mirabilis(A. Agassiz, 1863) 採集地:千葉県、館山市、沖ノ島 ウニの中でもやや五角形で平べったい形をしたカシパン類と呼ばれる種類の1つ。日本の北海道南から九州、朝鮮半島の浅瀬に生息する。 普通のウニの口が下部中心に、肛門や生殖孔が上部の真ん中に有るのに対して、カシパンの口と生殖孔の位置は変わらないものの、肛門は体の後方、側面付近に有る。 ハスノハカシパンの名前の由来は体の下部にある模様が蓮の葉に似ているためである。 見た目が似ているものでハイイロハスノハカシパンがおり、こちらは肛門が上面寄りに存在するため最初はこちらと迷ったが、ハイイロハスノハカシパンの生息域は東北北部から北海道にかけてと採集地と被らないことと、まだ小さくて若いハスノハカシパンの個体だと肛門がやや上面寄りになる…らしい、のでハイイロの方ではないと判断した。 2021年4月末、千葉県、沖ノ島の砂浜にて採集。
貝殻 2021年4月 棘皮動物門 ウニ綱たじ
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貝殻標本 ムラサキウニ(Purple sea urchin)
和名:紫海胆 学名:Heliocidaris crassispina (A. Agassiz, 1863) 採集地:千葉県、館山市、沖ノ島 ウニを想像するとまず思い浮かぶ黒く長い棘を持った種。クロウニとも呼ばれ、日本では生殖嚢が食用になる。 日本海側は青森県以南、太平洋側では茨城県以南から中国南東部沿岸や台湾までの潮間帯から浅海の岩礁等に生息する。 海藻類を好んで食べるため、養殖昆布の食害が起こることもある。寿命は9年程らしい。 2021年4月末、千葉県、沖ノ島の砂浜で採集。
貝殻 2021年4月 棘皮動物門 ウニ綱たじ
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貝殻標本 コモンダカラ(Gnawed Cowry)
和名:小紋宝貝 学名:Naria erosa(Linnaeus, 1758) 採集地:千葉県、館山市、沖ノ島 4月8日は 四+八=貝 ということで貝の日らしい。ということで漢字の「貝」の字の元になり、世界各地で古代の通貨としても用いられたタカラガイを投稿。 生前の姿はカタツムリに近く、外套膜で包まれたこの貝殻を背負って浅瀬の底を這っている。 本標本のコモンダカラは殻の背面に白色と褐色の小さい紋が多数ある。オミナエシダカラと似ているが、コモンダカラは殻の側面に褐色で四角い大きい斑点が1個ある。また、開口部左右に14~16本の歯があって、褐色斑点の無い側の歯は側面まで達する。 房総半島以南から西太平洋、インド洋の潮間帯の岩礁に生息する。 2019年夏に千葉県館山市のJR館山駅から自転車で15分程漕いだところにあるビーチコーミングで有名な沖ノ島で採集。表面が削れて紫色の地が出てしまっているものが多かった中で本標本は比較的状態がマシであったものである。
貝殻 2019年 軟体動物門 腹足綱たじ
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鉱物標本 レッドジャスパー自主採集/研磨品(Red Jasper)
別名:赤碧玉 採集地:千葉県、稲毛海岸 レッドジャスパーと記載したが、人によってはチャートと判断する方もいるはず。 ジャスパーもチャートも主成分は共にSiO2、更に色が赤ならば基本的にはどちらも酸化鉄(赤色)や水酸化鉄(褐色)に由来のため、化学組成だけならば実質同じである。 その違いは成因で、レッドジャスパーが酸化鉄を含む地層の隙間にケイ酸分が浸透充填して生じた玉髄(潜晶質石英)の一種であるのに対して、赤チャートはフズリナ等のケイ質殻を持つプランクトンの死骸が含水酸化鉄と共に堆積して出来た堆積岩の一種である。そのため両者のの性質性状には若干異なる傾向が現れるが、実際のところ鉱物としての明確な境界は無い。 本鉱の場合は ・研磨は比較的容易(チャートだと火打石として用いられる程硬くて磨くのが大変)。 ・脈は多め。色は無色透明が主で、堆積性よりも浸透性の印象。 ・採集場所で瑪瑙も拾える。 等の特徴から判断してレッドジャスパー寄りに推測してる。 レッドジャスパー自体は古くから世界中で御守りとして用いられており、13世紀のドイツの神学者Albertus Magnus(大聖アルベルト)も自身の著書である『鉱物書』にて「太陽のエネルギーと共鳴することで大きな保護力を与えるクリスタル」と記しており、現在でもパワーストーンとして「身心の安定性を保つ」等の効果で紹介される。国内の産地としては新潟県佐渡地方で採れる「赤玉石」が有名。 本鉱は2019年に千葉県稲毛海岸にて拾ったもの。稲毛海岸は検見川浜から幕張海岸にかけて東京駅から電車で一時間もかからないビーチコーミングスポットである。今回のジャスパーや瑪瑙の他に貝化石なども打ち上げられるため、拾う事が出来る。
鉱物標本 6.5~7 ガラス光沢,、蝋光沢,、脂肪光沢,、絹糸光沢、無光沢たじ