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オパール (プレシャス)
このプレシャスオパールの原石もスロバキア産です。講演で呼ばれてスロバキアに行った際、帰国時に向こうの鉱山学部の先生が、お土産でこの原石(他にも数種類のスロバキアの鉱物と一緒に)をくれました(普段恵まれていませんから、偶にはこんな良い事があっても良いのではないでしょうかね…)。流石に購入した物よりは少し小振りですが、それでも非常に美しい遊色が、母岩表面から出ており、とても綺麗な原石です。
2019年 Precious Opal Dubnik, Červenica, Slovakialuhna-009
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ドラバイト(Tourmaline: Dravite)
Liの入るリチア電気石さんは、非常に綺麗な宝石として人気もあるのですが、同じトルマリンでもMgが入る苦土電気石(ドラバイト)さんは、あまり綺麗ではなく宝飾品としては…な残念なトルマリンだったりします。とはいえ、個人的にはこのくすんだ茶色のような色も悪くないのでは…と思ってしまう私は、やはりコレクターなのかもしれません。ドラバイトとほぼ同じような成分でも、Feが多いショールと呼ばれる鉄電気石さんは真っ黒な石という事で、こちらもそれなりに人気がある石なのですけどね…。 このドラバイトさんはスリランカ産で、重さが1.923 ctのスクエアカットの石です。
Dravite Tourmaline 10.9 x 5.5 x 3.8 mm Srilankaluhna-009
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ガーネット(Garnet, Grossularite; Tsavorite)
ガーネットをコレクションしているコレクターとして?、やはりこのガーネットは外せません。グロッシュラーガーネットの中でも濃厚な緑色をしたツァボライトと呼ばれるガーネットです(ヘソナイトと同じグロッシュラーガーネットなのですが、色が全く違います)。ウグランダイト系のガーネットでは、緑系のガーネットが結構ありますが、これだけ濃厚な緑のガーネットとなりますと、やはりツァボライトになるのではないでしょうか。もう一つの有名な緑色のガーネットとして、アンドラダイトガーネットの中でも特殊なデマントイドガーネットがありますが、あちらはクロムだけで発色している事に対して、こちらはクロムとバナジウムで発色しているため、緑の濃さとしてはこちらに軍配が上がると思います。流石にこの辺りの有名ガーネットになりますと、希少価値も出てきますので結構お値段も…なのですが、やはりコレクターとして一つは欲しい石だったりします。 このツァボライトガーネットはタンザニア産で、重さが0.236 ctのマーキーズカットの石です。
Garnet (Grossularite; Tsavorite) 3.1 x 5.8 mm Tanzanialuhna-009
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ガーネット(Garnet, Grossularite; Hessonite)
このガーネットは、ウグランダイト系のグロッシュラーガーネットの中で、オレンジ色系のヘソナイトガーネットと呼ばれる宝石です。グロッシュラーガーネットと言うと、通常のグリーンガーネットや、濃厚な緑色をしたツァボライトガーネットが有名ですが、実はオレンジ色系の石もありまして…それがこの、ヘソナイトガーネットになります。とはいえ、一般的な宝石としてはメジャーではなく、あくまでもコレクター(石マニア様)用の宝石でして…はぃ、どうせ趣味ですよ、趣味! このヘソナイトガーネットのコレクションは一般的なカット石ではなく、カボション・カットと言われる、表面を山形に整えて研磨のみをしています。そのため輝いている…という石ではなく、この鉱物独特の色合いが楽しめるように…はぃ、どうせ趣味ですよ、趣味!この石はカナダ産で、重さが1.450 ctの蜂蜜色のガーネットです。
Garnet (Grossularite; Hessonite) 5.0 x 6.9 mm Canadaluhna-009
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ガーネット(Garnet, Mali)
このガーネットはウグランダイト系のグロッシュラーガーネットとアンドラダイトガーネットの中間的な成分を持つガーネットで、通称「マリ・ガーネット」と呼ばれています。色合いは、このような少し濃い黄色から黄緑色まで色々ありますが、このカット石は少し濃い黄色のタイプです。このマリ・ガーネットもそうですが、ガーネットは基本となる6種類以外に、いろいろな中間的成分の物があり、それぞれが非常に特徴があって面白いので、私はガーネットという宝石はとても好きだったりします。 このMali(マリ)ガーネットは、マリ産(笑)で、重さが0.800 ctのオーバルカットの石です。
Gatnet (Mali) [Andradite + Grossular] 5.8 x 5.0 mm Republic of Maliluhna-009
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ガーネット(Garnet, Spessartine)
宝石のガーネットは、基本的にアルミニウム系のパイラルスパイトと、カルシウム系のウグランダイトに分けられます。そしてパイラルスパイト系にはパイロープガーネット、アルマンディンガーネット、スペサルティンガーネットが分類され、これらは赤系のガーネットが多いです。これに対してウグランダイト系には、ウバロバイトガーネット、グロッシュラーガーネット、アンドラダイトガーネットが分類され、緑系のガーネットが多いです。さらにこれらの中間に…のような感じで、実はガーネットには色々な種類と色がありまして、とても面白い宝石だったりします。 今回公開するのは、六種類の基本的なガーネットの一つSpessartine(スペサルティン)ガーネットです。ブラジル産で、重さが丁度1.00 ctのオーバルカットの石で、非常に綺麗なオレンジ色のガーネットです。
Garnet (Spessartine) 5.0 x 5.5 mm Brazilluhna-009
