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The Fall “I Am Kurious Oranj”
今回は、The Fallの11枚目のスタジオ・アルバム”I Am Kurious Oranj”を紹介します。因みに、Discogsとか見ると、シングルやアルバムなんかを全部合わせると250枚位出しており、この作品は、中期から後期に掛けての作品と思います。メンバーは、Mark E. Smith (Lead-Vo), Craig Scanlon (A-G, Rhythm-G), Steve Hanley (B), Simon Wolstencroft (Drs), Marcia Schofield (Kbd), Brix Smith (Lead-G, Vo)で、ほぼほぼ鉄壁の布陣ですね。Steve Hanleyが居ることは、音楽的にかなり大きいですね! ここら辺に来ると、The Fallらしい「タイトなリズム」と「反復」のスタイルが確立しています。一方で、A2 “Overture From 'I Am Curious Orange'”でのアコギの使用なんかは新鮮ですね。A3 “Dog Is Life / Jerusalem”の前半の”Dog Is Life”はMark E. Smithのスポークン・ワードをラジカセ録りしたもので、ちょっとだけ実験的です。B1 “Win Fall C.D. 2080”のコーラスの使い方も面白いです。B4 “Bad News Girl”は前半のバラード調のスローな部分からのアップテンポへの変換がカッコ良いです。そらで、どうもこのアルバムは、英国の有名バレエ団Michael Clark & Companyの作品”I Am Curious Orange”の劇伴として作製されたらしく、ジャケの内側にそのバレエ団の写真が掲載されています。実際には、2000年に開催されたエジンバラのバレエ・パフォーマンス・フェスで、”I Am as Pure as Oranj”と言う演目で、ライブ形態でコラボ上演されています。殆どの曲は、Steve HanleyとBrix Smithによって書かれています。因みに、本作品のタイトルは、スウェーデンの映画監督Vilgot Sjömanの作品”I Am Curious Orange”を文字ったとのこと。The Fall (或いはMark E. Smith)のカリスマ性を感じさせる作品であり、英国での不動の立ち位置を思い知らされる逸話だと思います。ただ、この頃、Mark E. Smithは酒とドラッグに溺れており、妻でもあるBrix Smithとの破局へと向かって行った時期でもあったそうです。本作品からは、"Jerusalem/Big New Prinz"と"Cab It Up"がシングル・カットされています。Mark E. Smithの破滅的生き様とバレエ音楽と言う特異な要素が絡み合ったアルバムですが、個人的には、傑作の一つだと確信していますので、是非とも聴いてみて下さい‼️スタジオ・アルバムで、ちゃんとしたエンジニアも付いての録音ですので、初期のようなペナペナな音ではないので、ご安心を❗️ A1 “New Big Prinz” A2 “Overture From 'I Am Curious Orange'” A3 “Dog Is Life / Jerusalem” A4 “Kurious Oranj” A5 “Wrong Place, Wright Time” B1 “Win Fall C.D. 2080” B2 “Yes, O Yes” B3 “Van Plague?” B4 “Bad News Girl” B5 “Cab It Up!” A3 “Dog Is Life / Jerusalem” https://youtu.be/56op4fd7ezY [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_mOOwpnawcgmkwtqXLlsS6SfngTg_BgY4Q&si=DCD8rzMEBgiRduf1 #TheFall #IAmKuriousOranj #BeggarsBanquet #StudioAlbum #PostPunk #IndieRock #MusicForBallet #MichaelClark&Company #MarkESmith #CraigScanlon #SteveHanley #SimonWolstencroft #MarciaSchofield #BrixSmith
Post Punk Beggars Banquet 2650円Dr K2
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The Fall “This Nation's Saving Grace”
