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Christmann Schönenberg Duo “Remarks”
これは、所謂、フリージャズ系の作品なんですが、田舎から東京に出てきて、ちよつと背伸びをしたのと、裏ジャケにシンセ奏者が見えたので、購入したんだと思いますりなので、このデュオは私は全然知りませんでした。それでちょっと聴いて、そのまましまっておいたものです。それで、このデュオについて調べてみました、Günter Christmannはポーランド生まれの、B, Cello, Trombone奏者で、1960年代よりフリージャズ界隈で活動を開始。最初は、Rüdiger CarlとPeter Kowaldとでアンサンブルを属していましたが1972年-1981年には、Detlef Schönenbergとのデュオで活動しています。その後、1973年-1986年には、Globe Unity Orchestraに所属して活動していたようです。また色んなミュージシャンとのデュオでも活動していたようです。その後はら、Pina BauschとElisabeth Clarkと一緒にTanztheaters関連で活動をしています。一方、Detlef Schönenbergについては、ベルリン生まれの独逸人ドラマーですが、1965年よりパリでドラムを学んでいます。1970年からはWuppertalに引っ越し、Bernd Köppen (Piano, Organ)とRüdiger Carl (Accordion, Sax)のトリオで活動し、1972年〜1981年は先述のようにChristmannとのデュオで活動。その後、Harald Bojéと1975年にアルバムを出していますしら、1978年にはChristmannも含めたトリオでMoers Festivalにも出演しています。その後も活発に活動を続けています。それで、今回のゲストであるHarald Bojé ですが、独逸人ピアニストで教職にもついており、Karlheinz Stockhausenとのコラボで名を馳せています。 それで今回の作品ですが、Günter Christmann (Trombone, B)とDetlef Schönenberg (Drs, Parc)のDデュオにHarald Bojé (Synth)が参加した作品で、独逸FMP (Free Music Productions)からのリリースです。本作品は大きく3つに分かれており、第1章は ”Remarks”で、これがA面を占めています。一方、B面は第2章Temptation”とBojéを交えた第3章 ”Approaches”からなっています。曲が比較的短いのと、彼等の音が点描のような音なので、曲の解り目が非常に分かりにくいです。A面では、よく「歌う」ドラムと点描のようなトロンボーンやベースの絡みが非常に面白い響きを作り出しています。B面では先ず第二章ではChristmannのトロンボーンのソロからなり、かなり変態的な音を出しています。更に第三章では3人による即興で、Bojéの電子音がSchönenbergのドラムとChristmannのトロンボーンと上手く絡まって、ややコミカルな演奏を聴かせてくれます。 偶には、ジャズも良いのではと再確認させてくれました。また、フリージャズまもうちょっと掘っていこうかな? このレコードの動画はYouTubeになかったのでそれぞれのソロを上げておきます。 Günter Christmann “Call For Me”より。 https://youtu.be/JGkspfsqUeY Detlef Schönenberg “Spielt Schlagzeug”より。 https://youtu.be/36tSQppD7TI #GünterChristmann #DetlefSchönenberg #Duo #Solo #Trio #Remarks #HaraldBojé #FMP #FreeJazz #Trombone #Drums&Percussions #Synthesizers #Improvisation
Free improvisation FMP 不明Dr K2
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Blondie “s/t”
またまた、聴いちゃった!Blondieのファースト・アルバム。でも、私、何故か、問題の曲が入ったシングル”Rip Her To Shreads (邦題「汚れた天使」)”も持っているんですが、何故か知らぬ間にアルバムも買っていたんですよ。Blondieのバイオグラフィーは前々回と前回に書きましたので、ここでは省略することにします。まだ5人組だった頃のBlondieです。メンバーはDebora Harry (Vo), Chris Stein (G, B), Gary Valentine (B, G), Clem Burke (Dr), Jimmy Destri (Kbd: Organ, Piano, Synths)です。それで、中々目の出なかった彼等が一気に売れたのは、このアルバムからシングルカットされた”X Offender / In The Flesh”に端を発します。1977年にこのシングルばリリースされたのですが、豪州のTVの音楽番組Countdownで、A面が”X Offender”であったシングルの本来B面の”In The Flesh (愛して欲しい)”が、A面とB面が間違って放送されてしまいました。