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a.P.A.t.T “We”
a.P.A.t.T.と聞いて、ピーンとくるリスナーさんは少ないかと思います。私自身も、何でこのアルバム、買ったのか?良く覚えていません。まぁ謎物件な訳です。それでちょっと調べてみました。a.P.A.t.T.というのは、どうも、英国リバプールで、2002年に結成されたアヴァン・ポップとマルチメディアの為のアンサンブルのことみたいです。このアンサンブルには、Kling KlangやZombinaのメンバーが関わっているようです。詳しい結成までの経歴やメンバー等は良く分かりませんが、失敗と成功を繰り返しながら、凡ゆる方向へ向かって成長してきたらしいです。なので、音楽だけではなく、映像やその他の表現分野に渡る活動をしてきており、単にアヴァンギャルドや現代音楽というだけではなく、ライブ・バンドとしての活動にも重きを置いています。そのような背景もあるのか?関係あるかどうか分かりませんが、2016年〜2022年間のメンバーは、Ana Crusis, Boss A Nova, Boss DR-5, Col Legno, Commodore 6/4, Dorothy Wave, Ed Room Dyasono, Empress Play, General MIDI, Mic Lead, Mr Phil, Oscar Later, Private Dancer, Relative Minorと言うように偽名(しかも機材の名前を文字っているお茶目さ)だらけで、曲によって、その組合せは変わることもあり、リスナーや観客を困惑させ続けてきており、チャートとは無関係な立ち位置で活動していたらしいです。ただ、メンバーの中で、General MIDIなる人物がメインに作曲を担当しているので、この人が恐らくリーダー的存在ではないかと思われます。それで、彼等は、1970年代のアートロック~1980年代のシンセポップ〜ポストロック〜硬派なチェンバー・ミュージックまで取り込んで、最終的にモダン・サイケでコーティングされたようで、どこか人を食った様相も見せるキッチュでストレンジなぶっ飛びポップ・サウンドを毎回、作品に刻み込んできました(人を食った様相は、メンバーの名前からも想像できると思います)。特に、2008年にリリースしたアルバム” Black & White Mass”は、ポップ・ミュージックのギリギリの線で留まったアヴァンギャルドな作風として名を馳せ、BBC Radio 1では「今週のアルバム」として毎日放送されていたとのこと。そんな意味で、彼等は、The Beatles, Pink Floyd, Cardiacs, Radioheadと同様の大いなるアイデアを持って、それを実践できるバンドであると評価されています。彼等は、主にBandcampで作品を発表していますが、その中でも、本作品は、フィジカルになった作品の内、6作目に当たります。そして、今回は、米国CA出身女性シンガーDyasonoをゲストとして迎えて、a.P.A.t.T.流の捻くれスウィートな女性ポップス曲”It Keeps Going”を筆頭に、これまでに無かった新味も加わって、端から端まで自由に行き来しています。そんな彼等の”We”は前作から8年振りでリリースされました。そんなa.P.A.t.T.の各曲を紹介していきたいと思います。 ★A1 “The Great Attractor” (7:50)は、BとDrsで始まり、そこにエレピが乗ってきて、ヒステリックなVlnやGが絡んできます。途中で雰囲気が変わり、複数のVoによる歌物になりますが、レコメン系に近い音作りをしていますね。マーチのリズムや性急なテンポやらに代わっていく複雑な曲構成がスリリングです。 <General MIDI作> Bossa Nova(Drs), Private Dancer (Vln), Boss DR-5 (Fretless-B, E-Piano, Vo), General MIDI (Vo, G, Distorted-B, E-Piano, Synth), Dorothy Wave (Vo), Empress Play (Sax, Piccolo) ★A2 “It Keeps Going” (3:01)は、バックはGeneral MIDIが演奏していますが、軽快なポップスになっており、DyasonoのキュートなVoを上手く活かしています。 <General MIDI&Dyasono作> Dyasono (Vo), General MIDI (All Instruments) ★A3 “I Sigh: You Sigh” (3:37)は、逆回転で始まり、正確無比なDrsとシーケンサーとBがイントロとなって、クラリネットも加わり、変調男性VoやVlnが入ってくる複雑な曲です。最後にダレますが、直ぐ復活します。 <Dorothy Wave, General MIDI, Bossa Nova, Mark Greenwood作> Dorothy Wave (Synth), Bossa Nova (Drs), General MIDI (Synth, Vo), Empress Play (Clarinet), Ana Crusis (Vln), Mark Greenwood (Vo) ★A4 “Porca” (2:53)は、ブローするSaxやVlnなんかも含む欧州ラテン系の熱い演奏で、スパニッシュな女性Voが乗っていると思ったら、急に曲調が代わり、ピアノとストリングス・シンセのしっとりとした演奏になります。 <General MIDI&a.P.A.t.T.作> Bossa Nova (Drs), Boss DR-5 (B), Private Dancer (Vln), General MIDI (Vo, Piano, Farisa-Organ, 5-String-B), Empress Play (Vo, Sax), Dorothy Wave (Clarinet) ★A5 “Solipsisim” (3:04)は、語り調のVoのイントロから、クラリネットとアコーディオン様のシンセの合奏になったり、エレピや女性Voのパートに代わったり、戻ったりと忙しない複雑な曲です。最後にはVlnも絡んできます。 <Oscar Later&General MIDI作> Oscar Later (Vo), General MIDI (Drs, Upright-B, Synth), Dorothy Wave (Clarinet), Col Legno (Vln), Relative Minor (Vo) ★B1 “Cigarettes And Margerine” (4:05)は、一聴すると、エレポップのようなシンセを多用した曲で、メジャー級女性Voをメインにしている為か、かなり本格的な雰囲気で、可愛らしい出来になっていますが、SE的シンセ音も散見されます。 <Empress Play作> Empress Play (Vo, Synth), Bossa Nova (Drs), General MIDI (Vo, Synth), Boss DR-5 (G) ★B2 “Study/Relax To Mid-Fi Chill/4am Beats To” (1:36)は、一転して、指パッチンのリズムとピアノの弾き語りから成る小曲で、何となく物憂げで寂しげです。 <General MIDI作> General MIDI (Synth) ★B3 “Plump In The Mud” (3:17)は、シンセBと生ドラムとストリングス・シンセのバックに、朗々と歌う男性Voが乗る大らかな曲ですが、後半には、SE的シンセ音やGソロも聴取できますが、いきなりアップテンポに変わります <Boss DR-5&General MIDI 作> Bossa Nova (Drs), General MIDI (Vo, Synth, Perc), Boss DR-5 (G, Synth), Dorothy Wave (Vo), Empress Play (Synth) ★B4 “Walking Around Proper Looking At Things” (0:18)では、アップテンポのリズム隊にシンセとGを合わせた短い曲ですが、何だかCardiacsっぽい喧騒を感じます。 <Boss DR-5 作> Bossa Nova (Drs), Boss DR-5 (G, Bass-Synth), General MIDI (Synth), ★B5 “Titus The Bellows” (1:54)では、SP盤のような音質のジャジーな曲で、アコーディオンやクラリネットが小気味良い雰囲気を出しています。 <Boss DR-5作> Boss DR-5 (G), General MIDI (Drs, Upright-Bass, Accordion), Empress Play (Clarinet) ★B6 “Young People Are Old People From The Future” (2:45)は、締め殺された鶏(?)で始まる落ち着きの無い曲で、ストリングスを多用していますが、突然、曲調がアップテンポに変わったり、楽器も度々変わり、疾走していき、やがて変拍子の曲調に変わり、目まぐるしい展開になっています。 <General MIDI 作> General MIDI (Vo, Drs, Philicordia, Synth, Glockenspiel, Tape wriggles), Empress Play (Clarinet, Piccolo, Flute), Ana Crusis (Vo, Vln) ★B7 “The People You Know” (2:13)では、ピアノとリズム隊に合わせて、朗々と歌う男性Voがゴージャス感を醸し出しています。しかし、Gの伴奏やピアノも時に崩れるのが面白いところです。 <General MIDI&Boss DR-5 作> Bossa Nova (Drs), Boss DR-5 (G, B, Stylophone, Vox Continental), General MIDI (Vo, Piano) ★B8 “Doom II: Hell On Earth” (3:37)は、デスVo入りのストーナーロックで、やがて阿鼻叫喚な音地獄へと落ちていきます。これには、ビックリしました! <Col Legno&General MIDI 作> Bossa Nova (Drs), Boss DR-5 (G), General MIDI (Vo, B, Synth), Empress Play (Synth), Commodore 6/4 (Sax) 曲自体の構成が非常に複雑で、転調やテンポの変換或いは使用楽器等が一曲の中で頻繁に変わるので、初め聴いた時には、曲間が良く分かりませんでした。しかしながら、そんなこととは無関係に、プログレっぽい展開、特に、レコメン系プログレをポップ・ミュージックの領域に反映させていますので、次はどう来るのかな?と中々楽しめます。メンバー名が全て偽名であることなんかも加味すると、The HomosexualsやEtron Fou Leloublan辺りに近いのかなあとも思いますが、a.P.A.t.T.の方が、これらのバンドの音楽よりももっとポップネスを感じますし、最後にストーナーロックまで持ってきたのには驚きました。そうですねー、一番、近いのが、初期のCardiacsですかね。難解と言うよりも、寧ろ凄く面白くてユーモアのある音楽なので、これは皆さんに是非聴いて欲しい1枚です❗️ B7 “The People You Know” (2:13) https://youtu.be/1JQ1fPRdw5k?si=XbY1i_tNc9aFn37b [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_mJ73tnG1p1I-qaV9GhLnZtiOwminEbric&si=hyQgARpiO9SdQxqm [BandcampのURLを貼っておきます] https://apatt.bandcamp.com/album/we #a.P.A.t.T. #We #NineXNine #Postmusic #DurEtDoux #UKUnderground #6ThAlbum #AvantRock #Experimental #AlternativeRock #Electro #AnaCrusis #BossANova #BossDR-5 #ColLegno #Commodore6/4 #DorothyWave #EdRoomDyasono #EmpressPlay #GeneralMIDI #MicLead #MrPhil #OscarLater #PrivateDancer #RelativeMinor
Avant-Rock / Experimental Nine x Nine 2640円Dr K2
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The Modern Lovers “The Original Modern Lovers”
このThe Modern Loversも、1980年代に友達K 君に教えてもらい、当時は、ダビングしてくれたカセットを聴いていたものです。それで、1990年代に中古を購入した次第です。それでは、先ず、The Modern Loversのバイオグラフィーについて改めて調べてみました。The Modern Loversと言うバンドは、Jonathan Richmanを中心として、米国Bostonで結成されたバンドで、厳密には、活動は1970年〜1974年までとされており、この時期に2枚のスタジオ・アルバムを制作していますが、1976年と1981年までは未発表のままでした。それで、彼等は再編成して、1976年〜1988年では、Jonathan Richman & The Modern Loversと名乗って、活動しています。それで、最初に戻りますが、Jonathan Richmanは1969年に高校卒業後、NYCに移り住み、その頃にVelvetsに夢中になり、マネージャーのソファーで2〜3週間、寝起きし続けて、NYC生活を堪能しますが、その後、彼は、ネズミの巣窟たる安ホテルAlbertに住み始めます。しかし彼は「もう充分」と言う理由で、9ヶ月のNYCでの生活を辞めて、欧州やイスラエルを旅行し、最終的にBostonに帰郷します。そこで、幼少期の友達John Felice (G), 後にThe Carsに加入することになるDavid Robinson (Drs)やRolfe Anderson (B)を誘って、たった1ヶ月後の1970年9月に、The Modern Loversを名乗って、The Sidewindersのサポートでライブ・デビューしています。