やっとさ、買えました。そう!The Fallの8枚目のスタジオ・アルバム”This Nation's Saving Grace”です!The Fallのアルバム、今、結構高いんですよ。なので、購入出来たのは、リマスタリングされた再発盤です。The Fallのバイオグラフィーは初期については既に書いてありますが、前回の続きを補足したおきます。1982年3月8日に、名盤”Hex Enduction Hour”をKamera Recordsより出し、その後、同年4月19日には7枚目のシングル”Look, Know”も出しています。そして、同年9月27日には、アルバム”Room To Live”もKamera Recordsよりリリースしていますが、その年末に、Ozツアーでの殴り合いを起こしてしまったことで、Marc Rileyが解雇されています。1983年に、Rough Tradeは、The Fallの9枚目のシングル"The Man Whose Head Expanded"を、同年9月には10枚目のシングル"Kicker Conspiracy"をリリースしています。一方、Kamera Recordsは、1982年にリリース予定だったシングル"Marquis Cha Cha"をレーベル側の資金問題で、1982年末にリリースは差し戻しにしてしまいます。1982年にSmithの米国人ガールフレンド(後に結婚する)Brix SmithことLaura Elise Salengerをギタリストとして加入させます。これによって、バンド・サウンドはよりポップで、オーソドックスな方向へと向き、Brixの影響で見かけも洗練されていきます。そして、同年12月5日に、Rough Trade最後のアルバム”Perverted by Language”をリリースしますが、この作品はBrixが加入した最初のアルバムになります。また、同時に、ライブアルバム”In A Hole”をFlying Nun Recordsからもリリースしています。この頃はBrixの加入によって、The Fallの人気は高まり、R. Dean Taylorの"There's a Ghost in My House" (1987年)やThe Kinksの"Victoria" (1988年) のカバーや自分達の曲"Hey! Luciani" (1986年)や"Hit the North" (1987年)などのシングル、そして、1984年のアルバム”The Wonderful and Frightening World of The Fall”や1985年のアルバム”This Nation's Saving Grace”(本作品です)、1988年のアルバム”Bend Sinister”或いは1988年のアルバム”The Frenz Experiment”を順調にリリースしており、ファンにも評論家にも高評価を受けています。またアルバム”I Am Kurious Oranj”はSmithとダンサーのMichael Clarkによるバレエ曲でもあり、これも好評でした。この頃(1985年頃?)に、Simon RogersがKbdで加入していますが、後に、Marcia Schofieldに代わっています。Paul Hanley (Drs)はThe Fallのワールドツアーでは脱退していましたが、アルバム”This Nation’s Saving Grace”リリース後に、Karl Burnsの代わりにSimon Wolstencroft (Drs)が加入しており、バンドはダブル・ドラムではなくなり、ソロドラム体制になっています。Wolstencroftのドラムは、Burnsに比べて、呑み込みが早くかつファンキーでした。そして、2014年になって、やっとドラムがWolstencroftのアルバム”You Can Drum But You Can't Hide”がリリースされています。今回はここら辺までにしたおきます。 それで、本作品についてご紹介していきますが、先ずはこのアルバムの時のメンバーを紹介しております。この時のメンバーは、Mark E. Smith (Vo, Vln, G), Stephen Hanley (B), Karl Burns (Drs), Simon Rogers (Kbd, A-G, B), Brix Smith (Lead-G, Vo), Craig Scanlon (Rhythm-G)の6人組です。多分、ここら辺りのThe Fallが好きな方は多いと思いますが、本作品での目玉は、B4 “I Am Damo Suzuki”ではないでしょうか?彼等のルーツがいわゆるクラウトロック、特にCanにあることを示す証左なのかな?それでは、各曲をそれぞれ紹介していきます、 A1 “Mansion”は、怪しさ満点のRogerのKbdが冴えてるダークなインストの小曲です。 A2 “Bombast”はノリの良い曲で、HanleyのBがドライブしており、SmithのVoも冴えています。