Mario Bertoncini “Cartridge Music-Cifre-Four Systems”

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これも発掘物。いつ買ったんだっけと思うブツ。しかも、図形楽譜や演奏風景などと解説ブックレット(英語です)と一緒に、RRRの懐かしいカタログも入っているし。ん〜、全然思い出せん。と言う訳で、取り敢えず、演奏者がMario Bertoncini であり、John Cage作”Cartridge Music”とEarle Brown作”Four Systems”または自作曲”Cifre”を演奏しているのだなと言うことは分かった。それで、Mario Bertoncini のことを少し調べてみました。彼は、1932年生まれで2019年没の伊の作曲家、ピアニスト、音楽教師だったそうです。1962年には彼はAccademia Nazionale di Santa CeciliaでNicola d'Atri賞を取り、また1965年にはGaudeamus 国際作曲賞を受賞すると同時に、 Quodlibetで、Fondation européenne de la Culture賞も取っています。そして彼は、ローマを拠点にして活動していた即興グルーブGruppo di Improvvisazione di Nuova Consonanzaに1965-1973年在籍したおり、1970-1972年にはそのグルーブの会長にもなっています。また1974年に彼は独逸Berlinで交換レジデントとして過ごしたPesaro Conservatoryの音楽学部に就職しています。Berlin時代に、彼は、あるフェスに出す為に、動く音響彫刻を作製しています。1975-1976年に、彼はMontréalのMcGill大学の音楽学部で働いていましたが、彼は、1980年からリタイアする2004年まで、Berlin芸術大学の音楽学部で教員として働いていました。そんな彼は殆ど作品を残していないのですが、唯一、本作品が彼が残したアルバムだと言えるでしょう。演目について少々。John Cageの”Cartridge Music”は図形楽譜に基づいて、コンタクトマイクなどで小さな音を拾い上げる演奏から成る曲です。一方、彼の曲”Cifre”やEarle Brownの”Four Systems”は基本ははバリベアード・ピアノの曲です(ブックレットには演奏の様子や図形楽譜も載っているので、見ているだけでも楽しめます(と言うか、テキストが全部独逸語なので読めない)。先ずは片面全部を占めるJohn Cage作”Cartridge Music”ですが、スプリング(と言ってもNeubautenの様なデカい物じゃなくて、バネのオモチャ)や小物などを擦ったり、叩いたり、弓弾きしたた音を(多分)コンタクト・マイクで拾っている曲ですね。これはもう1990年に流行った音響系ノイズ(Small Cruel PartyとかSteve RodenとかTHU20なんか)或いは電子音響系の元祖ですよね。例えると「カサカサ」、「ガサガサ」或いは「ゴソゴソ」みたいな音が色んな表情で現れてくるミクロ決死隊のような音楽です。一方、自曲”Cifre”2曲やEarle Brownの曲1曲では、バリバリ或いはギュルギュルしたピアノの内部演奏が繰り広げられています。まるでピアノの悲鳴のようにも聞こえるサディスティックな音楽です(これは私個人の感想です)。私自身も内部演奏では無いのですが、ピアノと言う極めて論理的な楽器を使って、ピアノじゃない音を出そうとしていた時期がありました。因みに、Earle Brownの曲はDavid Tuforの誕生日のお祝いに書いた曲だそうです。

“Cifre”
https://youtu.be/qa2zgBfYOUM

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