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Thirdorgan “Jinzojingen (人造人間)”
これはある意味、レアですよ。1990年代に活動していた、大阪のジャパノイズ・ユニットThirdorganのアルバムです。Thirdorganは、大阪在住の清水アキヒロさんが、1990年代初頭からやっているソロ・ノイズ・プロジェクトであり、今でも活動しているようです。当初は多量のエフェクターを使ったテーブル・トップ・スタイルで、所謂「ジャパノイズ」の典型的スタイルでもって大音量のハーシュ・ノイズを奏でていましたが、割と早い時期にラップトップ・スタイルに移行しています。詳しいバイオグラフィーが無いので、これ以上は書けませんが、今も録音物はリリースされているので、そちらの方で確認してください。 それで本作品ですが、全編、砂嵐のような轟々たる大音量の電子ノイズの一斉放射からなります。しかしながら、これが単調にならならず、色んな音像を見せながら、生き物のようにのたうち回る様は快感的でもあります。”Do you Love Hakaider?”や”Do You Believe In Loch Ness Monster?”或いは”Do You Know Glynis Barber?”と言う曲名やジャケがしますように、TVの特撮モノの影響を受けているようです。ここら辺は「時代」ですね。久しぶりに聴いたのですが、良くも悪くも、ジャパノイズを象徴する音だなぁと感服しました。多分今は、ラップトップなので、また違った音(=ノイズ)をやっているのでしよう。なので、1990年代のジャパノイズを知りたければ、このアルバムを聴くことをお勧めします。絶品です!因みにレーベルのHarbinger Soundは親日家のSteve Underwoodが運営しており、来日もしています。 Youtubeになかったので、別の曲で。 https://youtu.be/d4dQw3T03OA #Thirdorgan #Jinzouningen #人造人間 #Hakaider #Harbinger #HarshNoise #Japanoise #AkihiroShimizu #TableTop
Noise Harbinger Sound 不明Dr K2
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AMK “Mecca”
限定10部はないでしょ❗️と言う訳で、1980年代中期より活動する米国のAnthony Micheal KingことAMKの登場です。彼はBanned Productionsと言うレーベルも運営しており、The HatersのG.Xe. Jupitter-Larsen氏とも長年に渡り協力関係にあります。バイオグラフィーらしき情報はなく、割と謎の多い人物ですが、1999年に私が西海岸ミニツアーをやった時に、初めて彼に会いました。その第一印象は「変わり者」でした。それまでも、1993年位にお互いに郵便で連絡を取っていたのですが、彼の演奏形態には驚きました。彼はそれをアナログ・モンタージュと呼んでいました。つまり、既存の曲が録音してされている複数枚のソノシートを文字通り切り貼りして、台紙に貼り付け、それをレコードプレイヤーで再生すると言う手法で、当然、針飛びやチリノイズやらに混じって、既存の曲がコラージュされて再生するとなる訳です。或いは溝が違い過ぎて、ちゃんと再生できない。これをもって彼の演奏が始まる訳です。それで、本作品ですが、ラテカット盤なんですが、時々、これは本当の針飛びなのか?録音されたものなのか?と言うことが分からなくなってきます。元々が、ソノシートなので、わからないです。そんな狐に包まれたような音楽体験はどうでしようか? 因みに、この盤を出しているHarbinger Soundは英国のSteve Underwoodが運営するレーベルで、1990年から活動しています。そして、この作品は20枚作って、10枚だけ流通し、残りはAMKが壊して、アナログ・モンタージュに使ったらしいです。 YouTubeには無いので、他の作品で。 https://youtu.be/5n_qX6sKpEM #AMK #Mecca #HarbingerSound #AnalogMontage #LathCut #Noise
Experimental music Harbinger Sound 不明Dr K2
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Contagious Orgasm “Impregnate Mannequin”
今回も出ました名古屋が世界に誇るインダストリアル・ユニットContagious Orgasmの作品 “Impregnate Mannequin”です。国内よりも海外、特にAnt-Zenを中心にしたヨーロッパで絶大なる人気を誇る橋本浩さんのユニットです。バイオグラフィーは前回書きましたので、省略しますが、1980年代後半からずっとマイペースで活動を続けている「もう一つの日本の顔」でもあります。時には、ニューウェーブにも近くなる作品もありますが、基本的には、ダーク・インダストリアルな路線で一本筋を通しています。それで,本作品ですが、リリース元は英国のHarbingerが行っています。しかしながら、オリジナルの音源は1986-1988年に作成されています(私は未聴)。そして、今回、橋本さんが1997年にリクリエイト/セルフ・リミックスして、作り上げた作品になっています。この頃は、まだ、彼の音楽的要望に応えるだけのスペックを持ったサンプラーがなかったのか、ショート・ループや逆回転などを組み合わせて、かなりノイズ寄りのインダストリアル・ミュージックになっています。聴き方によっては、荘厳なリチュアル・ミュージックですらありますね。流石にセルフ・リミックスしただけであって、音の配置などや展開に凝っています。また,この頃は彼のソロと言う意味合いで活動していたようです。本作品のスリーブは広げると特大ポスターになるように成っており、そのデザインはS. Sugiura氏が担当しています。クール❗️そんなContagious Orgasmの初期作品にも触れてみてください。因みに本作品は独逸のレーベルRaubbauによってCD再発されていますが,ヴァイナルの方が荘厳さが伝わりやすいかな? “Impregnate Wave Body” https://youtu.be/wSK1Pa_gVFc #ContagiousOrgasm #ImpregnateMannequin #IndustrialMusic #Noise #Ritual #HarbingerSound
Industrial, Noise Harbinger Sound 不明Dr K2
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Deepkiss 720 “Pace x Friction”
これまた,謎なレコードを持っていました。ピクチャーLPだから、Harbinger Soundだから購入したのかな?バンド名はDeepkiss 720で、作品名は”Pace x Friction”とのことですが、先ずはDeepkiss 720について。これはどうもJason Williamsのソロユニットのようです。彼は、1997-1999年の間、Quick Latin Handfulと言う自主制作レーベルを運営していました。一方で、Mothers Of The Third Reichを名乗ったり、Archaic BrailleやClarence PalmerやThe Vitamin B12のメンバーとかで1990年代から活動をしていたみたいです。ここら辺をレーベルで言うと、Betley Welcomes Careful Driversで、共演アーティストで言うとCock E.S.P.とかPrick Decay辺りであることから、90年代英国スカム系ノイズの系譜に属するユニットと考えられます。本作もその通りで、色んな既成の音楽や様々な音の断片、女性のナレーションなどを高速コラージュしたり、グニョグニョとテープ操作したり、CDの音飛びをしつこく当てはめてみたりで、やりたい放題です。こう書くとカッコいいように聞こえますが、出来上がったものはジャケ写やピクチャー盤の盤面とも共通する「クズな雑音楽」になっております。まあ、やり過ぎの美学なのかもしれませんね。日本で言うと,初期Boredomsに近いかな?(それはちょっと言い過ぎか?)こう言うノイズユニットは90年代にら比較的よく居たんですが、今はどうしてるのかな?偶には頭ん中をシェイクするのにはもってこいの音楽です。貴方もどうですか? [Live] https://youtu.be/tMZq1knSORw #Deepkiss720 #PaceXFriction #HarbingerSound #PictureRecords #Scum #Noise #1990年代
Noise Harbinger Sound 不明Dr K2