隠し味はやはりRogerのKbdですね。 A3 “Cruisers Creek”は、BrixのGのリフとSmithのVoからいきなり始まる「The Fall」的な曲ですが、無理クリなサビが挿入されています。それでもギターのリフは繰り返されていますが。 A4 “What You Need”もモロThe Fallな曲で、ユーモラスで跳ねるようなベースとScanlonのギター及びRogerのKbdのリフが延々とリフを繰り返す曲で、SmithのVoとコーラスの対比も面白いです。 A5 “Spoilt Victorian Child”は、アップテンポな曲で、少しR&B調ですが、SmithのVoで一気に「The Fall」的なサウンドになってしまいます。途中と最後のブレイクと言うか緩急の付け方も効果的です。 A6 “L.A.”はめちゃくちゃカッコいい曲で、HanleyのベースとRogerのシーケンスにBrixのGのメロディがバッチリです。Smithの呪文のようなVoと女性コーラスが映えています。 ではB面にいきます。 B1 “Gut Of The Quantifier”はBurnsのドラムとSmithのVoで始まり、タイトなリズム隊とScanlonとBrixのギターが上手く絡んでいます。途中からギター・ノイズが入ってきて終わります。 B2 “My New House”はRogerのアコギで始まりますが、他の楽器が入ってくると、一転して「The Fall」節になってしまうマジックな曲です。あのSmithの裏返ってしまうVoも堪能できますよ。 B3 “Paintwork”でもRogerのアコギがたっぷりと聴けますが、途中で、ちょっとした仕掛けがしてあります(これは聴いてのお楽しみ)。ベースやギターが入ってくると途端にいつもの「The Fall」節になってしまい、反復する曲で盛り上がりますが、Kbdが良い味出していますね。 B4 “I Am Damo Suzuki”は問題作ですね。しっとり始まったかと思ったら、激しいドラムが挿入、再び、落ち着いたと思ったら、またドラムが挿入され、SmithのVoは曲のタイトルを連呼しています。SmithにとってDamo鈴木は憧れだったのかな? B5 “To Nkroachment: Yarbles”は、独独のベースラインとSmithのヴァイオリンもVoも聴ける小曲です。 総じて、The Fallの一番脂に乗っていた時期のアルバムなので、ハズレはないです。まあ、結局は、Damo鈴木との関係はよく分かりませんでしたが、The Fallの「反復」と言うのは、乱暴な言い方をすれば、Canのハンマービートを楽曲に取り入れて、ほんの2パターンで曲の演奏を押し切ると言うことでは?と思いました。また、その為には、Hanleyのベース・ラインが、メリハリを付ける時に非常に重要なんだと確信しました。そこら辺が好きな方は是非聴いてみて下さい‼️損はしませんよ❗️ https://youtu.be/K-lCxdxRsF0?si=u-iUlLYOmpEi6lla #TheFall #ThisNationsSavingGrace #BeggarsBanquet #PostPunk #13ThAlbum #Repetition #MarkE.Smith #StephenHanley #KarlBurns #SimonRogers #BrixSmith #CraigScanlon #IAmDamoSuzuki #Can
Post Punk Beggars Banquet 3400円Dr K2
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Duffo “s/t”
Duffoと聞いて、何人の方が反応するでしょうか? New Wave勃興期に遅れてきた豪州のグラム・ロック・ミュージシャンで、本名Geoff "Jeff" Stephen Duffなんですが、私は、ジャケが気になっていて、そんなに高くなかったので中古レコード店で購入、久しぶりに聴いてます。そんな訳で、David Bowieになれなかった彼、Duffoのファースト・アルバムです。1980年代は英国で活動していましたが、どうにも英国では評価されなかったようで、豪州に戻ってきてからは高評価されていたようです。彼のバイオグラフィーを紹介しておきます。彼は1971年にメルボルンで音楽活動を始めており、それがフュージョン・バンドKushのVoとしてです。このバンドは豪州では超人気バンドでしたが、Jeffは、1978年に英国ロンドンに渡り、ユニセックスで、風変わりな格好をして、その時からDuffoと名乗って活動を始めます。また、彼は、ステージ上では、レオタードを身につけ、キラキラの派手なメイクをして、まるでオペラ歌手のように振る舞っていたそうです。彼はKbdも出来たので、Sev Lewkowiczのアレンジャーとしても活躍しています。それで、1979-1982年の間、Duffo名義で4枚のアルバムをリリースしています。