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Moebius, Neumeier, Engler “Another Other Places”
ClusterのDieter MoebiusとGuru GuruのMani NeumeierとDie KruppsのJürgen Englerとの独新旧3人のコラボ作品”Other Places”に引き続き、またまた、新録で2014年にリリースされたコラボ・アルバム第2弾”Another Other Places”をご紹介しましょう。それぞれのバイオグラフィーについては、それぞれのバンドなり個人なりのをご参照下さい。今回も、Moebius (Electronics), Neumeier (Drs, Perc, Kaosscillator, Pro One, Bells), Engler (G, B, Piano, Bells)から成りますが、ミックスはEnglerとMoebiusによって行われていますが、マスタリング担当はChris Lietzです。今回も、A面5曲/B面4曲と言う構成で、恐らく、即興演奏の記録ではないがと思いますが、どこにも明記はしてありません。また今回はLPの他に同一内容のCDも付いています。それでは、各楽曲を紹介していきます。 ★A1 “Watzmann”は、前作と随分と違う路線です。ベルの音、ムニュムニュした低音シンセ音、ギターらしき弦楽器の音がビートレスに絡み合う不思議な夢想曲です。 ★A2 “Wohlauf”も、逆回転から始まったと思うと、すぐは軽やかなドラムとEnglerのギターで曲が始まり、それにMoebiusのシンセとシーケンス、更にはEnglerと思われる歪んだヴォーカルも入ってきます。何かトロピカル風ですね。最後はちょっとしたサプライズかな? ★A3 “Wahnfried”では、またまたムニュムニュしたシンセとパルスのような規則正しい音に、打楽器(タブラ?)とか遊んでいるようシンセ音が塗されています。 ★A4 “Verirrt”では、淡々とした変なシーケンスとキック音に、シンセ?サンプラー?やピアノの音やシンバル〜タムの音の断片が振り掛けられています。面白い曲です! ★A5 “Expressionist”は駆動する機関車のような不安定なシーケンス・ビートに、シンセのヘンテコな音やらドラムのおかずやらエフェクト掛けたギターらしき音が纏わりついてくる曲です。 では、B面にいきます。 ★B1 “Destilliert”は、おもちゃのようなドラミングとアナログっぽいシンセ音に、ややメロディアスなギターが加わって、何だか1980年代のNDWみたいな曲になっています。少しマカロニ・ウエスタン風味を感じます。 ★B2 “Stimulanz”はゆったりした、スローなシーケンスに、ヘンテコなシンセ音が絡む曲で、時々、缶を叩く音やベースの音も聴こえてきます。 ★B3 “Verwirrt”は、ヘンテコなシーケンスとフリーキーなシンセが絡み合う曲で、その後ろで、ドラムとベースが自由に後押しをしていると言う感じにミックスされています。 ★B4 “Störenfried”は銅鑼で始まり、超絶のNeumeierのドラミングとEnglerのギターを中心に進んでいく「正統な」ロック調の小曲で、このアルバムを締めています。 今回は、ドラムよりもギターの音やシンセの音が良く聴こえていて、どちらかと言うとMoebiusやEnglerの要素が強く、前作とはかなり印象が異なります。やっぱり「時代」と言うことでしょうか? それにしても、同じ3人が作ったとは正直分からないです。どちらかと言うと、「1980年代のNDWのアングラ・バンドの音源です」と言って信じる人いるんじゃないかなあと思う位、面白い音楽です!なので、NDWファンは買って損はないと思います‼️そうじゃない方も聴いてみてね❗️ A4 “Verirrt” https://youtu.be/QY8b1v-ZSCQ [full album] https://youtube.com/playlist?list=PL22Aa1wSmDcUFH0yWnRdZTqzMDVNIFaD3 #Moebius #Neumeier #Engler #AnotherOtherPlaces #BureauB #Electronic #Krautkrock #Rhythm #Cluster #DieterMoebius #GuruGuru #ManiNeumeier #DieKrupps #JürgenEngler #Collaboration #Improvisation
German Rock Bureau B 不明Dr K2
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Czukay & Plank “Les Vampyrettes”