ただ、1971年初頭に、AndersonとFeliceが脱退し、代わりにHarvard大学の学生でもあったErnie Brooks (B)とJerry Harrison (Kbd)が加入し、所謂、The Modern Loversのオリジナル・ラインナップとなります。このメンツでのThe Modern LoversのBostonでの人気は凄く、メジャー・レーベルも興味を示し、1971年秋には、Warner Bros. RecordsのStuart Loveがコンタクトを取ってきており、多チャンネルでの録音によるデモテープ制作も行っています。また、直ぐにA&M Recordsも彼等に興味を持ったようです。翌年1972年4月に、彼等はLAに行き、そこで2本のデモテープを作っています。ひとつは、John Caleプロデュースのもので、Warner Bros.用の、もうひとつは、Allan MasonプロデュースのA&M用の2本です。それと、彼等はその時、CAのBerkeleyにあるLong Branch Saloonでライブもやっており、この音源は、後にライブ・アルバムにもなっています。1972年6月には、Kim Fowleyと出会い、彼はBostonまで来てくれて、何本かのデモテープを作っています。しかし、バンドは、Felice (G)が数ヶ月間復帰したこともあって、MAのCohassetに皆んなで移住しています。1973年初頭には、Warner Brothersと正式に契約しています。しかし、John Caleと一緒に作業する為に、LAのスタジオに行くまでは、Ernie Brooks (B)の家族が所有しているBermudaのInverurie Hotelで演奏する許可をもらっています。そこで過ごしている内に、Richmanは、昔の音楽スタイルを気にするようになり、バンド内に衝突が段々と増えていきます。それでも、Richmanは、違った方向性の音楽になることを心配していましたが、初期の曲を録音することに同意しています。彼自身は、よりメローでリリカルな音楽を録音したかったようです。他のメンバーも反対はしなかったのですが、今風に聴こえるようにはしたかったようです。1973年9月に、Caleの元でのセッションは、彼等の友人Gram Parsonsの死によって、もはや良質な録音などあり得ないと、The Modern Loversのメンバーは思ってしまい、その結果、レコード会社としては、新たにKim Fowleyのプロデュースで、セッションを仕切り直し、Gold Star Studiosで録音して、1981年になって、やっと本作品でもあるアルバム”The Original Modern Lovers”をリリースしています(因みに、この作品は2000年にCDで再発されています)。しかしながら、Warner Bros.側としては、彼等のデビュー・アルバムをリリースし損ねたと考えてしまい、The Modern Loversへのサポートをやめてしまいます。そして、Robinson (Drs)が脱退し、代わりにBob Turner (Drs)が加入しますが、Richman自身が、古い曲(“Roadrunner”等)を段々とやりたがらなくなってしまい、RichmanとHarrisonとの間での音楽の方向性の違いから、1974年2月にバンドは解散してしまいます。その後、メンバーはThe Real KidsやTalking Heads, The Carsへと加入したり、結成したりします。Richmanは、昔のVelvets風の曲調には二度と戻ることはなかったのですが、CaleとMasonがプロデュースした最初の2本のデモテープから、Beserkleyレーベル側が曲を選んで、その傘下のHome Of Hitsから「ファースト」アルバムとして、セルフタイトルで、1976年にリリースしています。しかしながら、Richman自身は、このアルバムを「ファースト」アルバムとは決して認めず、「自分のデビューアルバムは1976年リリースの”Jonathan Richman and the Modern Lovers”だ」と主張しています。ただ、前出の「ファースト」アルバムは、評論家の受けも良く、「本当に偉大なアートロックのアルバムである」とベタ褒めされ、パンクへの影響力もありました。まあ、そんなこともあって、アルバムの順番についてはややこしいのですが、Richmanは、1976年から新生バンドとして、Jonathan Richman and the Modern Loversを始め、1988年まで続けますが、このバンドについてはまたの機会に書くことにします。 それで、リリース順としては、3番目になる本作品”The Original Modern Lovers”について紹介していきます。この時のメンバーは、Jonathan Richman (Vo, G), Jerry Harrison (Piano, Organ, Back-Vo), Ernie Brooks (B, Back-Vo), David Robinson (Drs, Back-Vo)で、Mars Bonfire (G [B5])がゲスト参加しています。