音楽史家のIan McFarlaneは、「彼の風刺の効いたニューウェーブな曲”Give Me Back Me Brain”はLou Reedの”Walk on the Wild Side”に匹敵するソウルフルな名曲だ!」とも言っており、彼のルーツにグラム・ロックがあることを指示しています。また、Andy Woholeも彼のことを「Sinatra, Preslepy, Jagger, Popeye…そして今はDuffoだ!」とよくこの言葉を引用していたらしいです。豪州に戻ってからも、Jeffは、David BowieとFrank Sinatraの音楽を融合したような音楽でら2005年にはオペラ・ハウスでのライブをソールドアウトする程の人気を得ます。更には、David Bowieに敬意を表して、”Ziggy”と言うショーを2010年と2012年にオペラ・ハウスで行っていますし、また、Bowieに捧げる本”This Will Explain Everything”を2016年に出版しています。また、彼は”Ground Control to Frank Sinatra”と言うステージ・ショーをプロデュースし、2枚のアルバムも出しています。とまあ、こんな感じでらDavid BowieとFrank Sinatraに魅せられたJeffでしたが、彼は豪州に戻ってきてから、豪州のスーパースターになった訳ですが、豪州では自分のバンド名を含めて、Duffoと名乗ったり、本名名義で活動したりしています。 そんな経歴の持ち主ですが、本作品は、英国でDuffoと言う個人名義でリリースしたファースト・アルバムです。バックは、Peter dobson (Drs), Michael Howlett (B), Nicholas Colq (Piano), David Herzog (G)が固めています。内容はシンセを使った曲はニューウェーブ的ですが、曲調は全体的に、グラム期のDavid Bowieを想起させるようなロックで、寧ろ、彼が英国進出した時には、ちょっと古いかな?と思わせます。確かにパブロックやグラム・ロックの流れにあり、ニューウェーブとは一線を画しているなあと思います。また曲名も凄くて、「キ○ガイの塔」、「ダフォ(俺は天才)」.「ダフォのオディッセイ」とか「俺に脳みそ返してくれよ」とまあこんな感じです。こんな歌詞をグラム調の曲に合わせて テノールの良い声で歌うDuffoはきっと魅力的だった思いますよ。英国では色物扱いだったかもしれませんが、豪州ではスーパースターなDuffo、聴いてみますか? “Give Me Back Me Brain” https://youtu.be/wVR0oZUECbk [Album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_k56QfYsY9OS1LCZpPdLIl9Ztw7FzMHLeA #Duffo #Beggar’sBanquet #GeoffJeffStephenDuff #GramRock #NewWave #Australia #UK #DavidBowie #FrankSinatra #Ziggy #GiveMeBackMeBrain
New Wave / Gram Rock Beggars Banquet 不明Dr K2
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Tubeway Army “s/t”
Gary Numanが率いていたTubeway Armyの本当のファースト・アルバムは本作になります。メンバーはGary Numan (Vo, G, Kbd), Paul Gardiner (B, B-Vo), Jess Lidyard (Dr)。結成は1977年。少しバイオグラフィーを追加しておきます。Gary Webb(後のNumanのこと)は18歳の時にMean Streetと言うパンクバンドをやっていましたが、このバンドを脱退後、The Lasersにリードギタリストとして加入、その時にBのPaul Gardinerと出会い、The LasersはTubeway Armyに改名し、Garyの従兄弟のJess LidyardをDrで引き込みます。そして、パンク・ムーブメントの中でライブ活動やデモテープの作成を行います。それがきっかけで、Beggars Banquetと契約し、ギター重視のシングル”That’s Too Bad”と”Bombers”をリリースしますが、チャートインはできませんでした。またGaryはDrを代えたり、Gを加えたりしますが、パンクロックのライブでの客の暴れ振りに嫌気が指して、ライブをやらないと決めます。暫くして、Tubeway Armyにアルバム作製の話しが舞い込んできて、オリジナルのメンバーですぐさま作製します。この時にニックネームを使うようになります。