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V. A. “Oz Echoes: DIY Cassettes & Archives 1980-1989”
これは珍しいです!1980年代の豪州地下音楽のコンピです。確かに、豪州と言えば、The Birthday PartyやSPKなんかが出てきてはいますが、1980年代の豪州の更に個人的な音楽なんて聴いたことがないです。なので、完全なるジャケ買いみたいなものですし、勿論、知っているバンドやアーティストはいません。なので、各曲を紹介していきたいと思います。 A1 Height/Dismay “Mother's Footsteps”は、Drusilla JohnsonとPatrick Gibsonのデュオで、この曲を含むEPをM Squaredからリリース予定でしたが、当時は、プレスの問題で少数部のみリリースされただけとか(後にちゃんと発売されています)。マーチング・ドラムとディレイの掛かった女性ヴォイス、それにエレピのコードと単純なベースから成る曲で、中々面白いです。 A2 The Frenzied Bricks “Vicious Circle”は、Chris Merchant (TR-808 programming, B, Kbd), David McCarthy (B, Vo)がオリジナルメンバーで、時にDave Warren (Casio Kbd, G)も加わることもあったようです。スラップ奏法もこなすBと男性Voがそれなりに野太く、ストリングス・シンセがバックを支えており、途中のシンセソロも面白いです。 A3 Modern Jazz “Zoom Dub”は、Ash Wednesdayが呼びかけて、電子音をベースにしたライブ・パフォーマンス集団で、1980年代中期に活発だったとのこと。メンバーはAsh Wednesday (Vo, Drum Machine, Mix), Lyn Gordon (Synth), Andrew Park (Tape, Effects)の他、Ruthven Martinus, Steve Williams, Warwick Marksも加わっていたとか。テープ音から始まり、力強いドラムマシンが一本筋を通し、そこに、聴き取りにくい男性Voが乗っかる形態です。勿論、シーケンスもあります。 A4 Mr Knott “Poor Galileo (He Has Gone Mad)”は、Patrick GibsonとGordon Renoufのデュオで、1984年に結成され、M Squared スタジオで、自a作電子楽器などを作っていましだ。この曲では、Mary Quinn (Vo), Lindsay O’Meara (Vo), Dermot Browne (B)もゲスト参加しています。2人の女性ウィスパーVoが力強いビートの上に乗っかっています。この曲はシンセウェーブと言うよりニューウェーブな曲ですね。ちょっとファンキーはベースとかも普通に使っていますし、テープ音なんかも使っており、ちょっとインダストリアルな要素もあるのかな? A5 Aeroplane Footsteps “Arabia”はJandy RainbowとSimon Edhouseによって、1981年に結成されたデュオで、Grapevineスタジオや5MMMでのセッションの為、多数の持ち曲がありましたが、1983年には解散しています。その後、Rainbowは、サイバーパンク・バンドDonno Detti に加入しています。ドラムマシンのビートの上に、掠れた女性Voやシンセソロが乗っている、ちょっと不思議な曲。ただそれ程「アラビア」を感じないです。 では、B面に移ります。B1 Shanghai Au Go-Go “I Cried All Winter”は、Chris ‘Eddie’ Mort (Synth, Drum Machine, Vo), Karen Harborow (Synth, B), Meilindah Ronalds (Vo)のメルボルンのシンセウェーブ・トリオで、この曲は1983年のデモテープから取られています。彼等は豪州におけるEBMやインダストリアルやハイ・エナジーのパイオニアでもあったそうです。確かにRonaldsの力強い女性Voはシンセウェーヴと言うよりもニューウェーブに有りそうで、シンセ奏者の2人も中々ポップかつキャッチーな旋律とリズムを聴かせてくれます。 B2 Matt Mawson “Open The Goddam Door”は、1980年代のメールミュージックの先駆者で、Irena Luckus, John Willsteed, Tery Murphy, Tim Grunchyが関係していたようです。この曲はミニマルな展開で、聴こえそうで聴こえない呻き声のようなVoや不思議な旋律のメロディも秀逸です。 B3 The Horse He's Sick “Terminal Rebound”は、Ian Andrewsのソロユニットで、TR-808とTom Errardのスタジオで作った音楽活動以外にも、映像や彫刻、インスタレーション、コラージュ、詩作等もやり始めており、歯磨き粉のTVのビデオクリップも手掛けていたそうです。後に、ダンスバンドDisco StuやHypnoblob, Non Bossy Posseにも参加しています。この曲には、テープ音が微かに聴こえると言う1980年代の宅録っぽい雰囲気がありますね。