それで、この作品は、Kim Fowler がプロデュースして、1972年に録音された音源であり、The Modern Loversとしては、一番古いものです。内容的には、両面とも5曲ずつです。では、各曲を紹介していきましょう。 ★A1 “Road Runner Part 1” (4:35)は、ご存知「ワン・ツー・スリー・フォー・ファイブ・シックス」で始まる曲で、Kbdが効いてますね。Voは相変わらずヘナヘナですが、それがまた良い塩梅です。 ★A2 “She Cracked” (2:40)も、ワンコードとややヘロったRichmanのVoで押し切るような曲で、カッコ良いですが、間奏はラジオ音です。 ★A3 “Astral Plain” (2:43)は、相変わらずヘロヘロのVoと跳ねるようなリズムから成る曲です。間奏のGソロもヘナチョコですが、そこがまた良いんです。 ★A4 “I'm Straight” (4:05) も、Richmanの語りから始まるスローな曲なんですが、特にバラードとかには聴こえない位、グダグダ感が強い演奏です。その中で、オルガンだけが上手くて、曲を引き締めている感じです。 ★A5 “Walk Up The Street” (3:11)は、変なGソロ(?)から始まり、RichmanのヘロヘロのVo/Gを他の3人が支えている曲ですね。 ★B1 “I Wanna Sleep In Your Arms” (2:29)は、軽快でアメリカンな曲で、RichmanのVoもそんなにヘロってはいません。コーラスもあり、良い曲で、最後には絶叫まで! ★B2 “Don't Let Our Youth Go To Waste“ (1:40)は、Richmanの鼻歌のような独唱から成る小曲で、意外な感じで、物悲しさすら漂います。 ★B3 “Dance With Me” (4:26) は、G(エレキ)の弾き語りで始まり、徐々にBやDrsが微音で入って、更にエレピも入ってくるスローな曲で、盛り上がるところは盛り上がります。RichmanのVoに涙します。 ★B4 “Girlfren” (4:00)も、Richmanの独唱がイントロで、やや明るいような悲しいような甘酸っぱい曲で、やはりRichmanのVoと間奏の下手なGが素晴らしい! ★B5 “Road Runner Part 2” (3:49)は、カウント無しで始まる名曲(A1)のヴァージョン違いで、Richmanも字余りながらしっかり歌っています。この何とも言えない疾走感は、中学生が自転車で思いっきり走っている感じですね。 と言う訳で、Richmanにとっての「ファースト」アルバムでもある本作品は、ヘロヘロのVoとしっかりしたバックの演奏で成立している訳ですが、なんかもう「青春」な感じがして、嬉し恥ずかしで、懐かしい感じですね。Kim Fowleyの「とにかくセッションの場だけは確保するから」と言ったプロデュースは良かったと思いますよ。また、そのやり方は、その後のRichard Hell 辺りには影響を与えたようです。しかし、”Roadrunner”は名曲だと思いますので、未聴の方は是非とも聴いてみて下さい❗️ クレジット曲順 A1 “Road Runner Part 1” (4:35) A2 “She Cracked” (2:40) A3 “Astral Plain” (2:43) A4 “I'm Straight” (4:05) A5 “Walk Up The Street” (3:11) B1 “I Wanna Sleep In Your Arms” (2:29) B2 “Don't Let Our Youth Go To Waste “ (1:40) B3 “Dance With Me” (4:26) B4 “Girlfren” (4:00) B5 “Road Runner Part 2” (3:49) https://youtu.be/Q3iK4JU5Q3M?si=7rV_CODMuuIHJVpw #TheModernLovers #TheOriginalModernLovers #LineRecords #MohawkRecords #ドイツ盤 #FirstAlbum #ThirdAlbum #1981年release #Producer #KimFowley #ArtRock #Garage #AmericanBand #JonathanRichman #JerryHarrison #ErnieBrooks #DavidRobinson #Guest #MarsBonfire
Art Rock / Garage Line Records / Mohawk Records 不明Dr K2
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The Fall “458489 A Sides”