Gary WebbはGary Numanと言う風に。そして、G/B/Drを元にした曲に、スタジオに置いてあったMinimoogを導入しています。歌詞も、Garyが好きだった J. G. BallardやPhilip K. Dickを想起させるディストピアな内容に変わっていきました。このアルバムはリリースされると、初盤5000枚は即完売となっています。Garyは相変わらずパンクロックとは距離を置いていました。しかしながら、何とかシーンに復帰したいと思っていましたが、レーベルからに却下されています。そして、次のアルバム”Replicas”に繋げていきます。この先は、前回のバイオグラフィーを参考にして下さい。 それで本作品ですが、荒削りながらも、既に完成度の高いエレクトロ・ミュージックをやっています。確かにタイトなベースとドラムに支えられて、Gary Numanの単元止めみたいなヴォーカルが既に確立しています。彼の声質ってプラスティックみたいで、それがまたディストピア的で曲にマッチしてますね。朗々と歌い上げないロックを確立したのではないでしょうか?これこそがNumanのNewたる所以ではないでしようか?まだ、エレピも使ってますね。リズム隊がしっかりしたいるので、ギターやシンセの音が多少弱くても全然聴けますよ。本作品以降のアルバムと比べると、シンセは少な目で、よりロックっぽいアレンジになっています。あと、彼の作る曲はリフとかがシンプルでわかりやすいと言う特徴もありますね。皆さんもパンク生まれで、パンク嫌いなエレクトロ・ミュージックを堪能した下さい。 “Listen To The Siren” https://youtu.be/iA6smLm8cog #TubewayArmy #BeggarsBanquet #ElectroRock #GaryNuman #Synthesizer #PaulGardiner #JessLidyard #Minimoog
Techno pop Beggars Banquet 不明Dr K2
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Bauhaus “Mask”
私、このバンドはそれ程聴いてはこなかったなぁ。と言う訳で、今回はGoth Rockの元祖、Bauhausのセカンドアルバム”Mask”です。何故かはよく分からないのですが、リアルタイムでは聴いてこなかったですね。特に好きとか嫌いとかもなく、スルーしてきました。先ずはメンバーを紹介します。Peter Murphy (Vo), Daniel Ash (G), David J (B), Kevin Haskins (Dr)です。それで彼等のバンドグラフィーを少し。結成は1978年です。Daniel Ashは、友達のDavid J. HaskinsとそのKevinと色んなバンドで活動してきましたが、彼はPeter Murphyを誘ったら面白そうと思い、一度は誘いましたが、特に何も変わらずと言うことで、そのままになりました。それで、Danielがやっていたバンドで割と長く続いていたCrazeと言うバンドが、数回ライブをやって、解散してしまい、そこで、Danielはもう一度、古い学校の友達でもあるPeterを誘ってみましだ。彼は当時、印刷工場で働いており、歌詞を書いたことも、曲を作ったことも無かったのですが、トライしてみることに。そして、Danielは古い付き合いの同級生であるKevin Haskinsをドラムで加えます。この時に、BはChris Barberで、S.R.と言うパンドを始めますが、数週間で、Bは、他のバンドのバンマスだったDavid Jに代わり、バンド名もBauhaus 1919に代わります。このバンド名は獨逸の有名なアートスクールの名前から拝借し、かつそのアートスクールが開校した年を表したものです。それで彼等は1978年の大晦日にWellingboroughのCromwell pubでライブデビューを飾ります。結成して僅か6週間後に、彼等はデモテープ作りの為、WellingboroughのBeck Studioで録音作業に入ります。5曲が録音されますが、ドラムにディレイやエコーをかけたり、或いは、彼等の有名な曲"Bela Lugosi's Dead"はこの時点では9分超えの曲でした。このデモが元で、1979年8月にSmall Wonder Recordsからデビューシングル”Bela Lugosi's Dead"をリリースします。この時にバンド名はBauhausに短縮されます。この曲は大手のレーベルはもっと3分位に出来ないか?と言ってくるので、ウンザリしていましたが、Small Wonder Recordsだけはそれでいいと返事をした為、彼等はSmall Wonder Recordsと契約します。このシングルは各音楽誌でも評判が良く、またJohn Peelにも気に入られ、BBC Radio 1でもかけられています。