終わり方も最高です。 B4 Wrong Kind Of Stone Age “Ravi Dubbi”は、1983年〜1991年に活動していたSydneyのポスト・パンク・バンドで、メンバーはGavin Williams (G), Miriam Williamson (Vo), Geoff Nolan (B), Craig McLeod (Drs)で、WilliamsとWilliamsonがコアメンバーで、後期になると、中近東風のトライバル・ミュージックになり、その時には、コアメンバーに、Bryce Cannon (Perc), Andy Rantzen (Kbd), Drew Mayson (G)を加えた編成で演奏していたらしいです。これは、気怠い単調なベースラインが特徴的な曲で、Voも語りの様にボツボツと聴こえますし、パーカッションやシンセ(?)の物憂げな旋律も良い雰囲気です。 B5 Les Trois Etrangers “Luna”は、Jandy Rainbowが、Roland SH-09シンセ、ミニCasio、ミキサー、ディレイとDrum Machineを購入した3ヶ月で始まっており、1980年にライブデビューしています。当時はトリオで、毎週金曜日に演奏していたらしいです。この曲に関しては、彼女の若気の至りのようなミニマルな展開に、他の2人は余り良く思っていなかったようです。これは、GとBが淡々とミニマルに弾いている横で、スペーシーなシンセの効果音と女性のウィスパーVoが乗っかってくると言うヒプノティックな曲です。 A面はどちらかと言うとシンセウェーブのような宅録ものが中心で、B面はよりパンド・サウンドだったり、宅録であってもちょっと実験的であったりする曲を集めたのかなあと言う印象です。しかしながら、これまで、全然知られていなかったOz地下音楽の層の厚さを、このアルバムで触れることが出来て、私自身は興奮しましたねぇ。今後もこのように発掘される音楽を聴いてみたいです‼️ *収録曲をそれぞれ貼っておきますので、聴いてみて下さい❗️ A1 Height/Dismay “Mother's Footsteps” https://youtu.be/-0k96kyJjqY A2 The Frenzied Bricks “Vicious Circle” https://youtu.be/XNcUXzBGDlQ A3 Modern Jazz “Zoom Dub” https://youtu.be/7dXOChq6oPA A4 Mr Knott “Poor Galileo (He Has Gone Mad)” https://youtu.be/2p6Xy4_Jit0 A5 Aeroplane Footsteps “Arabia” https://youtu.be/E9sQAmvcVa8 B1 Shanghai Au Go-Go “I Cried All Winter” https://youtu.be/2p6Xy4_Jit0 B2 Matt Mawson “Open The Goddam Door” https://youtu.be/e7IZVRqDpjk B3 The Horse He's Sick “Terminal Rebound” https://youtu.be/7A1Mo_q3tvU B4 Wrong Kind Of Stone Age “Ravi Dubbi” https://youtu.be/4b2NZ8ccwMg B5 Les Trois Etrangers “Luna” https://youtu.be/CkQct2f3N5E #VariousArtists #OzEchoes: #DIYCassettes&Archives1980-1989 #EfficientSpace #Australia #CompilationAlbum #1980年代 #SynthWave #PostPunk #Dub #CassetteCulture #Height/Dismay #TheFrenziedBricks #MrKnott #AeroplaneFootsteps #ShanghaiAuGo-Go #MattMawson #TheHorseHe'sSick #WrongKindOfStoneAge #LesTroisEtrangers
Synth Pop / Post Punk / Dub Efficient Space 1900円Dr K2
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GUM “20 Years In Blue Movies And Yet To Fake An Orgasm”