意外とこのバンド好きな人、多いんだよね。と言う訳でThe Fallが登場です。このバンドも息が長かったので、バイオグラフィーは大変かなぁと心配しつつ書いてみます。その前に、このアルバムは1984-1989年にリリースしたシングルのA面の曲を集めたセルフ・コンピで、同時期にB面の曲だけ集めた作品もあります(私は未聴、すまん!こっちの方が聴きたい!)。Voでフロントマンで、唯一のオリジナルメンバーであるMark E. Smithを中心に、1976年にManchesterで結成されます。その時のメンバーは、Mark (Vo), Martin Bramah (G), Una Baines (Perc→Kbd), Tony Friel (B)です。彼等は各々が書いたものを見せ合ったり、ドラッグを回したりしていたらしいです。そして、彼等はH.P. Lovecraft, Raymond ChandlerやMalcolm Lowryの小説が好きなだけではなく、音楽的にもMonksのようなガレージやThe Stoogesが好きだっただけではなく、CanやVelvet UndergroundやCaptain Beefheartも好きだったとのこと。それで、Markは、1976年にSex PistolsのライブをManchesterで観た後、バンド名をOutsidersにしようと言いますが、Tonyが拒否。Tonyが、カミュの小説「転落(The Fall)」から引用して、The Fallに決まります。Unaは初め、ドラマが決まるまでは、ビスケットの缶を叩いていましたが、ドラムがSteve Ormrodに決まるとKbdにスイッチしました。初ライブは1977年5月23日にNorth West Arts basementでした。基本的にThe Fallの音楽は「反復」から成り立っており、それが本質であるとMarkも明言しています。それで、先述のドラマーほ、他のメンバーと政治的心情が違うとして、その一回でやめてしまいます。代わって、Nuclear AngelのKarl BurnsがDrで加入します。The FallはBuzzcocksのマネージャーRichard Boonの目に止まって、1977年11月に”Bingo-Master's Break-Out”EPを録音をしていますが、結局はこの時はリリースできませんでした。結局、The FallのレコードデビューはManchesterのライブハウスThe Electric Circusでのライブ録音のコンピレーション”Short Circuit: Live at Electric Circus”(1978年)になります。その後、1977-1978年に第一回の大きなメンバーチェンジが行われます。Unaの友達で精神病院で働いていたKay Carrollがマネージャー兼バックVoとして加入しますが、Tonyはそれが気に入らなくて1977年12月に脱退します。この代わりにJonnie Brownが、その後にもEric McGannに代わります。この編成で1978年2月13日のGranada TV showに出演し、”Psycho Mafia”など3曲を披露しています。しかしながら、Una Bainesが、薬物のオーバードーズやそれによる神経衰弱で1978年3月に脱退します。代わりにYvonne Pawlettが加入。更に、ローディーだった16歳のMarc Rileyを新しいBとしてリクルートしてきます。先述のお蔵入りにらなりかけたEPは1978年8月に漸く、Step Forward Recordsからリリースされます。1978年12月に、ほんの1日だけで作ったデビューアルバム”Live at the Witch Trials”が、翌年3月にリリースされます。しかし、その直後、Karl Burns (Dr)が脱退し、1979年4月に代わりにMike Leighが加入します。が、一緒に曲を書いていたMartin Bramah (G)が続けて脱退します。それで、Marc RileyはBからGにスイッチし、Craig Scanlon (G)とSteve Hanley (B)が加入します。2人ともMarc Rileyのバンドメイトだったそうです。Steve Hanleyのベースラインはメロディックで、Mark E. Smithもベタ褒めです。1979年7月30日に3枚目のシングル”Rowche Rumble”をMark E.Smith, Craig Scanlon, Steve Hanley, Mike Leigh, Yvonne Pawlettで録音、その直後にYvonneは脱退しています。それでセカンドアルバム”Dragnet”を1979年10月26 日にリリース。格段に音は良くなっていました。The Fallは4枚目のシングルを1980年1月13日にリリースしますが、Mike Leighが脱退し、その代わりに、Steve Hanleyの弟Paul Hanley (Dr)が加入しますか、当時まだ16歳でまだ学校にも通っていました。その後、パンドはRough Tradeと契約、1980年11月に彼等のサードアルバム”Grotesque (After the Gramme)“をリリース。