しかしながらSmall Wonder Recordsは利益が上がらないとの理由で、ツアーのサポートは出来ないと言った為、Bauhausは4ADと契約を結び、2枚のシングルを出した後に、彼等のファーストアルバム”In The Flat Field”を1980年10月にリリース。NMEなどは「ゴシック・ロマンスな似非デカダンスだな」と酷評されますが、リスナー受けは良く、英国インディー・チャートでも高い人気がありました。1980年8月に米国にミニツアーを敢行。戻ってきて、同年9月にT.Rexの”Telegram Sam”のカバー曲をシングルでリリースします。パンド側は、成功の予感がしたのか、4ADの親レーベルBeggars Banquetと契約を結び、2枚のシングルをリリース、その後、1981年10月にセカンドアルバムでもある本作品”Mask”をリリースします。パンドはKbdをより多く使用し、他の楽器も使い、多様な曲作りをしています。また、ジャケの絵はDaniel Ashによる表現主義的なドローイングを使用しています。また、このリリースに合わせて、Chris CollinsとKen Lawrenceによる短編映画も作製され、プロモーションにも使われています。その後、バンドはスタジオアルバムを4作品出して、1983年に解散しています。バンドは1998年にツアーの為、一度再結成していますが、その後、2005年に正式なリユニオンをして、2008年に解散、更に2019年に再々結成をして現在も活動中との事です。ここら辺のことはまた機会が有れば書きますね。 それで、セカンドアルバムである本作品ですが、一言で言うならば、「カッコいい!」です。それを言っちゃ終わりなのですが、兎に角、A面1曲目”Hair Of The Dog”のイントロのギターからしてカッコいいです。また、A3”Of Lillies And Remains”でのPeterのスポークン・ワードも不思議なリズムの曲とマッチして良い感じです。A5”Hollow Hills”ではシンセやパーカッションなども用いて、スローで耽美的な感じがヤバいです。B面1曲目”Kick In The Eye 2”はファンキーなリズムに同時代性を感じます。またB2”In Fear Of Fear”では陽気な雰囲気の感じられる曲で彼等のイメージからは離れられますが、不思議です。シンセも暴れています。B3”Muscle In Plastic”のペースとヴォーカルとドラムの掛け合いは凄いです。B5”Mask”での逆回転するギターとシンセがマッチしており、締めとなってます。てな感じで、思ってた以上に多彩な表現が感じられました。ヘッドフォンで聴くと更に細かい凝ったところが分かりますね。彼等が、ゴスかどうかよりも、曲作りと凝ったアレンジが良く分かる作品だと思います。なので、皆さんも先入観無しで聴いてみて下さい。 A1”Hair Of The Dog” https://youtu.be/gqXycgODO5Y B5 “Mask” https://youtu.be/4a2YH2ZRw2Q [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_kT58uil_crUUz3nqqa_u4Ly-YnC-SdFHM #Bauhaus #Mask #BeggarsBanquet #PostPunk #Goth #SecondAlbum #PeterMurphy #DanielAsh #DavidJ #KevinHaskins #SecondAlbum
Post punk / Goth Rock Beggars Banquet 不明Dr K2
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The Fall “458489 A Sides”
意外とこのバンド好きな人、多いんだよね。と言う訳でThe Fallが登場です。このバンドも息が長かったので、バイオグラフィーは大変かなぁと心配しつつ書いてみます。その前に、このアルバムは1984-1989年にリリースしたシングルのA面の曲を集めたセルフ・コンピで、同時期にB面の曲だけ集めた作品もあります(私は未聴、すまん!こっちの方が聴きたい!)。Voでフロントマンで、唯一のオリジナルメンバーであるMark E. Smithを中心に、1976年にManchesterで結成されます。その時のメンバーは、Mark (Vo), Martin Bramah (G), Una Baines (Perc→Kbd), Tony Friel (B)です。彼等は各々が書いたものを見せ合ったり、ドラッグを回したりしていたらしいです。そして、彼等はH.P. Lovecraft, Raymond ChandlerやMalcolm Lowryの小説が好きなだけではなく、音楽的にもMonksのようなガレージやThe Stoogesが好きだっただけではなく、CanやVelvet UndergroundやCaptain Beefheartも好きだったとのこと。