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Z’ev “My Favorite Things”
とうとう出ました!Z’evの作品です❗️先ずは、彼のバイオグラフィー(膨大過ぎてちょっと端折り気味に行きます)をつらつらと。Z’evことStefan Joel Weisserは1959年から1965年にかけて、ドラムをArnie Frank、Chuck Floresらと共に米国CAのArt Anton at Drum Cityで学んでいました。1966年から1969年にかけて、Carl Stone、James Stewartと共にバンドを結成、ジャズロックを演奏していました。この時,Frank Zappaのビザール・レコードにオーディションを受けた後、彼とCarlは カリフォルニア芸術大学で学ぶことになります。その時期、詩人のEmmett WilliamsやMichael S.Bell、作家で評論家のSue-Ellen Caseと共に学び、Stefan Weisser名義で映像と音響詩の混ざった作品を作っています(一部はレコードになっていますので、また別の機会に紹介します)。1977年、彼は、La Mamelleにおいて初めての個人でのパーカッションパフォーマンス”Sound of Wind and Limb”を行い、その後、金属クズ、列車のスプリング、プラスティックの廃材などから成る手製の「楽器」を演奏すると言う独自の演奏スタイルを確立しています。なお、彼が咥えタバコをするのはパフォーマンスの時間を知る為であるとされています。1978年に彼は両親から名付けられたヘブライ語の名前Sh'aul Z'ev bn Yakov bn Moshe bn Sha'ulに由来するZ'evを名乗るようになります。その後,初の欧州ツアーや英国ツアーを敢行し、様々なアーティストやグループと共演したり、コラボ作品を作ったりしており、この頃は所謂インダストリアル・ミュージックとの繋がりが出来、一役、彼が有名になった頃ではないでしょうか。2016年にカンサスでの列車事故に遭い、健康上の問題が発覚。一時期はBoyd Riceの元に身を寄せており、ポルトガルのSound Lab Sonoscopiaにも参加しましたが、2017年12月16日に呼吸不全で死去。 それで,本作品”My Favorite Things”ですが、A面は”Access”として2曲 “Zones” と”Element/L”と言うNYCでのライブ録音が収められており、B面は ”Memory”として6曲の様々な場所(NYC, Baltimore, Amsterdam, Den Bosch, Stockholm 及びVenio)でのライブ録音の抜粋が組曲風に収められています。Z’ev氏自体はちゃんと打楽器の音楽的訓練を受けていますので、ここに収められている曲は何れも高度な技法によっての打撃音から成っていますが,極初期のビデオなどを観ると、鎖で繋いだポリタンクをグラグラと引き摺り回したり、列車のスプリングを叩いたり,或いは金属性のオブジェと格闘したりと、そのアイデアが豊富であるのを体験できます。それで,本作品も、全編,メタル・ジャンクとの戦いですが、A-2は何か籠った音質で、本作品中では異質でだなぁと言うのも、これはポスト・プロダクションを行っているからですね。あと、1990年代(?)に、彼が来日した時のライブを観たことがあるのですが、その頃は、金属性の大筒や吊り下げたドラと言うように,よりシステマティックな配置になっていました。それにしても彼のドラミングは凄いです!私自身もそのようなドラミングには影響を受けて、”Materia Informis”を作ったりしましたね。また,それは兎も角、SFの地下音楽レーベルSubterranean Recordsからリリースされた「私のお気に入り」、聴いてみてちょ❗️ [full album] https://youtube.com/playlist?list=PLHP7bAjOIkpBc9WssKffDuM7_2dBVAiRt [live] https://youtu.be/jJJcS_5NEbc #Z’ev #MyFavoriteThings #MetalPercussions #Drumming #SubterraneanRecords
Noise Experimental Subterranean Records 2500円位?Dr K2
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Die Krupps “Stahlwerksynfonie”