それで人気に火がついてしまったのです。後からClemはDJのMolly Meldrumに「間違った曲を流してくれて有難う」と言ってます。またChrisも「”X Offender”はヒット曲にするにはちょっと過激で激しいかな?でも”In The Flesh”はパンクな感じは全然ないよな」と述懐しています。てな訳で、暖簾に腕押し的に、このシングルは両A面扱いになります。まあ、何が起こるかは分かりませんね。Clemも”In The Flesh”は「パワーバラード」の先駆的な位置にあると述懐しています。 それでこのアルバムですが、初期の彼等のガレージ的な面が主に出ていますが、曲はいつも通り、色んなことにもチャレンジしています。Debbieのキッチュなヴォーカルを中心に、ポップ・パンクなチューンが並んでいます。今から思えば、”X Offender”もヒットしてもいいように思えますが、、、。あと個人的には”Rip Her To Shreads (邦題「汚れた天使」)”は外せませんね。あと、JimmyのKbdが良いアクセントになっています。このアルバムは、パンクか?言われると「ちょっと違うね。」と答えざるを得ない程の、ニューウェーブ臭がありますね。こんなバンドも当時はMax’s Kansas CityやCBGBに出ていたのは、世の中分からんものですね。初期のポップスを堪能できるアルバムですので、”Call Me”だけじゃなくて、ちゃんと基礎を復習しましょう!因みに、Clem Burkeのドラムのテクは凄いですね。はっきり言って上手いです。 [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_mT96ExWy1z8tYKMcKakqKGZ6Se7GXdODc #Blondie #PrivateStock #NewWave #X-Offender #InTheFlash #RipHerToShreads #Pop #PowerBallad
NEW WAVE Private Stock 不明。Dr K2
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Peter Baumann “Romance 76"
こんなものまで掘ってぇ。と言う訳でTangerine Dreamの創設者の一人Peter Baumann先生の登場です。Peterは1972年に、Edgar FroeseとChristopher Frankeと共に、サード・アルバム”Zeit”で初めてTangerine Dreamに参加していますが、1976年にソロとしても活動を開始しています。そして、バンドの初USツアーを終えて、1977年にTangerine Dreamを脱退し、1980年代には自身のレーベルPrivate Musicを設立します。このレーベルは所謂”New Age”と呼ばれるインスト曲を演奏するアーティストやグルーブのリリースに特化したもので、Yanni, Patrick O'Hearn, Jerry Goodman, Suzanne Ciani或いはバンドメイトであるTangerine Dreamとかの作品をリリースしていきますが、1996年にレーベルのパテントをWindham Hill Recordsに売却します。Peterは2009年に米国SFに渡り、Baumann Foundationを設立します。それは認知脳科学や行動経済学、進化精神医学、遺伝学、人類学或いは哲学などのフィールドで人類が如何に体験するのかを探求するシンクタンクのようなものだそうです。2012年には、Baumann Foundationはサン・フランシスコ芸術宮殿でBeing Human 2012をスポンサーにして会議を行います。その会議には脳科学者、哲学者、進化論研究者及び瞑想のマスターが参加して人間性の本質について発表し合ったらしいです。まあ、そんな活動もしているPeter Baumann先生ですが、本作が、彼の初ソロアルバムになります。まあ、小難しいことを言っても、音楽は分かりやすいですよ。結構、ドラマチックな曲もあり、電子音楽に有りがちなミニマルにはなってませんね。今、聴くと、何だかシンセを使った室内楽のようにも聴こえてます。まあ、New Ageと言えばそうかもしれませんが。それ程、狂気じみたシーケンスとかは使ってませんので、ゆったりとお風呂上がりに聴いても良いかな?と思います(と言いながら、お風呂上がりに聴いてます)。ちょっとシリアスなのかユーモアなのか?が分かりかねるところもありますが、ゆるりと聴けますよ。因みに、機材の一部はシンセビルダーのPalm Production Germanyが提供している模様。 A1 “Bicentennial Present” (4:46) A2 “Romance” (6:02) A3 “Phase By Phase” (7:35) B1 “Meadow Of Infinity (Part 1)” (3:49) B2 “The Glass Bridge” (3:45) B3 “Meadow Of Infinity (Part 2)” (6:22) [B1, B2, & B3] https://youtu.be/mPIqwPW1YfE?si=FH24lWVSMyKZmXWQ [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_nM8kZkOiU-4FKIJjJzML7niHQErjLP-9s #PeterBaumann #Romance76 #VirginRecords #TangerineDream #Electronic #Krautrock #BaumannFoundation #German #FirstAlbum #SoloAlbum #NewAge #PrivateMusic