シングルカットされた”Totally Wired”は英国インディーチャートで1位になりますが、MarkはRough Tradeのポリシーが気に入らなくなり、1981年末に契約を切り、Kamera Recordsと言う小さなレーベルと契約します。その前後で、米国ツアーを計画しましたがが、Paulが若すぎて、ライブハウスで夜は出られない為、ビザが降りませんでした。そこで、再び、Karl Burns (Dr)を仮のメンバーとして加えることにし、米国ツアーを敢行します。帰ってきても、Karlはプレイしたいとのことで、ダブル・ドラムと言う編成になります。1982年3月8日に”Hex Enduction Hour”をKamera Recordsよりリリース、更には1982年9月27日にはアルバム”Room To Live”もリリースしています。しかしながら、Marc Rilayが色んな問題・批判があって、1982年末には解任されます。1983年になると、Rough TradeもKamera Recordsもそれぞれ違うシングルをリリースしています。それで、当時のMarkの米国人の恋人(後に結婚)Brix SmithがGで加入。彼女も曲を書きます。比較的保守的ですが、強力にポップな曲を書きます。その為か、イントロ・コーラス・イントロみたいなオーソドックスな構成の曲が多くなります。また、ファッション的にも変化があって、ワーキング・クラスからすると奇異に映る位、グラマラスで派手な服装になるようにメンバーも指示を与えます。1983年に12月5日にRough Trade では最後となるアルバム”Perverted by Language”をリリース。それがBixが参加した最初のアルバムになります。この時期(1983-1989年)はBixの影響もあって、バンドの音楽性も聴き易くなり、多くのファンを獲得できたのではないでしょうか? シングルだと、Dean Taylorのカバー "There's a Ghost in My House" (1987)やthe Kinksのカバー"Victoria" (1988)がヒットしましたし、彼等の曲 "Hey! Luciani" (1986)や"Hit the North" (1987)もヒットしています。この時期のアルバム”The Wonderful and Frightening World of The Fall”(1984), “This Nation's Saving Grace” (1985), “Bend Sinister “(1986)や”The Frenz Experiment” (1988)は音楽評論家からも概ね良いレスポンスが書かれていたとか。この時、ツアー中にPaul Hanleyが脱退してしまいます。代わりにSimon WolstencroftがDrとして加入します。彼は単独ドラマーになりつつあり、Karl Burnsのドラマーと違って、軽快でファンキーな音を出します。後にSimonは2014年に”You Can Drum But You Can’t Hide”でThe Fallでのドラムをことについてのメモアールを出版しています。ええっと、もうこんなに書いてしまいましたが、1990年代と2000年代についてはまた、機会がありましたら、書くことにします。因みに、リーダーのMark E. Smithは、末期の肺癌と腎癌を患っており、2018年1月24日にManchesterの自宅で亡くなっています。60歳でした。彼の死を持ってThe Fallは活動を停止したことになります。The Fallの1980年代の一番良質な音楽をやっていた頃のことは先に記した通りなので、その時にリリースされた曲をコンパイルした本作品について紹介をしていきたいと思います。 メンバー構成については、前述を参考にして下さい。基本的にはMark E. Smith (Vo, Tape, Piano), Craig Scanlon (G), Steve Hanley (B, A-G) Brix Smith (G, Vo)にPaul Hanlay (Kbd, Dr), Karl Burns (Dr, Perc, B), Simon Wolstencroft (Dr, Perc), Simon Rogers (Kbd, G), Marcia Schofield (Kbd, B-Vo)が時期をずらして加わったりしています。また一回限りではGavin Friday (Vo)やFredrica Federation (G)ですね。初期の野暮ったさは上手く書き換えられており、クリアな音になってますね。タイトなリズム隊とMark E. Smithの非ラップ的スポークン・ヴォーカルがあれば、いつだってThe Fallは最高さと言って言ったのは私の友人だが、その通りだと思いますね。本作を聴いて確信しました。グルグル回るような「反復」が気持ちよいではないですか❗️しかもBrixの加入で、曲に幅ができた感じもします。