またまた登場の独逸鋼鉄王ことDie Kruppsのファーストアルバムです。一応、12㌅ですが、両面とも45回転なので、EP扱いにしましたが、実質、彼等のファーストアルバムです。私がDie Kruppsを知ったのは、ロック・マガジンの付録に付いていたソノシートなんですね。ライブ録音だったと思います。当時、西のEinstrutzende Neubauten、東のZ’evと言うメタル使いがいましたので、どちらも大好きだった私は、そのソノシートが一発で気に入ってしまいました。彼等のバイオグラフィーは以前に書きましたので、省略させて頂きます。元々はDüsseldorfでJürgen EnglerとBernward Malakaが中心となって1980年に結成されました。この頃のメンバーははっきりしませんが、Jürgen Engler(Vo, G, Stahlofon), Bernward Malaka (B), Frank Köllges (Dr), Ralf Dörper (Kbd), Eva-Maria Gößling (Sax), Ralf Albertini (?), Christina Schnekenburger (Syncussion, B)でしょうか?両面とも同じ曲の通常ロック・ヴァージョンとメダパー・ヴァージョンからなります。曲の屋台骨のベースはほぼほぼ単音を単調に弾き続け、それにドラムが合わさって曲の骨格が出来ているのですが、上物がA面とB面で違います。A面はフリーキーなギターとサックスが主体で、B面はStahlofonと呼ばれるメタパーと咆哮が主体になっています。この単純だけど強烈な金属音のシンフォニーは他に類を見なかったですね(Neubautenを除くとですが)。その後、メンバーチェンジや音楽性の変遷によって、EBMやインダストリアルと言うようなバンドになっていきます。2016年には、このアルバムのセルフ・カバーアルバム”Stahlwerkrequiem”をリリースしています。それ程までに画期的な作品であったと思われます。そうですねぇ,カオスを表現したら、こんな音楽になると言えばいいですかね?そんな彼等の限定を聴いてみてください。 https://youtu.be/wZNhRjrwg7w #DieKrupps #Stahlwerksynfonie #Stahlofon #Freaky #Monotonous #Industrial #Guitar #Sax
Neue Deutche Welle (German New Wave) Zick Zack 2000円位?Dr K2
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Throbbing Gristle “D.o.A. The Third and Final Report”
この一枚が私の音楽活動を180度変えてしまいました。そうです、Throbbing Gristle (TGと略します。その意味は「脈打つ男根」と言うスラング)のセカンド(?)アルバムです❗️これを高校2年の駿台夏期講習で東京にいた時に購入したのが運の尽き。それまではテクノ・ポップが大好きだった私の脳みそに、このアルバムはショックを与えたのです。今まで聴いたことの無言うタイプの音楽?音楽なのか?そんな不気味さがその時はありましたねぇ。しかもメンバーにはテープとマシン担当と言うPeter “Sleazy” Christophersonがいるし。そもそも、普通、バンドと言ったら、ギター、ベース、ドラムそれにいてもキーボードだろう?なんだ⁈ この編成は?とその時は思いました。しかも、収められてる曲にはコンピューターのバグ音、ロックの残骸、ヴァイオリンの弾き語り(GenesisがCoseyをChrisに寝取られたことに対する悲しみの曲)、エレ・ポップ調の曲(ABBAのサンプリング)、フィールド録音、シングルの早回しなどテンでバラバラな内容。特に、名曲 ”Hamburger Lady”は全身に火傷を負ったオランダ人女性のことみたいで、かつ音も鬱々とした単調な曲で。またジャケも小児性偏愛のサブリミナルが入っているし。田舎の高校生には疑問だらけ、刺激だらけのアルバムでした。それを理解しようと一生懸命聴いてましたね。そんな訳で、このアルバムは、私のインダストリアル・ミュージック強いてはノイズ・ミュージックへの入り口となったターニング・ポイント的な作品だったのです。今でも刺激的なアルバムなので、未聴の方は今からでも聴いてみてください。きっと何かを得ることができますよ。因みに、D.o.A.とはDead on Arrivalのことで、救急車が到着した時に心肺停止の状態の意味です。 [full album] https://youtube.com/playlist?list=PLMMTrEN3GJc5fXFn_8fq-WBKGUSB0kFau “Five Knuckle Shuffles” https://youtu.be/03zSxCaaaLM #ThrobbingGristle #D.o.A. #IndustrialRecords #Industrial #HamburgerLady #Weeping
Noise, Industrial Industrial Records 2200円位?Dr K2
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This Heat “Deceit”