GUMって知ってますか? 私も殆ど知らずに購入したGUMのセカンド・アルバムです。GUMは豪州のバンドで、メンバーはAndrew CurtisとPhilip Samartzisのデュオです。GUMは1989年に結成されていますが、バイオグラフィーは調べましたが、あんまり情報はありませんでした。本作品は彼等のセカンド&ファイナル・アルバムになりますが、1986年〜1990.年までこのデュオで活動しています。その間に1枚の7㌅や2枚の12㌅、そして後の2004年には米国の23Fiveより2枚組CD(多分アーカイブ的なもの)をリリースしてます。解散後、Samartzisは、ソロで、サウンド・アーティストとして活発に活動しており、多数のコラボなどの作品をリリースしているようです。 それで本作品なのですが、何と❗️Throbbing Gristleの名曲”Blood On The Floor”のカバーが収められており、そこにはKraangことJohn Murphyが客演しています。それでA面1曲45回転、B面1曲33回転と言う変則アルバムで、そのA面がTGの”Blood On The Floor”なのですが、これははっきり言ってカッコいいです。生ドラムとファズかけたギター(?ベース)、それにMurphyのよるヴォーカル。最初はガチャガチャしたタンテのノイズから始まり、やがてドラムが入ってきて、曲になっていきますが、リズムがあるだけでも聴き易いですし、またTGのロックのメタファーを受け継いでいるとも言えます。あと、最後にちょっとしたギミックがありますが、これは今は秘密にしておきます。それでB面 “Melted Limp Fallout”ですが、こちらはビートレスなコラージュ曲ですが、かなり雑なコラージュ、と言うか音の繋げ方をしています。正直、こちらも45回転にして収録時間を締めた方が良かったかも。多分、タンテやテープ音、オルガン、ヴァイオリンなどを使っていると思われますが、一曲としてはちょっと散漫な印象を持ってしまいました。そんなGUMですが、A面の”Blood On The Floor”だけでも聴く価値はあると思いますので、見かけた方は聴いてみてください! A “Blood On The Floor” https://youtu.be/UcbEN9BwDQA #GUM #20YearsInBlueMoviesAndYetToFakeAnOrgasm #SelfRelease #Australia #Industrial #Collage #ThrobbingGristle #BloodOnTheFloor #AndrewCurtis #PhilipSamartzis #JohnMurphy
Noise / Industrial G.U.M.(Self Release) 不明Dr K2
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The Birthday Party “Its Still Living”
The birthday Partyのライブ盤ですよー❗️ The Birthday Partyのバイオグラフィーについては、前回、書きましたので、そちらを参考にして下さい。The Birthday Partyとしては4枚目のアルバムで、1982年1月にAstro Theatreで行われたライブを録音した盤です。メンバーはNick Cave (Vo), Mick Harvey (G), Tracy Pew (B), Phill Calvert (Drs), Rowland S. Howard (G)の5人です。しかしながら、The Birthday Partyの音楽とは何だろう。どう言えばいいか?未だに、彼等を表す言葉が追いついていけないです。ドラムとベースは一定のパターンを示しますが、ギター、特にRowlandのギターはNickの挑発的Voに呼応するかのようにバリバリ弾きまくっているようです。また、NickのVoも一定のパターンを取らず、感情の赴くまま(は、ちょっと言い過ぎか?)に撒き散らされる。ライブだからこそ、そのヒリヒリとした緊張感が盤から伝わってきます。色んな音楽の断片をミキサーでぐちゃぐちゃにしたかのような音楽。これはロックと言えるのか?そんな疑問を投げかけてくるライブ盤です。だから、いつまでも最高なんです、The Birthday Partyは❗️テンション高めで、かつカテゴライズできない音楽なので、聴くときは心して聴いてください。 “Dead Joe” live track https://youtu.be/HR5ZnYl9Fmg [full album] httpshttps://youtube.com/playlist?list=PLHP7bAjOIkpAqgaMLfcvccRuUxdD-k5tq://youtube.com/playlist?list=PLHP7bAjOIkpAqgaMLfcvccRuUxdD-k5tq #TheBirthdayParty #ItsStillLiving #MissingLink #LiveAlbum #Rock #NickCave #RowlandS.Howard #MickHarvey #TracyPew #PhillCalvert
Rock Missing Link 不明Dr K2
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The Birthday Party “Prayers On Fire”