これ程、ピッタリくる組合せも他にないですね。プログレ大将CanのベーシストHolger Czukayと、独逸のロックを下から強力に支えてきた名プロデューサーConny Plankの初の共作となるLes Vampyrettes名義の12㌅マキシシングルの登場です(因みに私が持っているのは再発盤です)。どうもテーマは「心地よい恐怖」らしく、単調で簡素なベースあるいはパイプの音に、様々な「怖い」音が挿入され、低速再生したかのような地獄からの語り(初め、プレーヤーの回転速度を間違えた位です)が乗ってきます。何でも噂では、このマキシ・シングルをHolgerがラジオの深夜放送で掛けたところ、ラジオのリスナーから「怖過ぎるので、すぐ放送を辞めろ❗️」と苦情が殺到したらしいです。まあ不気味な声ではありますね。オリジナルには歌詞を様々な言語に訳した文章が付いており、その中には、ダモ鈴木による和訳もあったようです。「突然変異生物」と「没落への警告」の2曲が収められています。ただ、「恐怖」と言っても、スプラッターものやゾンビもののそれではなく、意外とカラッとしていて、粘着質な恐怖感はないです。そんな2人が作り上げた共作、如何でしょう?是非とも聴いて下さい。 “Biomutanten” https://youtu.be/-D-QgbSUslo #HolgerCzukay #ConnyPlank #LesVampyrettes #UsuallyFears #Biomutanten #Menetekel
German Rock Grönland Records (not on label) 不明。Dr K2
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Guru Guru “Hinten”
続いても、またしてもGuru Guruです。今度はセカンド・アルバム”Hinten”(独逸語の話し言葉では「おしり」のこと)です。ジャケもそのまんまですね。バンドのネーミングと言い、ジャケと言い、ふざけ切ってますね。その割に、演奏の方は少しカッチリまとまったかのような内容になってます。それでも、タイトでアグレッシブな演奏は凄まじいものなんですが。これは恐らく、ドラム魔人Mani Neumeierによるんじゃないかと推測してます。しかし、このアルバムを初めて聴いた時に、A-1の冒頭の直ぐ後のブレイク時に”Electric Junk!”と呟くのは鳥肌モノでした。それからこのアルバムは例のConny Plankがエンジニア(? 音響デザイン)を行なっていることも重要ですね。それで多分に聴き易くなっているようにも思えます。まあ曲がある程度、固まっているからことかも知れないです。基本、ジャム・セッション的ですが、このアルバムの曲は何らかの決め事に沿って、自由に演奏している感が強いです。しかしながら、Connyってエレクトロなもののイメージが強いですが、こう言うヘビーサイケも手掛けるんですね。流石、一流のサウンド・エンジニアですね。B-1”Bo Diddley”は、「1950年代のアメリカのロックンロールの先達に対する、ドラッグ漬けのサイケデリック世代によるリスペクト」だそうですが、よくは分かりません。でも、この曲もカッコいいです。B-2”Space Ship”では逆回転や鳴り物やラジオらしき音が配置されて、かなり混沌とした音楽になっています。そんな「回転」のセカンドを聴いてみてください❗️しかしながら、ジャケ写は誰のお尻かと言う疑問が残りますが。 https://youtu.be/rRlSZjMNOuU #GuruGuru #Hinten #Ohr #Psychedelic #ManiNeumeuer #UliTrepte #AxGenrich #ConnyPlank #GernanRock
German Rock Ohr 不明Dr K2
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Guru Guru “UFO”
さてさてきましたよ、独逸が世界に誇るヘビーサイケなバンドGuru Guru (この名称は独逸語でカエルの鳴き声「ゲロゲロ」とのこと)の登場です。買ってたのすっかり忘れてました。このバンドは元々、The Irene Schweizer Trioと言うフリージャズのトリオにいたドラム魔人Mani Neumeierがフリージャズはもう飽きたと言って、ベースのUli Trepte を誘って、1968年に結成したGuru Guru Groove Bandが母体になっています。その頃はめちゃくちゃ喧しくて、初期のライブのいくつかは「社会主義ドイツ学生連盟」がサポートしてました。初代ギターはEddy Naegeliでしたが、米国人のJim Kennedyに交代、しかしかJimも健康上の理由でステージ上で倒れた為、1970年に元Agitation FreeのAx Genrichに代わり、ヴォーカルを無理矢理ギターに代えて鉄壁のトリオが生まれ、名前を短縮してGuru Guruになりました。