いよいよ登場です、This Heatのセカンドアルバム”Deceit”の登場です❗️ここで、少しバイオのおさらいをしておきます。メンバーは、Charles Bullen (G, clarinet, viola, Vo, tapes)とCharles Hayward (Dr, Kbd, Vo, tapes)及びGareth Williams (Kbd, G, B, Vo, tapes)の3人組で、1976年に英国ロンドンで結成されました。元々、HaywardとBullenは、Roxy MusicのギタリストPhil Manzaneraのプログレ・バンドQuiet Sunのメンバーでした。Quiet Sunは短命に終わりましたが,HaywardとBullenは音楽の指向が似ていたこともあっで、解散後も Dolphin LogicとかFriendly Riflesと名乗って、一緒にやっていました。そこに音楽経験の無いヴィジュアル・アーティストのGareth Williamsが加わり、トリオとして1976年からThis Heatとして活動を開始します。初めは、Haywardの両親の家の屋根裏ででもテープ作りをやっていましたが、使われなくなった冷凍庫室を自分達のスタジオとして使うことになり、そこをCold Storageと名づけ、ジャムセッションやテープ操作などをしていました。また、ガーナ人パーカッショニストMario Boyer Diekuurohとともセッションも続けており、その結果は、フランスのTago Mago誌が1982年にリリースしたAlbert Marcoeurとのスプリットカセット作品となっていますす。 それで、This Heatの方は、1976年2月から1987年1978年にスタジオやライブで録り溜めた音源も使い、1979年8月にセルフタイトルのファーストアルバムをリリースします。ここでは、徹底したテープ操作とループ音の活用が行われており、このようなポスト・プロダクションが可能であった彼等のスタジオCold Storageの存在が大きかったと推測されます。その後、12㌅EP ”Health and Efficiency”をリリース。そして、本作であるセカンドアルバム/ファイナルアルバムが、Rough Tradeと契約して1981年にリリースされます。今でこそ、このアルバムはポストパンクとも位置付けられますが、当時はアイス・エイジ等と呼ばれていました。1982年の欧州ツアーを終えた時に,HaywardはTrefor Goronwy (B, Vo)とIan Hill (Kbd)を巻き込んで,Stephen Rickard とTrefor Goronwyと一緒にCamberwell Nowを結成しており、また、BullenもソロユニットLifetonesを名乗って活動をするようになります。これらの理由でThis Heatは活動を停止します。その後、未発表音源なども含むボックスセットを出したりしています。2001年12月に、バンドは、再度、リハをしますが、Williamsが癌で亡くなったこともあって、This Heat名義でのリリースは最後になりました。ただし,HaywardとBullenは2016年に、This Is Not This Heatとして復活しています。 それで本作”Deceit”ですが、ショッキングなジャケ写と共に、内容は緻密でダイナミックで、素晴らしい作品になっています。トリオなのですが、テープ操作も駆使しており、そのコラージュ感覚や音に対する組み合わせなどには卓越した技術と完成度を持ち合わせています。恐らく、テーマは世界が暗くなり、どうしようもなくなっ酷くなっている危機感を孕んだコンセプトであると推測されます。流石に、Haywardの歌うようなドラミングやBullenの禁欲的なギターはすごいですね。このような手数の多いドラムにはWilliamsの寡黙なベースやキーボードが活きてくるのだと確信しました。また、ヴォーカルのメロディも独特で,東欧や中東の民族音楽のようにも思えます。個々の曲の感想は省略しますが、これは絶対、次世代に繋げたい音楽なので、未聴の方,若い方は是非とも❗️ [full album] https://youtube.com/playlist?list=PLkyz3_m3zeWERmlH93qyb9c1CN4Ct74Fe [live] https://youtu.be/IVDErVzy-cw #ThisHeat #Deceit #CharlesHayward #GarethJohns #CharlesWilliams #IcyAge #Avante-Garde #Alternative
Experimental rock Rough Trade 2500円Dr K2
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The Human League “Holiday 80z”