この次はこの企画盤の裏盤”B Sides”を聴いてみたいですね。個人的にはここら辺のThe Fallを良く聴いていたので(特にB面)、聴き慣れている分、気持ちいいです。皆さんもこの時期のThe Fall、きっと気に入りますよ!是非是非! [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_nD8B-4y55KTiLQOItOK-5QyzVEhWevGWA #TheFall #458489ASides BeggarsBanquet #PostPunk #MarkE.Smith #SteveHanley #CraigScanlon #BrixSmith #1984-1989
Post Punk Beggars Banquet 2740円Dr K2
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Schlammpeitziger “Spacerokkmountainrutschquartier”
独逸ケルン在住のアーティスト兼イラストレーターのソロユニットが、この長ったらしい名前のSchlammpeitziger (シュラムパイツィガー)です。これも,何で購入したのか良く分からないんですが、取り敢えず紹介していきましょう。どうも、Casioのキーボード(CZ230-S)を使ったインスト曲を演っているJo Zimmermannののソロユニットで、直接,NDWとは関係無いようですが、その血をちゃんと受け継いでいます。独逸のA-Musik (アー・ムジーク: 日本の竹田賢一さんのバンドとは関係ないです)から出ていることもあって、どちらかと言うとエレクトロニカに分類されているみたいですね。バイオグラフィーを調べようとしたんですが、Wikiが独逸語のしか無くて,よく分かりませんでした。なので、今回は、アルバムの紹介だけしますね。A1はいきなりレコードのサンプル音からなるループ音がリズム代わりになっており、ちょっとビックリします(元音が知りたい)。A2以降は、軽妙なリズムマシンの音と軽めのシンセ・メロ或いはアブストラクトな効果音で電子音楽好きには堪らないですね。やはりNDWのお国柄なのか、曲の色んなところにユーモアを感じます。B2も軽快なリズムが全面に出ており、一種のダンスミュージックですね。リズムマシンはCASIOのキーボードに付いているやつでしようか?(DD. RecordsのT. Kamadaさんの一連の曲を思い出します(と言っても通じないかな?)。A3やA4などはやや重た目の反復するリズムですが、上ものが軽快なので、そんな引きずるようなものではないです。何でしよう?凄く聴き易いので、うっかりすると眠ってしまいそうです。そんな音楽を体験してみませんか? [Full Album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_lcKGOxDD8BWp7yj73F-bpU_8Skgp-WstA #Schlammpeitziger #Spacerokkmountainrutschquartier #A-Musik #Electronica #German #Casio
Electronica A-Musik 2300円Dr K2
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Merzbow “Kibbutz”
今や轟音ノイズの帝王、Merzbowの極初期の作品 ”Kibbutz”のリイシュー作品です。この時のMerzbowは秋田昌美さん(G, Dr, Effects)と水谷聖さん(Kbd)のデュオで、多分、練習スタジオでの演奏から取られていると思います。録音は1983年7月に(多分エアーで)成されたものです。Merzbowに関してはバイオグラフィーは以前に少し書いていますので、そちらを参考にして下さい。元々はイタリアのADNからカセット作品でリリースされた作品ですが、今回のリイシューもイタリアの浦島(Urashima)からで、ジャケはクリアーで、盤面やラベルも真っ白で、実にそっけない装丁になっています。その素っ気なさの相まって,内容は先に書いたように、実に生々しいライブ録音になっています。当時は,このカセットで、秋田さんがドラム叩けるのを初めて知りました 苦笑)。それよりも凄かったのは、水谷さんの唸るようなノイジーなキーボード(オルガン?シンセ?)の演奏で、それにギターのフィードバック音や、時にトライバルな時にフリーなドラムが絡むと堪らないです。なので、この時期のMerzbowの音を知りたいと思う方は、見つけたら、即ゲットして下さい。 https://youtu.be/AuJX3jIN248 #Merzbow #Kibbutz #MasamiAkita #KyoshiMizutani #Urashima #Noise #ADN #FreeMusic
Noise Urashima (ADN) 不明Dr K2