それで、Markは、1976年にSex PistolsのライブをManchesterで観た後、バンド名をOutsidersにしようと言いますが、Tonyが拒否。Tonyが、カミュの小説「転落(The Fall)」から引用して、The Fallに決まります。Unaは初め、ドラマが決まるまでは、ビスケットの缶を叩いていましたが、ドラムがSteve Ormrodに決まるとKbdにスイッチしました。初ライブは1977年5月23日にNorth West Arts basementでした。基本的にThe Fallの音楽は「反復」から成り立っており、それが本質であるとMarkも明言しています。それで、先述のドラマーほ、他のメンバーと政治的心情が違うとして、その一回でやめてしまいます。代わって、Nuclear AngelのKarl BurnsがDrで加入します。The FallはBuzzcocksのマネージャーRichard Boonの目に止まって、1977年11月に”Bingo-Master's Break-Out”EPを録音をしていますが、結局はこの時はリリースできませんでした。結局、The FallのレコードデビューはManchesterのライブハウスThe Electric Circusでのライブ録音のコンピレーション”Short Circuit: Live at Electric Circus”(1978年)になります。その後、1977-1978年に第一回の大きなメンバーチェンジが行われます。Unaの友達で精神病院で働いていたKay Carrollがマネージャー兼バックVoとして加入しますが、Tonyはそれが気に入らなくて1977年12月に脱退します。この代わりにJonnie Brownが、その後にもEric McGannに代わります。この編成で1978年2月13日のGranada TV showに出演し、”Psycho Mafia”など3曲を披露しています。しかしながら、Una Bainesが、薬物のオーバードーズやそれによる神経衰弱で1978年3月に脱退します。代わりにYvonne Pawlettが加入。更に、ローディーだった16歳のMarc Rileyを新しいBとしてリクルートしてきます。先述のお蔵入りにらなりかけたEPは1978年8月に漸く、Step Forward Recordsからリリースされます。1978年12月に、ほんの1日だけで作ったデビューアルバム”Live at the Witch Trials”が、翌年3月にリリースされます。しかし、その直後、Karl Burns (Dr)が脱退し、1979年4月に代わりにMike Leighが加入します。が、一緒に曲を書いていたMartin Bramah (G)が続けて脱退します。それで、Marc RileyはBからGにスイッチし、Craig Scanlon (G)とSteve Hanley (B)が加入します。2人ともMarc Rileyのバンドメイトだったそうです。Steve Hanleyのベースラインはメロディックで、Mark E. Smithもベタ褒めです。1979年7月30日に3枚目のシングル”Rowche Rumble”をMark E.Smith, Craig Scanlon, Steve Hanley, Mike Leigh, Yvonne Pawlettで録音、その直後にYvonneは脱退しています。それでセカンドアルバム”Dragnet”を1979年10月26 日にリリース。格段に音は良くなっていました。The Fallは4枚目のシングルを1980年1月13日にリリースしますが、Mike Leighが脱退し、その代わりに、Steve Hanleyの弟Paul Hanley (Dr)が加入しますか、当時まだ16歳でまだ学校にも通っていました。その後、パンドはRough Tradeと契約、1980年11月に彼等のサードアルバム”Grotesque (After the Gramme)“をリリース。シングルカットされた”Totally Wired”は英国インディーチャートで1位になりますが、MarkはRough Tradeのポリシーが気に入らなくなり、1981年末に契約を切り、Kamera Recordsと言う小さなレーベルと契約します。その前後で、米国ツアーを計画しましたがが、Paulが若すぎて、ライブハウスで夜は出られない為、ビザが降りませんでした。そこで、再び、Karl Burns (Dr)を仮のメンバーとして加えることにし、米国ツアーを敢行します。帰ってきても、Karlはプレイしたいとのことで、ダブル・ドラムと言う編成になります。1982年3月8日に”Hex Enduction Hour”をKamera Recordsよりリリース、更には1982年9月27日にはアルバム”Room To Live”もリリースしています。