英国の工業都市シェフィールドから出てきたThe Human Leagueで、これが分裂前の最後のリリースとなります。このミニアルバムは分裂時にリリースされたもので、本国では7”EPとか7㌅2枚組などの様々な形態でリリースされていましたが、日本向けには、2曲追加して12㌅のミニアルバムとしてリリースされました。まあ、恥ずかしいことに、大きなレコードラベルにはアイドルっぽい写真が使われてますね 苦笑)。The Human Leagueのバイオグラフィーは前回書きましたので、ここでは割愛させてもらいます。このミニアルバムには、未発表曲,ヴァージョン違い、カバー曲などが収められており、少し散漫な印象を与えますが、聴きどころは多いです。A-1 ”Marianne” は未発表曲で、この1曲だけでも買って良かったと思える程、ポップネスと実験性を併せ持った曲です。何度も聴き直したものです。A-2”Dance Vision”はThe Human Leagueの前身The Futureの時の曲で、実験性丸出しのダンスチューンです。そしてA-3はセカンドアルバムにも収録されていた曲”Toyota City”のロングヴァージョンです。B-1”Rock’n’Roll”とB-2 “Nightclubbing”はDavid Bowieの曲のカバーでメドレーになっています。そしてB-3はセカンドアルバムにも収録されている彼等の初期の代表曲でもある”Being Boiled”(このヴァージョンではThe Boys of Buddhaのシンセ・ホーンがカッコいいです)が収められています。しかしながら、今から考えると、これは、The Human Leagueの名前で一儲けしようと言うレコード会社の思惑が見え見えですね。でも、”Marianne”は名曲なので、それだけでも聴いてみて下さい。 https://youtu.be/1F8aZaI9GJc #TheHumanLeague #Holiday80 #Marianne #DanceVision #ToyotaCity #Rock’n’Roll #Nightclubbing #BeingBoiled
Synth Wave Virgin Records 2000円位?Dr K2
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Noise “天皇”
もう何度も再発している日本アンダーグラウンド界の問題作、Noiseの「天皇」です。私のは初回プレス分ですが、当時、2000枚プレスして全部売り切り、更には他のレーベルからの再発も悉く瞬殺。メンバーは、現在は Maher Shalal Hash Bazで活躍している工藤冬里さんと大村(現: 工藤)礼子さんの2人です。一曲だけ渡辺敏子さんがドラムで参加しています。元々は、Worst Noise, Worst Noise Dance To Deathなどとバンド名の変遷とメンバーの入れ替えがありましたが、1970年代後半から1980年代前半で活動し,結果、バンド名はシンプルにNoiseになりました。殆どのトラックは冬里さんの壁の様なオルガン音と礼子さんの天使のような歌から成ります。時に、礼子さんがギターやトランペットで、冬里さんがドラム(と言うかスネアとハイハットのみ)も演奏しています。オルガンもよく言えば絶対的壁の様に鳴らされていますが、悪く言えば、初心者が適当に弾いているだけとも言えます。ちょっと違うかもしれませんが、米国のUNS(Z’evの変名)の様なオルガン・ノイズが近いでしょうか?また、礼子さんの歌は伸び伸びとしていて、バックのオルガンと相まって、一種の讃美歌の様でもあります。興味深いことに、歌詞カードが付いているのですが、独逸語訳も付いています。海外のマニアも探していると言われているアルバムですが、Noiseとしてはこの一枚で終わっています。私個人は、当時、内容も余り吟味せずに買いましたが、その時は、「何だ、つまらん」と言う感想でした。それにアルバム・タイトルや歌詞に、当時のマイナー(ロック喫茶のこと)周辺のバンドの独特な言葉が散りばめられているのもマイナスポイントでした。しかし、この機会に30年振り位に聴き直してみましたが、意外にもすんなり聴けて「凄く良かった」と感じました。時々入る礼子さんのフリーキーなギターやトランペットもカッコいいです。だから、良いと思える人には「愛聴すべき宝物」ですが、特に何も思わなかった方には「クズ」になると言う、聴き手を選ぶ音楽なんだろうなと思います。そん音楽ですが、気になった方は、中古盤屋で探してみて下さい。個人的にはこの演奏をでかい教会でやってみたら面白いかもと思いました。 https://youtu.be/zwIkYB8QVZ4 #Noise #天皇 #EngelRecord #工藤冬里 #大村礼子 #Organ #歌詞
Experimental Engel Record, ALM Records 2500円Dr K2
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19 (Juke) “Ninety Seven Circles”