豪州のロックと言うと、Midnight OilやINXSなんかも思い浮かびますが、やはり筆頭はThe Birthday Partyでしょう(まあ、Nick Cave and the Bad Seedsもありですが)。そんな彼等のファーストアルバムです。その前に彼等のバイオグラフィーを少し。The Birthday Partyはその前身のThe Boys Next Doorから始まっており、1977年から1983年まで、The Birthday Party として活動してい ました。それで、バンドの核は、1970年初頭に、メルボルンの私立高校にて生まれ、1973年にロックバンドとして結成されています。Nick Cave (Vo). Mick Harvey (G)とPhil Calvert (Drs)が中心になって、他の学生てあるJohn Cocivers (G), Brett Purcell (B), Chris Coyne (Sax)も組み込まれていました。しかしChrisが脱退したこともあって、1975年に、バンドは4人でやっていこうと、Tracy Pew (B)を迎え入れます。1976年にはちょうどパンクが席巻しており、The Boys Next Doorもパンクやプロト・パンクのカバー曲をやり始めます。1978年に、The Boys Next Doorに、Rowland S. Howard (G)が加入すると 音楽性はガラリと変わります。彼のフィードバック奏法もありますが、彼等は、パンク、ロカビリー、フリージャス、ブルースと言った音楽要素を引用して、カテゴライズされない音楽をやり始めます。反復するベースラインとミニマルなドラミングが特徴になります。それをプロデュースしていたマナージャーのKeith GlassはレーベルMissing Link Recordsを始め、初期のThe Birthday Partyの作品はここからリリースされています。豪州ではそこそこ人気が出たので、バンドは1980年に英国Londonに行きますが、その時に、バンド名をThe Birthday Partyに変えています。その名前はHarold Pinterの小説から取っているとかドフトエフスキーの「罪と罰」の中の存在しない誕生日パーティーから取ったとか言われていますが、後でRowlandに言わせるとNick と話してて出てきたんだそうです。それで、バンドのメンバーはロンドンに住むことになりますが、結局、The FallやThe Pop Groupなどは気に入りましたが、当時の音楽シーンには幻滅し、豪州に帰つてきて、欧州や米国のツアーをやっています。そして、1982年には西ベルリンでもやっています。Nick Caveのヴォーカルはやけっぱちなものから頭がおかしくなったようなものまで振り幅があり、評論家たちは、Nickのヴォーカルは、John CaleやAlfred Hitchcockでも足りない位、おっかないものだったそうで、プロト・パンクのヴォーカリスト、Iggy PopやAlan Vegaとの共通点があると言われていましたが、バンドとしても、パワフルかつ個性的でした。Nickの歌詞もArthur RimbaudやCharles Baudelaireの影響を受けていたそうです。1981年に4ADより”Release the Bats”をリリースしますぐ、世間は丁度ゴスが台頭してきた時期でもあり、この作品は、ゴス・カルチャーと共に紹介されて、ちょっと話題になりめす。それで、同年、ファーストアルバムでもある本作品をリリースします。その後、1982年に、名作の名も高いサードアルバム”Junk Yard”をリリース、これは、極端な話し、伝道師が娘を殺すと言う米国南部のゴス・シーンと結びついた作品となっています。この後、1982年にPhil Calvertがクビになり、Mick Harveyがドラムにシフトします。しかしTracy Pewが1982年初頭に飲酒運転で交通刑務所に収監されたので、Chris WalshとBarry Adamsonが加入し、Howardの兄弟のHarryがTracyの代打になってライブを続行します。7月にTracyは復帰します。しかしながら、スピンオフのグループやコラボなどが忙しくなり、RowlandやNickは力尽き果ててしまい、1983年6月のライブを最後にThe Birthday Partyは解散することになります。まあ、皆さんもご存知のように、NickはBad Seedsを率いて活動を続け、Rowlandはソロで活動を続けていまふ。 それで、本作品ですが、それ程、ゴスなイメージはありませんね。 確かにベースとドラムは執拗に同じパターンを繰り返し、そこに、高圧電流を流したようなギターとかオルガンが絡み、さらにNickの吠えるようなヴォーカルで曲が進んでいきます。そんな曲だけが収められている訳ではないのですが、1981年と言う時代を考えると、先進的な音楽で、何にも似ていない音楽ですね。アルバム単位で聴くと、Nickのヴォーカリストとしての表現力が相当なものだったと分かります。と言うか無理矢理、納得させられますね。しがも不協和音の壁に愕然とします。これ程、オリジナリティに溢れたロックは、当時は無かったと思います。イマイチ、余り評価されていないアルバムですが、ルーツを探ると言う意味で、興味のある方は聴いてみて下さい。 https://youtu.be/yXIOAY5B4RI #TheBirthdayParty #PrayerOnFire #MissingLink #PostPunk #AlternativeRock #Blues #Jazz #NickCave #RowlandS.Howard #Minimal
Post Punk Missing Link 不明Dr K2
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Laughing Hands “Ledge”