その頃はJimi Hendrix & The ExperienceやCreamと並び称されるように人気があったようです。それでその年1970年にファースト・アルバムである本作”UFO”を西ベルリンの独逸ロック専門のレーベルOhrからリリースします。その後のことはちょっと省きますが、1996年に初来日した時に、Maniは「グルグル」と言う言葉は日本語で「回転」を意味すると初めて知ったとか。それ以来、度々、ソロでも来日しています。なお、バンドの方もメンバーを替えながら、彼を中心に現在も続いているみたいです。 それで本アルバムですが、基本的にはロックのジャム・セッションから成るみたいで、ドラムは叩きまくり、ギターはギュイーンとファズかけて弾きまくってます。ベースはこれらの音がバラバラにならない様に一生懸命キープしたり、ぶち壊すかの様に弾きまくったり。ヴォーカルもあることはあるのですが、殆ど呟きにしか聞こえないですね。基本、インスト・バンドとして考えた方がいいです。A面までは、ノリみたいなものが感じられ、特にA-2”Girl Call”からA-3”Next Time See You At The Dalai Lhama”の繋ぎはカッコいいです。なお、クレジットを見ると、ラジオとかコンタクトマイクとかテープとかも使っているみたいです。それらを使って、B面は更に混沌としていきます。特に表題曲B-1”UFO”は面白いです、「コイツら楽器、演奏する気があるのか?」と言った意味で。これも彼等のジャム・セッションなんでしようね。そんな彼等の混沌を是非堪能してください。 https://youtu.be/4mmK6etUMQ0 #GuruGuru #UFO #Ohr #GermanRock #HeavyPsyche #ManiNeumeuer #UliTrepte #AxGenrich
German Rock Ohr 不明Dr K2
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Moebius-Plank-Neumeier “Zero Set”
これはマスト・アイテムですね。Cluster/HarmoniaのDieter Moebiusとジャーマン・ロックを広く支えた名プロデューサーConny Plank、そして元々フリー・ジャズ・コンボSchlippenbachに入っていたが、ジャーマン・ロック・バンドGuru Guruを結成したMani Neumeierが、ガッツリ組んで、1982年に作製した作品が、この”Zero Set”です。元々、MoebiusとPlankは1980年作”Rastakraut Pasta”や1981年作”Material”でコラボをやっていましたが、1970年代中期の彼等の活動やスタジオでのHarmoniaとのセッションを見てきたNeumeierは当然(或いは必然的)との様に彼等2人とコラボすることになりました。そして、Moebiusは電子音に、Neumeierはドラムに、Plankはスタジオに最大限の注意を払い、可能な限りワイドレンジの録音作業を行なって、最終的な編集作業へと辿り着きます。 Neumeierは機械の様な正確さとスタミナでドラムを叩いてますが、それはMoebiusの電子音のシーケンスに同期させる為です(1970年からアナログのシーケンサーは使われている)。それだけでも大変なのに、Neumeierはリズムをキープしながら、複雑なパターンのドラミングを見せています。これは正に独逸電子音楽の救世主レベルですね。また、時にギターやパーカッションの音も聴取出来ますが、これは誰がやっているのでしょう?全部で6曲が収録されてますが、曲順や曲のヴァリエーションの取捨選択を同一のラインで行う為らしいです。それにしても、Neumeierのドラミングは凄いです。また一見、ミニマルなシーケンスや電子音も催眠的で、気持ち良く聴取できますし、全体の音の広がりが録音方法でこんなにも変わるのか?と思わせるPlankの技は特筆すべき点ですね。あとB-2”Recall”ではアフリカン・ヴォーカルとしてSudanのDeukaが入っていますが、これに目が行くと、アルバム全体が分からなくなりそうです(決してそれが悪いとかじゃなくて)。しかしながら、全体に渡る音のダイナミズムと躍動感は、電子音楽でありながら凄いです、こんな名盤をリマスターしてリイシューしてくれた仏レーベルBureau Bには感謝です。皆さんの機会がありましたら、是非聴いてみてください。マストですよ❗️ https://youtu.be/IR-gKanpvpA #DieterMoebius #ConnyPlank #ManiNeumeier #ZeroSet #SkyRecords #BureauB #GermanRock #Electronics #Drums #StudioWork
German Rock Bureau B (Sky Records) 4500円Dr K2