今をときめく、画家/芸術家の大竹伸朗が、1978年に結成した、(基本的に)宅録バンドが19 (Juke)です❗️1980年12月から1982年9月まで.精力的活動していました。その時のメンバーは、Shinro Ohtake, Takuji Nomoto, Toshiaki Tohyama, Yohko Ohtaとのことですが、どの時期に誰がいたかは不明です。この間に4枚のLPと1枚のシングルをリリースしています。ただ、人前でのライブは殆どやっておらず、一回だけ、法政大学学館大ホールでやったらしいです。ファーストアルバムは、G, B, Dr & Voと言うロックの基本の4ピースでありながら、メチャクチャに歪んだショートトラック45曲も詰め込んでいたことで、自主制作としては話題になりました。そして次にリリースされたのが、この作品 ”Ninety Seven Circles”です。ここでも編成はほぼ同じで、曲によってはシンセらしき音も入ると言う感じです。大竹氏は、19 (Juke)を始める前に、1980年に武蔵野美術大学を卒業し、2度目の渡英をします。その際、友人でもあった芸術家Russel MillsとロックバンドWire/DomeのメンバーであるBruce Gilbert及びGraham Lewisとの4人でサウンド・パフォーマンスを行なっており、その年の10月に帰国し、早速、19 (Juke)を再始動し、アルバム作製を始めます。この時は部室でのライブ演奏をラジカセ一発録りで録音したとのことですが、大音量であった為、バランスや音は歪みまくり、ノイズ・ロックのようになってしまいました。しかし、彼等はそれを良しとして、編集し、ファーストアルバムを作ります。それで得たお金でミキサーを買い、セカンドアルバムに向けての音源の作製にかかります。音の分離は良くなりましたが、相変わらずの歪んだノイズ・ロックなシングルをリリース後、セカンドアルバムとしてノイズ・ロックな音源をリリースします。それが、本作品になります。本作品も曲数は多いのですが、ラジカセ録りだったのか、歪みまくっていますね。rawな音ですが、説得力がありますし、音楽的にもエフェクトをかけたり、シンセを使ったりと進歩しています。ただ、この後にリリースされたサードと4枚目は、手作業によるテープループなどを用いたりと全く違う形態の音楽になっています。私は個人的には、このアルバムの前に出たシングルが大好きで、当時は本アルバムと共に愛聴していました。芸術畑の人がその感性のまま、音楽をやるとどうなるか?と言う疑問に対する答えの一つが、この19 (Juke)なのかも。この時代に、ノイズ・ミュージックに整合性を持たせたかったアーティストやグループが多かった中で、敢えてラジカセ一発録りと言う逆転の発想で音楽を作り上げたと言うのが興味深いです。是非、皆さんも聴いてみて下さい。 https://youtu.be/ZKORv7phOhY #19 #Juke #NinetySevenCircles #大竹伸朗 #NoiseRock
Noise Rock SELF-RELEASED 2500円位?Dr K2
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Phew “Our Likeness”
日本を代表する音楽家の一人であるPhewさんの1992年にイギリスのMuteから出た作品です。Phewさんのバイオグラフィーは前回、書きましたので、省略しますが、このアルバムは初の海外レーベルからのリリースであって、これをもって、彼女の世界的評価に繋がったのだと思います。近年では、彼女は、自身のヴォーカルとアナログ・シンセ及びリズムボックスでのソロ活動で有名ですが,本作品では、Phewさんに加えて、元CanのJaki Liebezeit, Einstrutzende Neubautenにも在籍していたAlexander Hacke, D.A.F.やBBCHでも有名なChrislo Haas及びThomas Steinの言う布陣で臨んでいます。普通、楽曲が出来てから、歌を考えて入れると思うのですが、本作品では歌が先にあって、それに合わせて、楽曲を後から使ったのでは?と勘繰ってしまうぐらい、彼女の唄は、高らかに、しなやかに歌われています。まあ、歌詞は日本語なんですが(英訳は付いています)、他のメンバーにはどう理解されていたのか?或いは歌詞の内容の理解無しに楽曲が作られたのか?そこら辺の謎解きも面白いですね。A-3 “Being”ではパンク調のデス・ヴォが特徴的ですが、個人的には、B-1 “Smell” ~ B-2 ”Depth of the Forehead”の「昔話の語り」のように囁くようなヴォーカルと断続するバックの音との対比からヘビーなビートに対抗する力強いヴォーカルへの流れが、一番面白かったですね。しがしながら、彼女の表現力は凄いですね。決して歌が上手い(譜面通りに歌うと言うこと)訳ではありませんが、その不安定な音程や言葉の選び方、字余りな歌詞などは一聴してPhewさんだ!と分かる程、個性的ですね。それこそがヴォーカリスト冥利に尽きると思います。これからも、我々をビックリさせる音楽を聴かせて下さい。 https://youtu.be/jr5xCnlm5Gk #Phew #OurLikeness #Mute #JakiLiebezeit #AlexanderHacke #ChrisloHaas #ThomasStein
