- Kinky Musik Museum
- 2F Underground music: Germany
- S.Y.P.H. “Punkraut 78-81”
S.Y.P.H. “Punkraut 78-81”
Canの再来と言われ、実際、Holger Czukayのプロデュースでもアルバムを出している独のバンドS.Y.P.H.の初期音源の決定版が、Tapete Recordsより出来立てほやほやで届きました! タイトル通り1978年〜1981年に行われたセッションからのベスト(?)テイクをコンパイルした内容となっています。Harry Ragの声明が載っていますが、彼は1972, 3年から活動を開始しており、その頃からテープレコーダーが大のお気に入りの楽器だったとのこと。1975年に、Uwe Jahnkeと出会い、2人ともCanの大ファンであったことで意気投合し、寝室で、アコギやボンゴ、おもちゃのトランペット、メロディカなんかでセッションして、毎回、ラジカセで録音していたのだそうです。c-60とかc-90とかのカセットに録音して、”Spleen”と名付けて記録しており、その後、1977年末にThomas Schwebel、その後Ulrich Putschが加わり、S.Y.P.H.と名乗ることになったようです。Jojo Walterは1979年秋に加わっています。Ragによると、彼等は、Erich Kästnerの「やらなきゃ良かったなんてことはない」をモットーに、とにかくやりたいように演奏し、録音をしてきたと言うことです。
本アルバムに収録されている曲A1-A3, A5, A6は、Harry Rag, Uwe Jahnke, Jojo Walter, Ulrich Putsch, A4は、Harry Rag, Uwe Jahnke, Gilbert Hetzel, Thomas Oberhoff, A7, A8は、Harry Rag, Uwe Jahnke, Andrea Becker, Thomas Schwebel, Ulrich Putsch, A9は、Harry Rag, Uwe Jahnke, Gilbert Hetzel, B1には、Harry Rag, Uwe Jahnke, Gilbert Hetzel, Thomas Oberhoff, Stephanie De Jong (Boss & Beusiの片割れ)からなっており、A7, A8は、1978年6月にデュッセルドルフのCarschhausでのライブ音源で、A1, A9, B1は1981年12月にハンブルクでのセッションをUlf Kaiserが録音した音源で、残りは、1978-1979年にゾーリンゲンでのセッションをHarry Ragが録音した音源とのことです。
それで、本作品の内容ですが、A面は、先ず、ヘロヘロのPercにシンセとオルガンや鉄琴やらと即興的なVoが乗るA1, カッコ良いファズGとまるでWildman FisherのようなVoの共演のA2, ヒョロヒョロした笛とファズGのふざけたような共演が続くA3, 結構カッコ良いミニマルでクラウトロックなミディアムテンポのA4, アコーディオンとヘロヘロのPercにBと言う何とも脱力なA5, 渋めのアコギにピアニカとラジオ音、更に出鱈目に歌うハーモニカと言うまたまた脱力感満載のインスト曲A6, いきなりアップテンポで突進するパンキッシュなクラウトロックにも聴こえるA7, これまたミニマルでCanの影響をモロに感じるA8, ゴソゴソしたバックの演奏にMichael Calori風の鋭いGが特徴的なインスト曲A9で、A面は締められています。
B面の長尺の曲は、ややスローで延々と続くBのリフとDrsに、Gや様々なノイズ的音、更に、Boss & Beusiの片割れでもあるStephanie De Jongの速射砲のような電話の声が乗ると言う”B級Can”のようで、中々聴き応えがあります(レコードではロックト・グルーヴになっています)。
本作品に収められている曲は、それぞれ、録音状態も完成度もバラバラですが、初期のS.Y.P.H.がどう言うバンドであったか?また彼らが何故、NDWの中で「Canの再来」と言われたのか?が良く分かる内容になっています。それが確認できるだけでも、このアルバムを聴く価値はあるのではないかと思います!!とにかく、彼等の実験精神がパンパンに詰まったアルバムですね。タイトル通り、全独ロック・ファンは必聴です!!
A1 “Ich Und Ich” (0:55)
A2 “Industriemädchen (Splut)” (0:28)
A3 “Töneflöten” (1:04)
A4 “Liebeslied” (3:46)
A5 “Mittelalterloop” (1:24)
A6 “Wildes Males” (3:36)
A7 “Blech” (3:03)
A8 “Mondpogo” (2:22)
A9 “Two Minutes In A Room” (2:11)
B1 “Hello Mr.” (18:44)
A1 “Ich Und Ich” (0:55)
https://youtu.be/h-CPaCwr2Xw?si=yAzq1iafUOyxyXjV
[full album]
https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_meEER6lWH83TftJvCugV_9ea0lAcPbXMU&si=wT5vmgCPRKtZUlea
[BandcampのURLも貼っておきます]
https://s-y-p-h.bandcamp.com/album/punkraut-1978-1981
#S.Y.P.H. #Punkraut78-81 #TapeteRecords #EarlyRecordings #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #Canの再来 #Experimental #Punk #PostPunk #Krautrock #LiveTrack #StudioRecording #HarryRag #UweJahnke #JojoWolter #UlrichPutsch #GilbertHetzel #ThomasOberhoff #AndreaBecker #ThomasSchwebel #StephanieDeJong