Progressive, Electronic Virgin Records 2290円Dr K2
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The Ritual Orchestra and Chants “Tibetan Buddhism”
私のもう一つのルーツでもある民族音楽シリーズ。その中でも、大のお気に入りの一つが、チベット仏教の音楽です❗️いつもなら、小泉文夫氏のシリーズなんですが、今回はDavid Lewistonによる録音アルバムです。解説はDavidとらLobsang Lhalungpaが担当してます。演奏(?)はインドのHimachal Pradesh州Tashi Jong地区のPal Phuntsok Chokorling寺で、Drukpa Kagyu派の僧侶達によるもので、一言で言うと「凄い」です❗️あと、私は中学・高校6年コースの私立の学校に通っていたのですが、その学校は仏教関係の学校でもあり、中学から6年間、浄土真宗を中心に仏教の授業がありました(勿論、中間/期末テストもある)。その関係もあるのでしようか、何とはなく、染みついているんですよね、仏教関係の事柄が。勿論、日本に伝わって、日本人向けに改良されてきた仏教音楽とは、全く独自の進化を経たチベットの仏教音楽は違いますが、ペースとして、持っているものに惹かれるんですよ。ここで、Drukpa Kagyu派とかチベット仏教の内容について書いてもいいのですが、そう言う知識無しに、純数に「音楽」として聴いて貰える方がよろしいかと思いますので、簡単に音楽的なことだけ。タイトル通りに、使わる楽器は、先ずは声明(所謂、声と言うか念仏?)、そして、リード楽器(gyaling)、太鼓(nga)、ホルン(bubak)、巨大なベル(dungchen)、ほら貝(dungkar)、シンバル(selnyen)、ハンドベル(drulibu)そしてPsychic TVでも有名になったヒトの大腿骨で出来たトランペット(kangling)やヒト胎児の頭蓋骨を二つ使った振り太鼓(damaru)などで構成されています(最近はkanglingやdamaruは代用品になってるそうです)。また、面白いと思ったのは、声明のコンダクターとしてuzayがおり、また、声明と演奏の全てを統括するインストラクターとしてloponがいることです。ここに収められているのは長尺の3曲で、何も密教儀式の音楽となっています。演奏を間違えるとインストラクターの咳払いと共にけたたましい打楽器などの音によって、叱正されるらしく、若い僧侶は大変みたいです。そして、その内容についてですが、正直、このアルバムを聴いた時は、ぶっ飛びました。主に中低音から成るタントラの声明が押し殺したように歌われる中、太鼓などが時に割り込んできたり、またはリズミックに鳴らされたりし、ほら貝やシンバルなどが突然、暴れる様に演奏されたりと、コントラストが鮮明になって続く流れは、異常な程の緊張感があったからです。Psychic TVの時はピンとは来なかったんですが、これはぞくぞくしましたねぇ。やはり、本物は違うのか? また、ここに収められている曲は、逆にCoilやCurrent 93なんかが束になってかかっても、足元にも及ばない位、凄いです。これは騙されたと思って、聴いてみて下さい。本物の”Ritual music”ですから❗️しかも、この録音に参加しているKhamtul Kinpoche氏は活仏としてもコンダクターとしても有名な人物で、多くの信者が拝みにくる僧侶で、そう言う意味でも奇跡の録音と言えるでしよう。 同じ録音はYiuTubeに無かったので、同じ宗派の音楽を https://youtu.be/en312YYZrgI #DavidLewiston #TheRitualOrchestraandChants #TibetanBuddhism #TraditionalMusic #DrukpaKagyuOrder #KhamtulKinpoche
Traditional Nonesuch 不明Dr K2
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Tangerine Dream “Stratosfear (浪漫)”
またまたまた、出ました❗️Tangerine Dreamの8枚目のアルバム “Stratosfear (浪漫)”です。以前に前作”Rubycon”を挙げておりますので、バイオグラフィーはそちら等をみて下さい。本作品のメンバーと担当楽器は、Edgar Froese (Mellotron, Moog Synth, 12弦/6弦G, Grand Piano, B, Mouth Organ), Peter Baumann (Moog Synth, Project Electronic Rhythm Computer, Fender E-Piano, Mellotron), Christopher Franke (Moog Synth, Organ, Perc, Loop Mellotron, Harpsichord)となっています。片面づつ2曲が収められていますが、B-2がギターやピアノを使ったアコースティックな仕上がりで、意外な感じがします。