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バビントン石
小さいため見辛いかもしれませんが、黒い立方体の結晶がバビントン石です。黒曜石のように光沢があるため非常に綺麗なのですが、いかんせん小さいのが…。とはいえ、これは国産のバビントン石でして結構気に入っています。カルシウム、マンガン、鉄を含むケイ酸塩鉱物です。
2007年頃 Babingtonite 北浦、島根県八束群美保関町luhna-009
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ラブラドル長石(ラブラドライト)
一応ラブラドル長石として紹介しますが、正しく斜長石の一種になります。とはいえ、宝石のような形でも使用される鉱物で、光を当てた際に綺麗な輝きを見せるため、非常に目を楽しませてくれます。そのため私自身も、この鉱物については、あまり深く考えずに美しさだけを楽しませてもらっています。なんとかそれなりの写真が撮影出来ましたので、是非みなさんも楽しんでください。たしか仕事でカナダ行った際に、その美しさに一目ぼれして購入してしまった一品です。
2013年頃 Labradorite Canadaluhna-009
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ウルツ鉱
この鉱物は、見た目はあまり面白くないかもしれませんが、ウルツ鉱と言われる硫化亜鉛の鉱物です。硫化亜鉛には、結晶構造が全く異なる閃亜鉛鉱と呼ばれる鉱物もありますが(こちらは立方晶系の閃亜鉛鉱型構造)、ウルツ鉱は同じ硫化亜鉛なのですが六方晶系の鉱物(ウルツ鉱型構造)です。一般的には、こちらの方が高温で安定な構造を採ると言われている鉱物でして、結晶屋からすると一応手元に置いておきたい鉱物標本だったりします。ちなみに三枚目の写真に写っている少し光沢がある部分、この部分はひょっとしたら閃亜鉛鉱になっている部分かもしれません(形状と光沢を見るとおそらく正しいと思いますが、XRDを測定していないため断言出来ません)。
2001年頃 Wurtzite Mina San Francisco, Poopo, Bolivialuhna-009
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鋼玉(コランダム:ルビー(紅玉))
モース硬度9ですから、ダイヤモンドに次ぐ硬さを持つアルミナの単結晶。そしてその中でもCr3+が固溶し赤く発色した物が、ルビーです。これ以外の色のコランダムは全てサファイヤになります。赤いスピネルとよく似ていますが、こちらはこの鉱物標本でも分かるように六角形形状の結晶のため、鉱物の状態ですと比較的見分けやすいです(六角形がしっかり出ていない鉱物も多いので、油断は禁物ですが…)。この鉱物標本、透明感はあまりないのですが、形状がコランダムの特徴をしっかり反映いるため、私は個人的にとても好きです。
2005年頃 Corundum (Ruby) Khit Ostrov, Karelia, Russialuhna-009
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キノ石
キノ石はケイ酸塩鉱物なのですが、化学組成としてCaとCuを含む非常に綺麗な青い鉱物です。アップの写真も掲載していますが、透明で光沢のある鉱物は魚眼石、そして青い光沢のない鉱物がキノ石になります。おそらくキノ石だけでは、これ程綺麗に見えないと思いますが、魚眼石が上手にキノ石を綺麗に見せているな…と思うと、なかなか面白い鉱物標本のような…。
2017年頃 Kinoite Christmas mine, Gila Co., Arizona, USAluhna-009
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チャロ石
これは既に研磨済みのコレクションなのですが、チャロ石と呼ばれる光沢+紫色の非常に綺麗なケイ酸塩鉱物です。側面の写真も掲載していますが、側面は研磨していませんので、これがこの鉱物の元々の色合いになります(実は研磨していなくても光沢があるので、結構綺麗です)。ここまで鮮やかな紫色の石というのは珍しいので、結構お気に入りのコレクションです。
2006年頃 Charoite Murun Massif, Aldan, Yakutia, Russialuhna-009
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菱マンガン鉱
菱マンガン鉱は、日本でも幾つかの鉱山跡で採取可能な鉱物なのですが、ここまでの大きさの鉱物標本は中々採取する事が出来ません。一応、岐阜県の平岩鉱山跡でも採取可能なようですが、私が行った時は採取出来ずに悔しい思いをしました。この標本はペルー産の物ですが、非常に綺麗な赤い結晶です。
2014年頃 Rhodochrosite Uchucchacua, Oyon Province, Lima Department, Peruluhna-009
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モリブデン鉛鉱(ウルフェナイト)
オレンジ色でとても綺麗な結晶のため、私が好きな鉱物標本のモリブデン鉛鉱です。小さい結晶が母岩に張り付くように付いている様子がとても良く、時々コレクションケースから取り出し観察しています。これも一目ぼれで、思わずミネラル展で購入してしまいましたが、後悔はしていません(笑)。
2004年頃 Wulfenite Kowichi mine maricopa, Aizona, USAluhna-009
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エトリング石
小さめの黄色いエトリング石の標本です。鉱物は構成元素により密度が大きく異なるため、見かけが大きくても、実際に持ってみると非常に軽い結晶がありますが、これもその一つ。構成成分がCaとAlの硫酸塩のため、軽い結晶に分類されます。(もっとも、このエトリング石の標本は小さいため、見た目も軽そうなのですが…。)。この特徴的な色合いから、小さい標本ですが結構存在感がある一品です。
2002年頃 Ettringite N'Chwaning mine, Kalahari, Cape Prov., South Africaluhna-009