しかしながら、Marc Rilayが色んな問題・批判があって、1982年末には解任されます。1983年になると、Rough TradeもKamera Recordsもそれぞれ違うシングルをリリースしています。それで、当時のMarkの米国人の恋人(後に結婚)Brix SmithがGで加入。彼女も曲を書きます。比較的保守的ですが、強力にポップな曲を書きます。その為か、イントロ・コーラス・イントロみたいなオーソドックスな構成の曲が多くなります。また、ファッション的にも変化があって、ワーキング・クラスからすると奇異に映る位、グラマラスで派手な服装になるようにメンバーも指示を与えます。1983年に12月5日にRough Trade では最後となるアルバム”Perverted by Language”をリリース。それがBixが参加した最初のアルバムになります。この時期(1983-1989年)はBixの影響もあって、バンドの音楽性も聴き易くなり、多くのファンを獲得できたのではないでしょうか? シングルだと、Dean Taylorのカバー "There's a Ghost in My House" (1987)やthe Kinksのカバー"Victoria" (1988)がヒットしましたし、彼等の曲 "Hey! Luciani" (1986)や"Hit the North" (1987)もヒットしています。この時期のアルバム”The Wonderful and Frightening World of The Fall”(1984), “This Nation's Saving Grace” (1985), “Bend Sinister “(1986)や”The Frenz Experiment” (1988)は音楽評論家からも概ね良いレスポンスが書かれていたとか。この時、ツアー中にPaul Hanleyが脱退してしまいます。代わりにSimon WolstencroftがDrとして加入します。彼は単独ドラマーになりつつあり、Karl Burnsのドラマーと違って、軽快でファンキーな音を出します。後にSimonは2014年に”You Can Drum But You Can’t Hide”でThe Fallでのドラムをことについてのメモアールを出版しています。ええっと、もうこんなに書いてしまいましたが、1990年代と2000年代についてはまた、機会がありましたら、書くことにします。因みに、リーダーのMark E. Smithは、末期の肺癌と腎癌を患っており、2018年1月24日にManchesterの自宅で亡くなっています。60歳でした。彼の死を持ってThe Fallは活動を停止したことになります。The Fallの1980年代の一番良質な音楽をやっていた頃のことは先に記した通りなので、その時にリリースされた曲をコンパイルした本作品について紹介をしていきたいと思います。 メンバー構成については、前述を参考にして下さい。基本的にはMark E. Smith (Vo, Tape, Piano), Craig Scanlon (G), Steve Hanley (B, A-G) Brix Smith (G, Vo)にPaul Hanlay (Kbd, Dr), Karl Burns (Dr, Perc, B), Simon Wolstencroft (Dr, Perc), Simon Rogers (Kbd, G), Marcia Schofield (Kbd, B-Vo)が時期をずらして加わったりしています。また一回限りではGavin Friday (Vo)やFredrica Federation (G)ですね。初期の野暮ったさは上手く書き換えられており、クリアな音になってますね。タイトなリズム隊とMark E. Smithの非ラップ的スポークン・ヴォーカルがあれば、いつだってThe Fallは最高さと言って言ったのは私の友人だが、その通りだと思いますね。本作を聴いて確信しました。グルグル回るような「反復」が気持ちよいではないですか❗️しかもBrixの加入で、曲に幅ができた感じもします。この次はこの企画盤の裏盤”B Sides”を聴いてみたいですね。個人的にはここら辺のThe Fallを良く聴いていたので(特にB面)、聴き慣れている分、気持ちいいです。皆さんもこの時期のThe Fall、きっと気に入りますよ!是非是非! [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_nD8B-4y55KTiLQOItOK-5QyzVEhWevGWA #TheFall #458489ASides BeggarsBanquet #PostPunk #MarkE.Smith #SteveHanley #CraigScanlon #BrixSmith #1984-1989
Post Punk Beggars Banquet 2740円Dr K2