しかしながら、他の曲はドラマティックな展開が目立ち、聴いていて、ワクワクさせられます。また、シーケンスが秀逸で、気持ち良いビート(?)で走らせています。最初にアコギのアルペジオが出てきた時はちょっと焦りましたが、安定のジャーマン・エレクトロ・ロックでした。このアルバムは、それまでのアブストラクトな音作りからリズム、メロディ、ハーモニーという伝統的な音楽語法に回帰し、ファンを戸惑わせたとも言われていますが、後々の流れから考えますと、寧ろ、ここから始まったと考えていいのかもしれませんね。因みに翌年には、William Friedkin監督の映画”Sorcerer (恐怖の報酬)”のサントラを担当しています。因みに、その後の1980年代には、彼等は、結構,映画のサントラを担当することが多かったみたいです。そんな訳で、本作もより電子音楽を深化させた通過点であり、緩急の振り幅が大きく、ダイナミックな作品ですので、皆さんも是非、聴いてみて下さい。 A1 “Stratosfear” (10:04) A2 “The Big Sleep In Search Of Hades” (4:45) B1 “3 AM At The Border Of The Marsh From Okefenokee” (8:10) B2 “Invisible Limits” (11:40) https://youtu.be/f3hueHdzYSI?si=4GUyu1885p0bH4MO #TangerineDream #Stratosfear #VirginRecords #ProgressiveRock #Krautrock #Synthesizers #Suite #Acoustic #EdgarFroese #PeterBaumann #ChristopherFranke
Progressive Rock / Krautrock / Electronic Virgin Records 1000円Dr K2
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Heldon “Heldon IV: Agneta Nilsson"
やっと入手しました、仏Heldon(エルドン)の4枚目のアルバム”Heldon IV: Agneta Nilsson”です。ここら辺の事情って、私は詳しく無いのですが、本作品は、Heldonの首謀者Richard Pinhas(リシャール・ピナス)の殆どソロのような体裁になっています。Heldonのバイオグラフィーについては前回書きましたので、ここでは極々簡単に。サン=ドニ大学の哲学者Gilles Deleuze (ジル・ドゥルーズ)の学科の生徒であったRichard Pinhasが、Schizo名義をやめて、Heldonとして1974年に結成したグループで、彼以外は流動的なグループです。他のメンバーが流動的とは言え、Richardがいる限りには、誰が聴いてもHeldonと分かる動的平衡を保ったグループと言えるでしよう。そしてその特徴は、常に電子音楽とロックのフォーマットの融合を試みていたと言えるでしよう。また、RichardがHeldonを始めるに当たって、Robert Fripp& Brian Enoの”No Pussyfooting”や同じ仏プログレ・バンドMagmaの一連の作品やあり方或いはPhillip Glassのミニマリズムも参考にしていますが、Heldonはミニマルで力強い電子音と極度に増幅されたギターで、プログレッシヴなインスト・ロックのオリジネーターと言えるでしょう。Heldon自体は1979年に解散していますが、2000年に限定で再結成。またRichardが近年、最後と言われる来日ツアーをしたのも記憶に新しいと思います。 それで本作品ですが,1曲を除き、Richardがギターとエレクトロニクスで参加しており、他のメンバーとしてはPhilibert Rossi (Mellotron), Coco Roussel (Perc & Dr), Alain Bellaiche (B), Patrick Gauthier (mini-moog synth)及びGeorge Grunblatt (Mellotron)と言う顔ぶれです。A-4”Interlude: Bassong”はMichal Ettori (G)とGerard Prevost (B)のデュオの演奏が収録されています。まだ、リズミックと言う訳では無いですが、兎に角、Moogと思われるシンセのシーケンスが心地よい。特にB-1”Perspective IV”での‘Moogi-le-Moog‘ 名義でのRichardの、Fripp調の唸るようなギターとの絡みや一点して伸びやかな旋律も瑞々しくて素晴らしい。そんな心地よいテンションに包まれた電子音楽を触れてみては如何ですか? https://youtu.be/PRjn-Tooa68 #Heldon #HeldonIV #AgnetaNilsson #AuralExplorer #RichardPinhas #ProgressiveRock #Electronics #Moog #Synthesizers #Guitar #Mellotron #PhilibertRossi #CocoRoussel #AlainBellaiche #PatrickGauthier #GeorgeGrunblatt #MichalEttori #GerardPrevost
Progressive Rock Aural Explorer 2000円Dr K2