実験音楽界におけるオーストラリアの存在はちょっと不思議な立ち位置にあるように思います。そんな中で、SPKを除いて、1980年代初頭に活動していたのが、このLaughing Handsです。メンバーは、Gordon Harvey (B, G, 加工), Ian Russell (加工G, Vo, Electronics), Paul Schütze (Synth, Perc, Dr), Paul Widdicombe (E-piano, Synth, 加工)の4人からなり、1980-1983年の間、豪メルボルンを中心に活動していました。彼等の名前が最も知られたのは、独逸Selektionがリリースした国際コンピ”Masse Mensch”ではないでしょうか?後に、独逸Vinyl-On-Demandが彼等のカセット音源を中心にしたアーカイブLPセットをリイシューしていますが、私は未聴なのです。また、ググってもこれ以上の情報は不明です。 それで、本作品ですが、彼等の担当楽器からも想像できるように、ロックのフォーマットでの実験・即興音楽の実践であると考えます。不明瞭な音像が交錯する曲が14曲収められおり、丁度、DomeとSmegmaが交配したアブストラクトなミュータント音楽を奏でているみたいです。インダストリアルでは無く、ポスト・インダストリアルですね。即興セッションで出来た音源をミックスダウンの時にメンバーの2人(HarveyとWiddicombe)が加工しています。また、音の感触は、当時の日本のDD. Recordsのアーティストが実践したような無軌道さにも共通するように思われます。長い間、日の目を見なかった彼等ですが,ここにきて、もう一度、評価してみてはどうでしょうか?因みに、当時の彼等の作品は全て、彼等自身のレーベルAdhesiveからリリースされています。 https://youtu.be/vBiOPj-xqkA #LaughingHands #Ledge #Adhesive, #PostIndustrial #Australia #Treatments
Experimental music Adhesive 不明Dr K2
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David Chesworth “50 Synthesizer Greats”
最近、手に入れたブツですが、何で買ったのか?謎な一枚です。私はこのアーティストのこと全然知らなかったんですが、どうもEssendon AirportとかWhadya Want?と言ったオーストリアのポスト・パンク・バンドのメンバーであり、作曲家でもあった人物で、本作も1978-1979年にかけて、録り溜めたシンセの単純な曲を集めましたと言うアルバムです。それでちょっと調べてみました。 1978-1982年の間、Chesworth氏はメルボルンのClifton Hill Community Music Centreで実験音楽、映画、ヴィデオやパフォーマンスなどをキュレーションしていたとのこと。その後、Sonia Leberと言うオーディオ・ヴィジュアル・アーティストとヴェニスやシドニーでのビエンナーレでコラボをしています。なので、割と学芸的に正当な教育を受けて、活動している方なのだと言うことが分かりました。私が興味を持ったのは、彼が所属していたポスト・パンク・バンドEssendon Airportについてです。どうも1978年に結成されたバンドで、ミニマルかつファンクっぽい音らしいです。 Chesworth氏はエレビとリズムマシンを、Robert Goodgeがギターを担当して結成されたデュオでしたが,1980年後半に Ian Cox がSaxで、Paul Fletcherがドラムで加入し、1982年にはBarbara Hogarthがベースで加入しましたが、翌年、バンドは解散しています。そうすると、ちょっと聴いてみたいですね。割とオーストラリアの一部ではウケが良く、2枚のアルバム、1枚のEPと1枚のシングルを出しています。そんな音楽もやっていたChesworth氏ですが、前述したようにミニマル・ミュージックを真面目にやっていた人なんですが、本作品では、彼の活動の初期に、AKAI 4000 DS 1/4 TrackとTape Recorder及びMini KORG 700S Synthesizerのみでの宅録で作製されたショートトラックがフィジカルでは37曲、デジタル(DLコード付き)では更にAnd/Or=1としてボーナストラックが収録されています(トータル50曲になるかは未確認)。この機材からも分かるように、彼は特に凄い機材を使ってた訳ではなく、チープなシンセで思い付いたまま、録音を重ねて作り上げてるようで、音もチープですね。丁度、Felix KubinとThe Residentsの ”Commercial Album”を足したのを1/10くらいにした内容でしようか。一応、メロディはありますが、殆どの曲が単音か3種類くらいの音で出来ています。 Chesworth “Making Waves” https://youtu.be/YEz4m9MGjuw Essendon Airportです。 https://youtu.be/hE-bR_OR1ho #DavidChesworth #50SynthsizerGreats #Minimal #SynthPop #EssendonAirport #Australia
Synth Pop, Experimental Chapter Music (Innocent) 2825円Dr K2