Alternative, Avant-Pop Mute Records 2500円?Dr K2
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The Flying Lizards “Fourth Wall”
段ボールをドラム代わりに叩いて、ペナペナのギターに合わせて、往年のロックの名曲を無表情な女性ヴォーカルに歌わせると言う、通常のカバーソングとは全く異なるアプローチでヒットを飛ばしたのが、このThe Flying Lizardsです。本当なら、そのアルバムを紹介するところですが,私は持ってないので、セカンドアルバムをご紹介します。その前に、The Flying Lizardsって何?から。結成は1976年のロンドンで、リード・シンガーにDeborah Evans-Sticklandを迎えてBarrett Strongの "Money" をカバーして、英国・米国のチャーインした、David Cunninghamのバンドと言うよりは不定形プロジェクトで、関係したアーティストの方はDavid Cunninghamに加えて、Steve Beresford, Bob Black, Deborah Evans-Stickland, Robert Fripp, Vivien Goldman, Peter Laurence Gordon, Julian Marshall, Patti Palladin, Sally Peterson, David Toopと英国即興演奏家から素人に毛が生えたような人まで多岐に渡ります。ファーストアルバムでは前述の”Money”の他、Eddie Cochranの“Summertime Blues"もカバー。英国チャートには60位に食い込みました。その後、1979年に本作であるセカンドアルバム”Fourth Wall”を発表しましたが、売れずに。まあ元々が、ヒットを飛ばすために作ったバンドではないので、彼等は気にはしなかったようです。1984年にもSally Petersonと組んでサードアルバムTop Ten”をStalk Recordsからリリース。 これには、James Brown'の"Sex Machine"とLeonard Cohenの "Suzanne"のカバーが含まれており、これら曲は それぞれシングル・カットされています。その後、David CunninghamはテレビのCMや映画のサントラなどの仕事をしていましたが、1978年に作ったダブ・アルバム”The Secret Dub Life of the Flying Lizards”をリメイクしたり、1995年には、ファーストとセカンドアルバムの再発である”The Flying Lizards and Fourth Wall”をRPMから出したりしてます。 それで今回、紹介する本作品もファーストの延長線であり、豪華なミュージシャン(英国屈指の即興演奏家であるDavid ToopやSteve Beresfordや、プログレ界からもRobert Flipp、ミニマルミュージックのMichael Nyman、またThe Pop GroupのGareth Sagerなども)が参加しており、屈折したポップミュージックを演奏しています。曲はDavid Cunninghamが書いており、今回の女性ヴォーカルはPatti Palladinで、余り抑揚の無いヴォーカルを披露してます(なお、彼女はJohnny Thundersとデュオでアルバムを作製したりしているみたいです)。曲によってはインスト曲もありますし、シンセやループが多用された曲もあり、ヴァラエティに富んでおり、色々と楽しめます。またDavid Cunninghamは「ポップミュージックはそれ自体が政治的である」との発言もあり、RIOとの関係もありそうです。それは別としても、世間の評価は低かったですが、音楽ライターの評価の高かった、このセカンドアルバムも聴いてみてください。 [full album] https://youtube.com/playlist?list=PL1Oj5iLNw4N2Z5SzCIYWmj15FSzkZJ1d2 [“Summertime Blues”のカバー] https://youtu.be/FDJvr_ZA6jg #TheFlyingLizards #FourthWall #Avant-Pop #DavidCunningham #PattiPaladin #VirginRecords
Avant-pop Virgin Records 2000円位?Dr K2