V.A. “5 September 1982 —A Tribute To John Cage”

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これまた、渋めの選択です。スウェーデンの実験レーベルFylkingen Recordsが、John Cageの70歳の誕生日に合わせて、スウェーデンの5人の若手作曲家の作品をコンパイルしたアルバムです。私はここら辺の事情はよく分からないのですが、1958-1965年にかけて、John Cageは毎年Fylkingenを訪れていたらしく、そこでは音楽やインターメディアについてのセミナーや討論会がおこなわれており、その際に、David TudorやMerce Cunningham らと一緒に彼のコンサートやパフォーマンスが催されていたようです。A-3 Folke RabeはJohn Cageの不可思議で自由奔放さについての曲を、A-2 Leo Nilssonは、John cageが毎朝の散歩でキノコを摂ってくると言う、自然に対する新鮮な視点についての曲をやっています。B-2 Arne MellnasはCageの曲にコード進行を合わせた曲を提供しており、音楽の境界を広げています。一方、A-1 Lars-Gunnar BodenとB-1 Sten Hansonの曲はそれ程明確な意図はなく、Cageにとって生活や芸術が高次のレベルで影響されたことについての曲をやっています。
まあ,そんなコンセプトを知らなくても、音楽自体も面白いと思います。A-1 Lars-Gunnar Bodenの曲は恐らく人の声のショートループの重積からなる前半と、恐らくテープに録音された音を用いて,テープのカートリッジに擦りつけたようなグネグネした後半から成るテープ音楽で、A-2Leo Nilssonの曲は可愛らしいピコピコした電子音のシーケンスから成り、A-3 Forke Rabeの曲は雑踏のフィールド録音に楽器音楽を加えた曲から成ります。B-1 Sten Hansonは前半は人の肉声を変幻自在に変調させ、中盤では蝿の飛ぶ様な電子音と持続音から成り,後半はイカつい電子音で締めています。B-2 Arne Mellnasの曲はピアノとパーカッションの曲で,微分音階なのか、不安定な小曲となっています。
これだけ聴いても,面白いトリビュート作品なので,皆さんも聴いてみてください。

Lars-Gunner Bodin
https://youtu.be/7qbKx6tYI40

Folke Rabe
https://youtu.be/N6f0QRNQp1E

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